Intelの第2世代dGPU「Arc B570」が遂に発売となった。初代Alchemistから大きく進化を遂げたBattlemageアーキテクチャを採用し、特にソフトウェア面での完成度が大幅に向上。価格も4万5,000円前後と競争力のある設定で、ミドルレンジGPU市場に新たな選択肢を提供する。
スペックと価格のポジショニング
- GPU:Battlemage BMG-G21(TSMC 5nmプロセス)
- CUDAコア:18 Xe2コア
- RT Units:18基
- XMX AI Engines:144基
- ブーストクロック:2500MHz
- メモリ:10GB GDDR6(160bit)
- メモリ帯域:380GB/s
- TDP:150W
- 価格:219ドル(日本価格は4万5,000円前後になると見られる)
ベンチマーク性能
実ゲームでの性能は、RTX 4060とほぼ互角か若干下回る程度。特に注目すべきは以下のタイトルでの結果
1440p解像度での性能(平均FPS)
- DOOM Eternal: 160FPS
- Red Dead Redemption 2: 60FPS
- Cyberpunk 2077: 50FPS
- Alan Wake 2: 34FPS
RTX 4060(299ドル)と比較して80ドル安価でありながら、実用的な性能を発揮している。
10GB VRAMの意義
特筆すべきは10GBという大容量VRAMの搭載だ。競合のRTX 4060は8GBに制限されており、次世代のRTX 5060も8GB据え置きとの情報がある中、この容量差は将来的な優位性につながる可能性が高い。
現代のゲームでは8GB VRAMでは不足するケースも報告されており、より余裕のある10GBは魅力的な要素と言える。
冷却性能と静音性
ASRock Challenger OCモデルは、コンパクトな2スロット・デュアルファン設計ながら、優れた冷却性能を実現
- ロード時温度:55℃
- サイズ:249x132x41mm
- 重量:720g
0dBテクノロジーにより、低負荷時はファンが停止し、静音性も確保されている。
ソフトウェアの進化
初代Alchemistで課題となっていたドライバー関連の問題は、大幅に改善
- XeSS2のフレーム生成機能をサポート
- 低遅延モードの実装
- DirectX 12での安定性向上
まとめ:コストパフォーマンスの高い選択肢
Arc B570は、価格と性能のバランスが非常に優れた製品だ。特に
- RTX 4060より80ドル安価
- 10GB VRAMによる将来性
- 改善されたドライバーサポート
- 優れた冷却性能
ミドルレンジGPU市場で、今後数ヶ月は競合製品の投入が期待できない中、予算を抑えたゲーミングPC構築において、非常に魅力的な選択肢となるだろう。
※本記事は海外メディアのレビューと公開されているベンチマークデータに基づいて解説しています。実際の国内製品の仕様、価格、発売時期については、正式発表をお待ちください。
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