AMDが報道関係者向けのブリーフィングで、次世代GPU「Radeon RX 9070 XT」の性能データを公開。RDNA 4アーキテクチャの採用により、特にレイトレーシング性能で大幅な向上を達成したことが明らかになった。
ベンチマーク結果
RX 7900 GRE比での性能向上率
- 4K Ultra設定:平均42%向上
- 1440p Ultra設定:平均38%向上
レイトレーシング有効時の性能向上(4K)
- Cyberpunk 2077:最大168%向上
- Hitman 3:164%向上
- Dying Light 2:66%向上
- F1 24:56%向上
これらのデータは30種類以上のゲームでのテスト結果に基づいており、特にレイトレーシングを多用するタイトルで劇的な性能向上が確認されている。
RX 9070シリーズの性能差
RX 9070 XTとRX 9070の性能差
- 1440p Ultra設定:約16.1%
- 4K Ultra設定:約18.3%
RX 9070(非XT)もRX 7900 GREと比較して
- 1440p Ultra設定:20%向上
- 4K Ultra設定:21%向上
を達成している。
注目すべきポイント
AMDは今回のベンチマークで以下の特徴を示している
純粋なレンダリング性能を公開
- アップスケーリングやフレーム生成を無効化した状態でのベンチマーク
- ネイティブ解像度での実性能を重視した比較
レイトレーシング性能の飛躍
- RDNA 4での最大の進化点
- 前世代比で最大168%の性能向上
ベンチマーク透明性
- 30種以上のゲームでの検証
- アップスケーリング技術を使用しない純粋な性能比較
未公開の情報
ただし、以下の点については明らかにされていない
- RTX 5070 Tiとの直接比較
- RX 7900 XTX(現行フラグシップ)との比較
- 価格設定
- 消費電力
- 発売時期の詳細
市場での位置づけ
AMDは今回、比較対象としてRX 7900 GREを選択している。これはRX 7900 XTXと比べて約25%性能が低い製品だが、同じ16GBのVRAMを搭載している。この選択は、新製品の市場での位置づけを示唆している可能性がある。
筆者のコメント
今回の性能データで特に注目すべきは、レイトレーシング性能の大幅な向上だ。これまでAMDはNVIDIAと比較してレイトレーシング性能で劣勢にあったが、RDNA 4アーキテクチャでこの差を大きく縮める、あるいは逆転する可能性が出てきた。
特にCyberpunk 2077での168%という性能向上は印象的だ。このゲームは最新のレイトレーシング技術を活用することで知られており、ここでの大幅な性能向上は、AMDのレイトレーシング技術が本質的に進化したことを示している。
また、フレーム生成などの補助技術を使用せずにこれらの性能を達成している点も重要だ。NVIDIAのDLSS Frame Generationと比較して、より「実性能」に近い数値と言える。
ただし、RTX 5070 Tiとの比較データが示されていない点には注意が必要だ。2月28日の正式発表では、より詳細な比較データと価格設定が明らかになることを期待したい。
※本記事はVideocardz及びAMDのプレスブリーフィング情報に基づいています。正式な製品詳細は2月28日の発表をお待ちください。
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