結論から言えば、RX 9060 XT 16GBは間違いなく「買い」だ。 RTX 5060 Ti 16GBより約1万円以上安い6.5万円前後の価格帯で、ほぼ同等の性能を実現している。さらにこの性能・価格帯で16GB VRAMを搭載する初のGPUとして、将来性も抜群。1440pゲーミングを快適に楽しみたいゲーマーにとって、2025年最強のコスパGPUと断言できる。
目次
【最重要】1万円以上安くてほぼ同性能という事実
最も重要な価格比較がこちら
GPU | 価格 | 性能差 | コスパ評価 |
---|---|---|---|
RX 9060 XT 16GB | 65,000円前後※予想 | 基準 | ★★★★★ |
RTX 5060 Ti 16GB | 約80,000円〜 | 1-6%高性能 | ★★☆☆☆ |
価格差1万円以上に対して性能差はわずか1-6%。つまり価格あたりの性能で考えると、RX 9060 XT 16GBが圧倒的に優秀ということになる。
この価格差があれば
- ゲーミングモニターをワンランク上に
- より大容量のSSDを追加
- CPUクーラーをグレードアップ
など、他のパーツに投資してPC全体の性能向上を図れる。GPU単体の微小な性能差より、PC全体のバランス向上の方が重要だろう。
この価格帯初!1440p快適×16GB VRAMの革命的組み合わせ
6.5万円前後で1440pゲーミングが快適にプレイできる性能+16GB VRAMの組み合わせは史上初。これまでRX 7600 XT のように安価で16GB VRAMを搭載したモデルはあったが、1440pゲーミングには性能がやや不足していた。
RX 9060 XT 16GBは1440p平均134fpsという実用十分な性能を持ちながら16GB VRAMを搭載しており、これは画期的な進歩だ。
16GB VRAMが必要な理由
2025年の最新ゲームでは8GBでは不足が現実になっている
- Call of Duty Black Ops 6:約10GB使用
- Cyberpunk 2077(1440p Ultra):約11GB使用
- God of War Ragnarök:約9GB使用
従来のRX 7600 XT 16GBではVRAMは十分だがGPU性能が1440pには力不足という問題があった。RX 9060 XT 16GBはその問題を解決し、性能とVRAM容量の両方を満たす初のミドルクラスGPUとして登場した。
性能比較:1440pではほぼ互角の実力
実際のゲーミング性能を詳しく見てみよう
1080p解像度での性能
- RX 9060 XT 16GB:約188fps
- RTX 5060 Ti 16GB:約200fps(6%上回る)
1440p解像度での性能
- RX 9060 XT 16GB:約134fps
- RTX 5060 Ti 16GB:約135fps(1%上回る)
1440pゲーミングがメインなら、実質的に同等性能と考えて良い。
4K解像度での性能
4Kネイティブゲーミングは両方とも厳しいのが現実
- RX 9060 XT 16GB:平均50-60fps程度(物理帯域幅不足)
- RTX 5060 Ti 16GB:平均55-65fps程度(GDDR7の恩恵は受けるものの性能不足)
どちらも4Kゲーミングには性能不足で、快適な4Kゲーミングを求めるならFSR 4やDLSSなどのアップスケーリング技術併用が前提となる。特にRX 9060 XTでは、128ビットのバス幅に加えGDDR6メモリを採用していることから、RTX 5060 Ti(GDDR7/448GB/s)と比べて物理的な帯域幅が不足している。1440p解像度までは64MBの Infinity Cacheにより、実効帯域幅を補うことができていたが、4K解像度となると帯域幅不足に陥っている。RX 9060 XT 16GBの実用的な性能上限は1440pまでと考えるのが現実的だ。
レイトレーシング性能:どちらも期待しない方が無難
レイトレーシング性能ではRTX 5060 Ti 16GBが明確に上回るが、正直どちらも実用的ではないのが現実。
- RX 9060 XT 16GB:RTX 5060 Tiより10-20%劣る
- RTX 5060 Ti 16GB:1440pレイトレーシングは30-40fps程度
この価格帯でレイトレーシングを期待するのが間違い。快適なレイトレーシングゲーミングを求めるなら、最低でもRTX 5070 Tiクラスが必要だ。
消費電力:どちらも省エネで優秀
電力効率はどちらも優秀で、ミドルクラスらしい省エネ性能を実現
- RX 9060 XT 16GB:182W(16GBモデル)
- RTX 5060 Ti 16GB:185W前後
どちらも単体8pinコネクタで動作し、600W電源があれば十分。小型PCやエントリー向け電源でも安心して使える。
8GBモデルは絶対に避けるべき
同時発売される8GBモデルは完全に地雷。2025年時点で8GB VRAMは明らかに不足で、安物買いの銭失いになる可能性が高い。
7,000円の差で容量倍増なら、迷わず16GBモデルを選ぶべきだ。
【結論】どちらを買うべき?判断基準を明確化
RX 9060 XT 16GBを選ぶべき人
- コストパフォーマンス重視
- 1440pゲーミングがメイン
- ゲームがメイン用途
- クリエイティブ作業は動画編集程度
RTX 5060 Ti 16GBを選ぶべき人
- 動画編集以外のクリエイティブ作業を重視(3DCG制作等)
- 生成AIをガッツリやりたい
- レイトレーシングに興味がある
- DLSS対応ゲームを多くプレイ
- 価格差を気にしない
発売日情報:6月6日11:00から販売開始
国内販売開始は6月6日(金)11:00で、定価近辺のモデルには注文が殺到する可能性が高い。
狙い目の販売店
- ドスパラ
- TSUKUMO
- パソコン工房
- ソフマップ
複数サイトでの同時アクセスを推奨。定価モデルは数時間で完売する可能性もある。
筆者のコメント
RX 9060 XT 16GBは久々に心から「これは買いだ」と言える製品が登場したと感じている。PCショップで接客している際、最も困る相談が「予算20万円で高解像度で遊べるゲーミングPC」というものだった。当時は「もう少し予算を上げるか我慢してください」としか言えなかったが、ついにその答えが出た。
正直、AMDがここまで攻めた価格設定をしてくるとは予想外だった。RTX 5060 Ti 16GBより1万円以上安くて、性能差は体感できないレベル。この価格差があれば、モニターをより高解像度なパネルにアップグレードしたり、SSDを1TBから2TBに増やしたり、CPUクーラーを強化したりできる。GPU単体の微小な性能差より、PC全体のバランス向上の方が遥かに重要だというのが、何台ものPC組み立てを経験してきた筆者の率直な感想だ。
特に評価したいのは16GB VRAMをこの価格で実現したこと。これまで「1440pを快適にプレイできる性能+16GB VRAM」の組み合わせは8-12万円が相場だった。それが6.5万円で手に入るのは革命的と言っても過言ではない。2025年の最新ゲームでは既に8-11GB のVRAMを使用するタイトルが増えており、8GB GPUでは早期に買い替えが必要になる。16GB VRAMなら最低でも2028年頃まで安心して使える計算で、長期的なコストパフォーマンスは圧倒的だ。
レイトレーシング性能で劣ることを気にする声もあるだろうが、この価格帯でレイトレーシングを期待するのがそもそも現実的ではない。RTX 4070でも1440pレイトレーシングは設定を下げないと快適ではないのに、それより性能が劣るRTX 5060 Tiで何を期待するのか。むしろこの価格帯では「レイトレーシングはおまけ機能」程度に考えて、ラスタライズ性能とVRAM容量で選ぶのが賢明だ。
FSR 4の進化も見逃せない。従来のFSRは「使えるけどDLSSには劣る」という評価だったが、CNNベースの機械学習処理により、DLSSと比較できるレベルに到達した。まだ対応タイトル数では劣るものの、新規タイトルでの対応速度は確実に向上している。今後1-2年でこの差は縮まっていくだろう。
購入の判断基準は明確で、65,000円で買えるなら即決レベル。70,000円までなら十分検討価値があるが、75,000円を超えてくるとRTX 5060 Ti 16GBとの選択で悩むライン。80,000円以上なら、むしろRTX 5060 Ti 16GBか、少し足してRTX 5070を狙った方が賢明だ。
ただし、クリエイティブ作業や生成AIを本格的にやりたい人は別。動画編集、3DCG、Stable Diffusion等でCUDA環境が必要なら、価格差を払ってでもRTX 5060 Ti 16GBを選ぶべきだ。NVIDIAの汎用性とドライバの成熟度は、この分野では確実にアドバンテージがある。
結論として、純粋にゲーミング目的なら90%の人にRX 9060 XT 16GBを推奨する。発売日は複数サイトで同時アクセスして、定価モデルを確保することを強く推奨したい。このコストパフォーマンスと将来性を兼ね備えたGPUは、しばらく出てこないだろう。久々に「買って後悔しない」と断言できる製品の登場だ。
※情報源:各社レビュー記事
情報・参考



コメント