レースシミュレーター「Assetto Corsa EVO」がSteam早期アクセスを1月17日より開始。本作は前作の美点を継承しながら、最新のグラフィックエンジンによる圧倒的なビジュアルと物理演算の進化が特徴だ。しかし、その真価を引き出すには公式推奨スペックを大きく上回る構成が必要となる。
公式推奨スペックと実際の要件
- CPU:Intel i5 10500 / AMD 2600X
- GPU:RTX 2070 / RX 5600
- メモリ:16GB
- ストレージ:SSD必須(100GB以上)
この推奨スペックは1080p解像度での最低限の動作を想定したものだ。レースシミュレーターの一般的な使用環境を考えると、より高いスペックが必要となる。
レースシム特有の環境
マルチモニター環境
レースシム界隈だと3画面環境が定番
部屋が広いなら32インチ、広くないなら27インチがおすすめ
解像度は32インチならWQHDの方が良いが、27インチならフルHDでも案外綺麗に見える
コスパ的には27インチでもWQHD解像度のほうがおすすめ
VR環境
部屋が狭いならVRが最もおすすめ。(ただし人によっては酔う)
Meta Quest 3Sはコスパ最強だけど、迷ったら妥協せずMeta Quest 3を買おう
実はVR環境が最もPCスペックを必要とするが
RadeonならAFMF、GeForceならLossless Scalingを使えばミドルスペックでも案外快適だったりするので、そんなにびびらなくても大丈夫
- Meta Quest 3(2064×2208/片目、120Hz)
- Meta Quest 3S(1832×1920/片目、120Hz)
- PICO 4(2160×2160/片目、90Hz)
大画面4K環境
50インチ以上の4Kディスプレイでのプレイも人気だ
筆者は主に55インチの4Kテレビでプレイしていた
ハンコン台は必須だが、折りたたみ式の製品がほとんどなのでそんなに場所は取らない
ただし設置場所によってはカーペットがずれたりするのがデメリット
- 120Hz対応4Kテレビ
- 大型4Kゲーミングモニター
実践的な推奨構成
特殊な環境要件
前述の通りレースシミュレーターには、一般的なゲームとは異なる特徴がある
- マルチモニター構成が一般的
- VR環境でのプレイが人気
- 50インチ以上の4Kテレビ、モニターでのプレイも多い
これらの環境に対応するには、より高性能なハードウェアが必要となる。
意外かもしれないが、解像度が上がるほどCPU負荷率が下がるのである程度のCPU性能(最新のRyzen7やCore i7)があれば問題はない。
可能な限りGPUに予算を割こう。
GPUの選択
最低ライン
- RX 7800 XT(16GB VRAM)
- マルチモニター環境での必要最低限の性能
- VRAM容量が16GBと4KやVR環境での最低ラインを満たしている
AFMF機能を使えば高解像度でもかなり快適に動作できる
コスパ重視の人におすすめ
推奨クラス
- RTX 4070 Ti SUPER
- 高解像度環境での快適な動作が可能
- レイトレーシング性能も高い
GeForceでもVRAM16GBは最低限必要になる
RTX 4070 Superだと厳しい場面が出てくるので妥協はできない
※NvidiaはVRAM容量が少なくてもL2キャッシュでどうにかなると主張するが、レースシムでは絶対に足りない
理想的な選択
- RTX 4080 SUPER
- RTX 4090
- RX 7900 XT/XTX
上記のGPUは、VRでの高解像度・高画質設定にも対応可能
ハイエンドを買うならRTX 50シリーズやRX 90シリーズの発売を待った方が良いかもしれない
将来性を考慮したスペック選び
レースシムでは、発売後にMODによる大幅な進化が期待される。特に
- 高解像度テクスチャMOD
- 新たな天候エフェクト
- 首都高MOD等の激重マップ
- より詳細な物理演算
これらに対応するため、スペックには余裕を持たせることをお勧めする。
まとめ:快適な環境構築のために
Assetto Corsa EVOを本来の魅力を活かして楽しむには、公式推奨スペックを大きく上回る構成が必要だ。特にGPUの選択は、将来的なアップグレードの手間を考えると、初期投資でハイエンドモデルを選択することも検討に値する。
マルチモニターやVR環境でのプレイを検討している場合は、特にGPUの性能とVRAM容量に注目して選択してほしい。
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