【RTX 4070 Ti Super】より上位のGPUを使うなら【ATX3.1】規格対応の電源ユニットを買うべし

電源ユニット

PCショップ店員の立場から、最近のハイエンドGPUと電源の相性について詳しく解説していく。
特に新しいATX 3.1規格への対応は、実は想像以上に重要な要素なのだ。

RTX 4070 Ti Superより上位のGPUは、消費電力の瞬間的なスパイクが大きい

特に【GeForce RTX 4090】は公称TDP450Wながらスパイク時には600Wを超えることも。
これは従来の8ピン変換ケーブルでは安定供給が難しい領域だ。実際、変換ケーブルでの電源トラブルは決して少なくない。

ATX 3.1規格対応の電源なら、このスパイクにも十分対応できる設計になっている。12VHPWR端子(12V-2×6)は600W以上の電力供給が可能で、スパイク時の電力変動にも追従できる。何より、変換ケーブルを使わないため、接続部での発熱や接触不良のリスクも減る。

特にRTX 4080 Super以上のGPUでは、ATX 3.1対応電源の使用を強く推奨する。実際、ショップでも【ATX3.0】規格や、8ピン変換ケーブル使用時のトラブルが多い。「少し高いけど大丈夫かな」と悩むユーザーも多いが、GPUが壊れるリスクを考えれば、その投資は十分に価値がある。

ちなみに、ATX 3.1対応電源は決して高いわけではない。MSIの1000W ATX 3.1電源なら3万円前後、セール時なら2.5万円を切ることも。4090クラスのGPUを使うなら、電源にケチるべきではない。結局のところ、「高いATX 3.1電源」と「安い電源+壊れたGPU代」、どちらが高くつくかを考えれば、答えは明らかだろう。

なお、すでに高品質な電源を使っているなら、純正の変換ケーブルを使用する限りは問題ない。ただし、サードパーティ製の変換ケーブルには要注意だ。安物の変換ケーブルは線径が細かったり、端子の精度が低かったりするため、発熱や接触不良の原因となる。

結論

RTX 4070 Ti Super以上のGPUを検討しているなら、素直にATX 3.1対応電源を選んでおこう。
特に4080 Super以上では必須と考えていい。電源は5年以上使用するパーツなので、将来性を考えても、ATX 3.1対応は十分な投資価値がある。「安物買いの銭失い」という言葉は、PCパーツの中でも特に電源に当てはまるのだ。

※RTX 4070 Ti Super以上のモデルを基準としているのには理由がある。
RTX 4070 Superも12VHPWR端子を採用しているが、消費電力は220Wと比較的低めなので変換アダプタも許容できる。
RTX 4070 Tiも消費電力は285Wだがすでに生産終了しているのであえて記載していない。

MSI MAG A750GL PCIE5(実はATX3.1規格対応)

MSI MAG A850GL PCIE5(実はATX3.1規格対応)

MSI MAG A1000GL PCIE5(実はATX3.1規格対応)

MSI MAG A1250GL PCIE5

編集者の好みでMSI製品を並べてみた。
基本的にMSI製品は良心的な価格であることが多い。是非参考にしてみてほしい。

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