NVIDIAのGeForce RTX 5000シリーズ発売を前に、欧州での販売価格が明らかになった。
フィンランドのショップに掲載されたGigabyte製RTX 5080の価格を見ると、RTX 4000 SUPERシリーズで問題となった「アリバイ価格商法」の再来を予感させる状況となっている。
フィンランドでの正規価格と実売価格の乖離
NVIDIAはフィンランドにおいて、GeForce RTX 5080の希望小売価格(MSRP)を税込1229ユーロと設定している。しかし、大手ショップProshopに掲載されたGigabyte製品の価格を見ると、この希望小売価格で販売されるモデルはわずか1機種のみという衝撃の事実が判明した。
Gigabyte製RTX 5080の価格一覧
- GeForce RTX 5080 WINDFORCE OC SFF:==1229ユーロ(唯一の希望小売価格モデル)==
- GeForce RTX 5080 GAMING OC:1419ユーロ
- GeForce RTX 5080 AERO OC:1419ユーロ
- GeForce RTX 5080 AORUS MASTER:1529ユーロ
- GeForce RTX 5080 AORUS MASTER ICE:1559ユーロ
- GeForce RTX 5080 AORUS XTREME WATERFORCE:1669ユーロ
RTX 4000 SUPERシリーズの二の舞いか
この状況は、先日発売されたRTX 4000 SUPERシリーズでの出来事を彷彿とさせる。当時、NVIDIAは以下の希望小売価格を発表した:
- RTX 4070 SUPER:95,480円
- RTX 4070 Ti SUPER:127,380円
- RTX 4080 SUPER:162,800円
しかし実際には、希望小売価格での販売は極めて限定的で、==一部店舗でわずか4台程度==という状況だった。多くのモデルは希望小売価格より15%以上高い価格で販売される事態となった。
日本市場への影響
日本でのRTX 5000シリーズの希望小売価格は以下の通り
- RTX 5090:393,800円(1月30日発売)
- ==RTX 5080:198,800円(1月30日発売)==
- RTX 5070 Ti:148,800円(2月発売)
- RTX 5070:108,800円(2月発売)
しかし、欧州での価格設定を見る限り、実売価格は希望小売価格を大きく上回る可能性が高い。RTX 5080に関しては、==22万円から25万円程度==になることが予想される。
日本での販売価格はアスク税等を考慮すると30万円近くになるのではないだろうか。
AMD RX 9070 XTとの価格競争
このような状況下、AMDの新型GPU「RX 9070 XT」が注目を集めている。RTX 5070と同等以上の性能を、より競争力のある価格で提供する可能性があるためだ。
NVIDIA陣営での価格高騰が現実となれば、多くのユーザーがAMD製品に流れる可能性も考えられる。特にRX 9070 XTは、RTX 5070の108,800円という価格を意識した価格設定になると予想されており、コストパフォーマンスで優位に立つ可能性が高い。
まとめ:懸念される価格高騰
現時点ではGigabyte製品の価格のみが判明しているため、他メーカーの動向を見守る必要がある。ただし、RTX 4000 SUPERシリーズでの前例を考えると、希望小売価格での販売は極めて限定的になる可能性が高い。
また、GDDR7メモリの採用や製造コストの上昇を考えると、AIBパートナー各社が希望小売価格での販売を維持するのは困難かもしれない。
今後、以下の点に注目が集まる
- 他メーカーの価格設定
- Founders Editionの国内販売の有無
- 実際の供給量
- AMDの価格戦略
ユーザーとしては、発売直後の価格動向を慎重に見極める必要がありそうだ。特に希望小売価格モデルを狙う場合は、発売日に向けて入念な準備が必要となるだろう。
※価格は2025年1月13日時点のものです。変動する可能性があります。
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