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RTX 50シリーズのネイティブ性能が明らかに – DLSS無しでも最大30%の性能向上、新機能で更なる進化へ

NVIDIAの次世代GPU「GeForce RTX 50シリーズ」の詳細な性能データと仕様が明らかになった。
前世代比での性能向上率は以下の通り

  • RTX 5090: RTX 4090比で30%向上
  • RTX 5080: RTX 4080比で15%向上
  • RTX 5070 Ti: RTX 4070 Ti比で20%向上
  • RTX 5070: RTX 4070比で20%向上

RTX 50シリーズ詳細スペック比較表

モデルRTX 5090RTX 5080RTX 5070 TiRTX 5070
GPUGB202GB203GB203GB205
CUDAコア21,76010,7528,9606,144
ブーストクロック2.41GHz2.62GHz2.45GHz2.51GHz
メモリ容量32GB GDDR716GB GDDR716GB GDDR712GB GDDR7
メモリバス幅512-bit256-bit256-bit192-bit
メモリ速度28Gbps30Gbps28Gbps28Gbps
メモリ帯域幅1,792GB/s960GB/s896GB/s672GB/s
TBP575W360W300W250W
価格39万3800円19万8800円14万880010万8800円
発売日1月30日1月30日2月2月

各モデルの詳細分析

RTX 5090

フラッグシップモデルは前世代から33%のCUDAコア増加を実現。1,792GB/sという圧倒的なメモリ帯域幅は、4K/高リフレッシュレートゲーミングでの性能向上に大きく貢献する。DLSS 4Multi-Frame Generation使用時には、前世代の2倍の性能を発揮可能。

RTX 5080

30Gbpsという最速のGDDR7メモリを採用し、960GB/sのメモリ帯域幅を実現。価格は据え置きながら、ネイティブ性能で15%の向上を達成。4K解像度での快適なゲーミングが可能。

RTX 5070シリーズ

RTX 5070 Ti8,960基、RTX 50706,144基のCUDAコアを搭載。両モデルとも前世代から20%の性能向上を実現。特に注目すべきは、シェーダー性能の向上以上のゲーム性能向上を達成している点。

GDDR7メモリの革新性

次世代メモリ規格GDDR7の採用により、全モデルで大幅な帯域幅向上を実現:

  • RTX 5090: 1,792GB/s(前世代比78%向上)
  • RTX 5080: 960GB/s(前世代比34%向上)
  • RTX 5070 Ti: 896GB/s(前世代比25%向上)
  • RTX 5070: 672GB/s(前世代比17%向上)

Neural Shaderがもたらす革新

NVIDIABlackwellアーキテクチャで、DLSS以外のAI活用を本格的に展開。新たに導入される「Neural Shader」は、通常のシェーダーコードにAIプログラムを組み込むことを可能にする革新的な技術だ。

主要な新機能

  • RTX Neural Materials: 事前学習済みの高品質マテリアルを低メモリ消費で実現
  • RTX Neural Radiance Cache: リアルタイムで学習するAIによる間接光の計算
  • RTX Skin/Neural Faces: AIによる高品質な肌と表情の表現
  • RTX Hair: 従来比1/3のメモリ消費で高品質な髪の表現を実現

Blackwellアーキテクチャの進化

ストリーミングマルチプロセッサの強化

新世代のSMは1サイクルあたり

  • 128 Floating-Point演算
  • 128 Integer演算 を実行可能。これはNeural Shader処理の最適化を目的とした設計となっている。

レイトレーシング性能の向上

第4世代RTコアでは

  • 交差判定速度が2倍に向上
  • シェーダー実行の並べ替えが2倍に高速化
  • レイトレーシング時のVRAM使用量を25%削減

第5世代Tensorコアの革新

  • 新たにFP4フォーマットをサポート
  • 同じ精度でAda Lovelaceの2倍の演算が可能
  • 新設計の「AI Management Processor」による処理の最適化

ディスプレイ技術の進化

新世代ディスプレイエンジン

  • DisplayPort 2.1: UHBR20対応(20Gbps)
  • Flip Metering: DLSS Multi Frame Generationの最適化
  • HDMI 2.1: 従来通りサポート

強化されたビデオエンコード機能

  • 第9世代エンコーダー/第6世代デコーダー搭載
  • AV1コーデックの Ultra-High-Quality プリセットに対応
  • RTX 5090では3基のNVENCエンコーダーを搭載
  • エンコード速度が前世代比で約37%向上

性能への影響

実ゲームでの性能向上は以下の通り(Resident Evil 4とHorizon Forbidden Westのベンチマークより)

モデルシェーダー性能向上実ゲーム性能向上
RTX 5090+33%+33%
RTX 5080+11%+15%
RTX 5070 Ti+17%+20%
RTX 5070+4%+20%

特筆すべきはRTX 5070の性能向上率。シェーダー性能以上の実ゲーム性能向上を達成しており、新アーキテクチャの最適化効果が顕著に表れている。

発売時期と価格

  • 1月30日:RTX 5090(39万3800円)、RTX 5080(19万8800円)
  • 2月:RTX 5070 Ti(14万8800円)、RTX 5070(10万8800円)

レビュー解禁はRTX 5090が1月24日、RTX 5080が1月29日(基本モデル)/30日(上位モデル)と予定されている。

まとめ:次世代グラフィックスの展望と懸念

Blackwellアーキテクチャは、単純な性能向上だけでなく、AIによる画質向上や新しいグラフィックス表現の可能性を広げている。特にNeural Shaderの導入は、今後のゲームグラフィックスに大きな影響を与えることが期待される。

しかし今回発表された性能向上率について、実際のところ疑問が残る部分も多い。NVIDIAが公表している性能向上は、確かに印象的な数字に見えるが、いくつかの重要な懸念点がある。

まず、DLSS 4を使用しないネイティブ性能に注目すると、消費電力の増加とほぼ比例した性能向上に留まっている。例えばRTX 5090は消費電力が27%増加し、性能は30%向上。これは単純な電力効率では、ほとんど進歩が見られないことを示唆している。この傾向は下位モデルでより顕著となっている。

特に気になるのはRTX 5070の実態だ。公称では前世代比20%の性能向上を謳っているが、これはレイトレーシング性能を含めた数値。純粋なラスタライズ性能に限れば、CUDAコアの増加がわずか4%に留まることから、実際の性能向上は極めて限定的である可能性が高い。

結論として、DLSS 4やその他のAI機能に大きく依存した性能向上戦略は、純粋なグラフィックス性能の観点からは、やや物足りない印象を拭えない。特に中位モデルでは、前世代からの実質的な進化が限定的である可能性を考慮する必要があるだろう。

※本記事はNVIDIAの公式発表内容と海外メディアの情報を基に解説しています。これらは現時点での分析に基づく見解であり、実際の製品性能については正式なレビューをお待ちください。

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