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CPUの脆弱性をカンニング事件に例えてみた
覚えているだろうか。数年前、世界中のIT業界を震撼させた「CPUの脆弱性」というニュースを。
あれから時が経ち、新たな脆弱性が発見されるたびに、対策によってCPUの性能が下がってしまうのではないかと身構えてしまう。
だが、「CPUの脆弱性って結局なんなのか」と首をかしげている者も多いのではないか。今回は、この複雑な問題を、誰もが経験したことのある(かもしれない)「カンニング事件」に例えて解説してみよう。
投機的実行とはつまりカンニングのことだ!
想像してみよ。君は大事な試験を受けている。
問題はたくさん、時間は少ない。そんな時、君は秘密兵器を用意した。
そう、カンニングシートだ。
このカンニングシートを使って問題を解くことが、実はCPUの「投機的実行」という技術そのものなのである。
カンニング作戦の流れ
- 問題を読む前に、こっそりカンニングシートをチラ見する
- 実際の問題を確認する
- カンニングの答えが合っていたらラッキー!そのまま書く
- 答えが違っていたら、慌てて正解を考える
CPUも同じことをしているのだ。次の命令を予測して先に実行し、合っていたらその結果を使う。間違っていたら計算し直す。これで処理速度がグンと上がるのである。
ヤバい!見られてしまった!
ここで悲劇が起きる。君がカンニングシートを見ているところを、クラスメイトに目撃されてしまったのだ。
- クラスメイト = 悪意のあるプログラム
- カンニングシートを見られる = 機密情報へのアクセス
このクラスメイト、君が見ていた答え(=CPUが予測して処理した結果)を知ることができてしまうのである。これが投機的実行の脆弱性の正体である。
現実世界での影響
「だが、これはただの試験の話ではないか?」などと思ってはいけない。現実の世界では、この脆弱性を使って、悪者どもが次のような大事な情報を盗み取る可能性があるのだ:
- 君の大切なパスワード
- クレジットカード情報
- 個人的なデータ
まさに、デジタル時代の「カンニング事件」と言えるだろう。
対策!先生たちの奮闘
この問題に対して、CPUメーカー(先生)やソフトウェア開発者(学校)は必死に対策を練っている:
- カンニングシートの使用を制限する(投機的実行の制限)
- カンニングシートを他人に見えないように工夫する(情報の隔離)
- 定期的にカンニングシートの内容を消す(キャッシュのクリア)
ただし、これらの対策で試験の効率(CPUの処理速度)が少し落ちてしまう可能性もある。難しい問題だ。
まとめ:油断は禁物!
CPUの投機的実行(=我らがカンニングシート)は、コンピュータの処理を高速化する重要な技術だ。だが、うっかりすると大事な情報が漏れてしまう。まさに「諸刃の剣」というわけだ。
我々にできることは何か?
- OSやソフトウェアを最新の状態に保つこと
- 怪しいプログラムを実行しないこと
- 大事なデータの管理には細心の注意を払うこと
カンニングはダメ、ゼッタイ。だが、コンピュータの世界では、賢くて安全な「カンニング」が必要不可欠なのだ。これからもIT業界の動向から目が離せないだろう。
今回発表された新たな脆弱性【Indirector】はもしかするとヤバいかも
Intelによると既存の緩和策で対処可能とのことだが最近のIntelを見ているとどうも信用できない。
研究者によるとこの問題に対策する為にIBPB(IndirectBranch Prediction Barrier)の有効化が必要になるとのこと。
※IBPBとは【定期的にカンニングシートの内容を消す(キャッシュのクリア)】のこと。
この対策を実施すると最悪処理効率が半減するかもしれないので、Intelを信じて性能が下がらないことを祈ろう。
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