AMDの次世代GPU「Navi 48」を搭載するRadeon RX 9070シリーズに、高度なAV1エンコード機能が実装されることが明らかになった。
この実装はGPUOpenライブラリへの最新のコミットから確認され、特にB-Frameのハードウェアエンコード対応が注目を集めている。
AV1 B-Frameが変える配信環境
B-Frame(双方向予測フレーム)は、動画圧縮技術における重要な革新だ。
前後のフレームから動きベクトルなどのデータを参照することで、画像情報を劇的に圧縮することが可能となる。
主な利点
- ストリーミング時の帯域幅を大幅に削減
- 高画質な配信を維持したまま効率化
- 4K配信での優位性
AMDは今回のRDNA 4世代において、従来とは異なる大胆な製品戦略を展開する。
エンスージアスト向けの最上位チップを開発せず、Navi 48とNavi 44の2チップ構成に集中するという判断は、現実的な市場ニーズとコスト効率を重視した結果といえる。
製品ラインナップの特徴
- RX 9070 XT:Navi 48搭載ハイエンドモデル
- RX 9070:標準モデル
- エントリーモデル:Navi 44採用(エンコーダー省略)
進化するエンコード機能
AV1コーデックの採用は、単なる技術的進歩以上の意味を持つ。
ロイヤリティフリーという特性は、長期的なコスト削減に貢献し、特に配信プラットフォームにとって重要な利点となる。
注目すべき進化点
- B-Frame対応による高効率圧縮
- RDNA 3.5世代からの大幅な性能向上
- プロフェッショナル向け機能の充実
市場への影響と今後の展望
この新製品の登場は、クリエイティブワークステーション市場に大きな影響を与える可能性がある。
2025年に予定されているFSR 4やRyzen 9000X3Dシリーズとの相乗効果も期待されており、AMDは総合的なエコシステムの強化を図っている。
期待される展開
- NVIDIA RTX 4070 Ti/4080クラスの性能実現
- 配信環境の効率化
- クリエイター向け機能の拡充
まとめ:RX 9070シリーズの可能性
B-Frameハードウェアエンコードは、ゲーム配信の新しい可能性を切り開く技術といえるだろう。特に1台のPCでゲーム実行と配信を行う場合、AV1コーデックによる効率的な圧縮は大きなメリットをもたらす。CPUやGPUへの負荷を抑えながら、高品質な配信を実現できる点は、配信者にとって魅力的な進化だ。
ただし、この恩恵を受けるには条件がある。キャプチャーボードやWebカメラなど、外部入力機器の多くは現時点でH.264やHEVCにしか対応していない。そのため、マルチカメラ配信や外部機器からの入力を必要とする配信では、AV1の優位性を十分に活かせない可能性がある。
このように、RX 9070シリーズのAV1 B-Frame対応は、PCゲームのシンプルな配信環境において最も効果を発揮する技術だといえる。配信スタイルや使用機材に応じて、その効果は大きく異なってくるだろう。
※この情報は2025年1月時点のリーク情報に基づいています。 ※最終的な仕様は変更される可能性があります。
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