NVIDIAが次世代のDLSS技術において、現行の3フレームから最大16フレームのマルチフレーム生成を視野に入れていることが明らかになった。ただし、実装にはゲーマー体験の向上が前提条件になるという。
現行DLSS 4の実力
RTX 50シリーズで導入されたDLSS 4は、最新のTransformerモデルを採用し、従来のDLSS 3から大きく進化。現在は最大3フレームの生成が可能で、4K 240Hz環境での動作を想定している。実測ではオリジナルの最大8倍のフレームレートを実現している。
将来的な技術展開
NVIDIAの開発チームは、より多くの生成フレーム数について言及
「技術的な制限や将来の可能性について、現時点で確実なことは言えません。16フレームの同時生成も技術的には可能ですが、結局はバランスの問題です。ゲーミング体験の向上に確実に寄与するのであれば実装を検討しますが、現時点では最大3フレームが適切だと判断しています」
AIモデルの急速な進化
NVIDIAによると、6年前の初代DLSSと比較して、AIモデルの性能は劇的に向上している。将来的なAIモデルの性能向上次第で、より多くのフレーム生成が実現可能になる可能性がある。
技術的な課題
ただし、16フレームという大量の生成には潜在的な問題も
- AI由来のアーティファクト※の発生リスク
- 画像の歪みや異常の可能性
- オリジナルフレームとの品質差
※アーティファクト:AIが生成した画像に発生する不自然な歪みや異常。例えば、物体の輪郭のぼやけ、テクスチャの乱れ、ゴースティング(残像)、ちらつきなどの視覚的な問題を指す。
まとめ:慎重な開発姿勢
NVIDIAは高度な技術的可能性を示唆しつつも、実際のゲーミング体験を最優先する姿勢を示している。現行の3フレーム生成でも十分な性能を発揮しており、将来的な拡張は慎重に判断されることになりそうだ。
※本記事はQuasar Zoneのインタビュー内容に基づいています。
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