RX 9060 XT 16GBの性能を最大限引き出すPC構成を予算別に3パターン提案する。圧倒的コスパのGPUに合わせて、バランスの取れたパーツ選定が重要だ。1440pゲーミングを快適に楽しめる構成から、将来性も考慮したハイエンド構成まで、実際の購入価格と性能予想も含めて詳しく解説していく。
目次
RX 9060 XT 16GB構成のポイント
押さえるべき基本仕様
- 消費電力: 182W(16GBモデル)
- 推奨電源容量: 600W以上
- メインターゲット: 1440pゲーミング
- ボトルネック回避: Ryzen 5 7600以上、Core i5-13400F以上推奨
構成時の重要な考え方
RX 9060 XT 16GBは1440p性能に特化したGPUのため、CPUも1440pに最適化した選択が重要。4Kゲーミングは現実的ではないため、過度なハイエンドCPUは不要だが、将来性も考慮してミドルハイクラス以上を推奨する。
【予算15万円〜】エントリーバランス構成
「とにかく予算重視で1440pゲーミングを始めたい」
パーツ | 製品名 | 価格 | 選定理由 |
---|---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 7600 | 32,000円 | 1440pには十分、省電力 |
マザーボード | MSI B650M GAMING PLUS WIFI | 18,000円 | WiFi付き、拡張性○ |
メモリ | CFD DDR5-5600 16GB W5U5600CS-16G | 11,000円 | 32GBは最低限必須 |
GPU | RX 9060 XT 16GB | 65,000円 | メイン主役 |
ストレージ | WD WD Blue SN5000 1TB WDS100T4B0E | 10,000円 | Gen4、TLC |
電源 | MSI MAG A650BNL | 8,000円 | 650W、BRONZE認証 |
PCケース | Thermaltake Versa H17 | 4,000円 | コスパ重視なら ケースは何でもOK |
CPUクーラー | CPU付属クーラー | 0円 | 最大88WのCPUだから付属クーラーでも冷やせる |
OS | Windows 11 Home | 16,000円 | |
合計 | 164,000円 |
この構成の特徴
- Ryzen 5 7600は1440pゲーミングに十分な性能
- DDR5-5600でRyzenの性能を引き出す
- 性能は落とさない設計
- 将来的なアップグレードも考慮しちょっと良いマザーボード
期待できる性能
CPUが6コアのため、モンハンワイルズのようなCPU負荷の非常に高いタイトルにはスレッド数不足は否めない。
しかしプレイできないレベルではなく、1% low fpsが若干低下してしまう程度なので、お金をかけたくないけどゲームを楽しみたい【PCゲーム初心者】にはおすすめできる構成だ。
VRMフェーズがしっかりとしたマザーボードを選定しているので、将来的なアップグレードにも十分耐えられる構成になっている。
【予算20万円】バランス重視構成
「性能と将来性のバランスを取りたい」
パーツ | 製品名 | 価格 | 選定理由 |
---|---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 7 7700 | 42,000円 | 8コア、長期使用可能 |
マザーボード | MSI MAG B650 TOMAHAWK WIFI | 20,000円 | WiFi付き、拡張性◎ |
メモリ | Crucial PRO CP2K16G60C36U5B | 14,000円 | 32GB、高速メモリ |
GPU | RX 9060 XT 16GB | 65,000円 | メイン主役 |
ストレージ | KIOXIA EXCERIA PLUS G3 SSD-CK2.0N4PLG3N | 19,000円 | Gen4、TLC、大容量 |
電源 | XPG PYLON750B-BKCJP | 10,000円 | 750W、BRONZE認証 付属ケーブルが同価格帯の他社製品より多い |
PCケース | Montech XR | 8,000円 | 静音性、ビルド品質 |
CPUクーラー | SCYTHE MUGEN6 | 6,000円 | 高性能空冷 |
OS | Windows 11 Home | 16,000円 | Homeで十分 |
合計 | 200,000円 | バランス最適 |
この構成の特徴
- Ryzen 7 7700はほとんどのゲームが快適にプレイできる性能
- DDR5-6000でRyzenの性能を最大限引き出す
- PCケースにファンが3つ付属しており冷却性能は十分
- 2TB SSDで容量の心配なし
- 電源ユニットはコスパ重視
期待できる性能
CPUが8コアのため、モンハンワイルズのようなCPU負荷の非常に高いタイトルでも快適にプレイ可能。
メモリも6000MHzの高クロックの製品を選ぶことで帯域幅を確保、CPUとGPUの性能を最大限引き出す構成となっている。
選定したMSI MAG B650 TOMAHAWK WIFIはGPU・SSDともにGen4までの対応だが、拡張性や機能面で非常に優秀な製品だ。同価格帯のASUS TUF GAMING B650-PLUS WIFIは SSDのみGen5対応だが、最大メモリ搭載容量(256GB vs 128GB)、VRMフェーズ数(14+2+1フェーズ vs 12+2フェーズ)、WiFi 6E・Bluetooth 5.3チップなどMSI TOMAHAWK WIFIが全体的なスペックで上回っている。
【予算25万円】将来性重視構成
「長期間アップグレード不要の高性能構成」
パーツ | 製品名 | 価格 | 選定理由 |
---|---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 7 9700X | 52,000円 | 最新世代、高性能 |
マザーボード | MSI X670E GAMING PLUS WIFI | 30,000円 | X670E、GPU・SSDGen5対応、優れた拡張性 |
メモリ | Biwin Black Opal DW100 DDR5 6400MT/s | 22,000円 | 64GB、Hynix チップ、RGB対応、低レイテンシ |
GPU | RX 9060 XT 16GB | 65,000円 | メイン主役 |
ストレージ | Crucial T500 2TB CT2000T500SSD8JP | 20,000円 | 最高速Gen4 SSD |
電源 | ASRock SL-850G | 20,000円 | 850W、モジュラー PCIe 補助電源3本付き |
PCケース | CORSAIR 3500X ARGB | 17,000円 | 見た目重視のピラーレス |
CPUクーラー | Thermalright FW 360ブラックARGB | 13,000円 | 液晶モニタ付き簡易水冷クーラー |
OS | Windows 11 Home | 16,000円 | Homeで十分 |
合計 | 255,000円 |
この構成の特徴
- Ryzen 7 9700XはCore i9-14900Kと同等の非常に高いゲーム性能
- X670Eマザーボード採用でGen5にも対応、コスパと拡張性を両立
- SK Hynix チップ採用の大容量高速メモリ
- PCIe 電源ケーブルが3本付属する拡張性に優れた電源ユニット
期待できる性能
Ryzen7 9700Xは非常に高いゲーム性能を持ち、cities skylines iiのようなシミュレーション系ゲームを除けばあらゆるゲームが快適にプレイ可能。※GPU性能的に3DV-Cacheは不要
メモリは64GBの大容量高クロック低レイテンシの製品にすることでどんな用途でも使える仕様だ。
選定したMSI 670E GAMING PLUS WIFIに搭載されるX670Eチップセットは、現行のX870E チップセットと同等の拡張性を持ち、Gen5対応で将来性も確保している。
電源ユニットさえ変更すれば Ryzen9 9950X3D x RTX 5090の構成でも最大限性能を発揮することが可能だ。
パーツ別詳細解説
CPU選定のポイント
1440pゲーミングならRyzen 5 7600で十分だが、配信や動画編集を考慮するなら8コア以上を推奨。
CPU | 価格 | 推奨用途 | ボトルネック |
---|---|---|---|
Ryzen 5 7600 | 32,000円 | ゲーム | ゲームによってはコア数がボトルネックに |
Ryzen 7 7700 | 42,000円 | ゲーム+配信 | なし |
Ryzen 7 9700X | 52,000円 | ゲーム+配信+エンコード | なし |
Ryzen 7 7800X3D | 62,000円 | ゲーム+配信 | なし |
マザーボード選定のポイント
RX 9060 XTはPCIe 4.0のB650チップセットで十分。WiFi機能の有無とSSDスロット数で選ぶのがおすすめ。
- B650: PCIe 4.0、十分な拡張性※RX 9060 XTは16レーンのGPUなのでPCIe4.0でも帯域幅は十分
- B850: PCIe5.0対応、最新機能が欲しい人向け
- X670E: PCIe5.0対応、コスパと拡張性重視の人におすすめ
メモリ選定のポイント
DDR5-5600以上を推奨。Ryzenはメモリ速度を上げると性能が大きく向上する。
- 2025年はゲーム用途でも32GBは必須
- メモリクロックは6000MHzがおすすめ: Ryzen 7000 9000シリーズのスイートスポット
※6400MHz CL32のメモリはプロファイル2で6000MHz cl30設定が入っていることが多いのでそっちを推奨
※EXPO適用してもInfinity fabricクロックは上限の3000MHzにならないので、手動で上げる必要がある - メモリクロックよりもCL(CASレイテンシ)が重要
電源選定のポイント
RX 9060 XT 16GB(182W)なら650W以上で安心。
このクラスの消費電力ならブロンズ認証でも十分。850Wにするなら将来性も考慮してATX3.1規格対応製品がおすすめ。
電源容量 | 推奨構成 | 余裕度 |
---|---|---|
650W | エントリー | 適正 |
750W | バランス | 余裕あり |
850W | ハイエンド | 十分すぎる |
ストレージ選定のポイント
PCIe 4.0、1TB以上を推奨。
- 1TB: 最低限(ゲーム5-7本程度)
- 2TB: 推奨(ゲーム15-20本程度)
- 読み込み速度の早い製品がおすすめ
- TLC NAND採用製品がマスト
構成別コストパフォーマンス比較
構成 | 総額 | ゲーミング性能 | 汎用性能 | コスパ評価 |
---|---|---|---|---|
エントリー | 14,000円 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
バランス | 200,000円 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
ハイエンド | 255,000円 | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
重要: RX 9060 XT 16GBの性能上限があるため、どの構成でもゲーミング性能は同等。差が出るのは将来性と汎用性能の部分。
筆者のコメント
RX 9060 XT 16GBに合わせたPC構成で最も重要なのは「バランス」だ。65,000円という価格を活かすためには、他のパーツもコストパフォーマンスを重視した選択が必要になる。
個人的に最も推奨するのはバランス構成。Ryzen 7 7700との組み合わせなら、ゲーミング以外の用途でも長期間使える。特に配信や動画編集を少しでも考えているなら、CPU は妥協しない方が良い。
エントリー構成でも1440pゲーミングは十分快適だが、Ryzen5 7600は2025年時点でギリギリライン。ブラウザやDiscordを併用するなら、CPUのアップグレードを早めに検討したい。
ハイエンド構成は正直オーバースペックだが、5年以上使い続ける予定なら投資価値はある。特にMSI X670E GAMING PLUS WIFIの拡張性は圧倒的で、将来的にCPUやGPUをアップグレードした際にもボトルネックになりにくい。
重要なのは、どの構成を選んでもRX 9060 XT 16GBの性能は十分発揮できるということ。GPU以外の予算配分は、ゲーミング以外の用途や将来性をどこまで重視するかで決めれば良い。
まずはGPUの確保が最優先。他のパーツは後からでも揃えられるが、定価でRX 9060 XT 16GBを手に入れるチャンスは限られている。構成は決めておいて、まずはGPU争奪戦に備えることを強く推奨する。
※価格は2025年6月時点の概算価格です。実際の販売価格は変動する可能性があります。
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