現在、Amazonプライムデーセールが開催中だ。
PCパーツの相場を日々チェックし、店頭でのリアルな動向も知る現役PCショップ店員の筆者が、まだ売り切れていない商品を中心に、本当に購入をおすすめしたいPCパーツを厳選して解説していく。今回紹介する中にはプライムデーの直接的なセール対象ではないものの、同期間中に価格が大きく下がっている注目の商品も含まれている。購入を検討する際の参考価格も記載するので、リンク先の価格と同じかぜひ確認してほしい。
CPU
みんな大好き Ryzen7 7800X3D。
4,600円オフのクーポン込みで55,380円で購入可能。
2024年春頃に45,000円で売られていた時期よりは高いものの、直近の相場を考えるとかなり安いと言える。競技系FPSや『タルコフ』などのL3キャッシュが効くゲームをプレイする人におすすめしたい。
TDP:105W(PPT:142W)の爆熱仕様、Ryzen 7 7700Xだ。ほとんどのゲームを快適にプレイできる性能を持ち、コスパよくそれなりに高性能なPCを組みたい人におすすめする。低電圧化をするか、100W以下にPPT制限をかけるのがおすすめだ。3,500円オフのクーポン込みで41,000円で購入可能となっている。
Ryzen 5 8600Gは、Ryzen 5 7600のキャッシュを減らしてGTX 1050 Tiを合体させたような性能を持つ。完全に玄人好みのCPUで、PCIeレーン数が制限されていたり、扱いは少々難しい面があるものの、dGPUでレンダリングした映像にiGPU側でフレーム生成をかけたり、DRAMを多めに積んでローカルLLMを動かしたりと、色々できる可能性を秘めている。29,999円で購入可能だ。
GPU
みんな大好き RTX 3060 12GB。
5%オフクーポン込みで33,566円で購入可能だ。VRAM 12GBとしては最安のグラボなので、低予算で生成AIやVR Chatをしたい人におすすめしたい。
こちらも同じく RTX 3060 12GB で、33,800円で購入可能だ。
前述のMSI製品との違いは保証期間にある。玄人志向のGALAKURO GAMINGシリーズは3年のメーカー保証がついているため、保証重視の人はこちらがおすすめだ。
GearTune激推しのコスパ最強エントリーグラボ、Intel Arc B580。
なんと39,800円で購入可能だ。GeForceやRadeonと比較しパフォーマンスが劣るタイトルがあるものの、実用には問題ないレベルだと言える。エンコード速度と品質が高く、動画編集にもおすすめできる(※ハードウェアエンコーダー2基搭載)。
現行RTX 50シリーズの中で最もおすすめなモデルは、MSI GeForce RTX 5070 Ti 16G VENTUS 3X OCだ。中途半端な性能のRTX 5070を買うくらいなら、こちらを買うべきだろう。
138,700円で購入可能だ。
メモリ
DDR5 6000MHz CL30の超低遅延メモリだ。
メーカーサイトではSK Hynix M Die搭載を謳っており、安くて高性能なメモリがほしいならこれ一択だろう。セール価格は11,184円と、一応最安値となっている。
安く光らせたい人におすすめなメモリが、Team RGB DDR5 6000Mhzだ。
DDR5 6000MHzだが、CL38 1.25V動作のため、それほど性能重視ではない点に注意が必要だ。ヒートシンクの形が独特なので、空冷クーラーとの干渉にも注意してほしい。
11,984円で購入可能だ。
SSD
全体的にバランスの良い性能を持つSamsung 990 EVO Plus 2TBだが、DRAMキャッシュレスかつランダムリード性能がそれほど高くないため、Dドライブ運用がおすすめだ。書き込み性能が高いので、動画編集の作業用ストレージとしても使えるだろう。2TBモデルが16,980円で購入可能だ。
前述の990 EVO Plusが安すぎるせいで少々影が薄いが、こちらのキオクシア KIOXIA EXCERIA PLUS G3 SSDもコスパは高い。特に1TBが8,390円で購入可能なのは嬉しいポイントだ。
安心と信頼のウエデジ製品、Western Digital WD Black SN7100 2TBだ。
最強クラスのランダムリード性能を誇り、実効性能ではT500と同等だと言える。どんな用途でも使え、汎用性が高い。(※筆者はDRAMキャッシュレスSSDアレルギーなのでCドライブにはT500を使っている。)2TBが19,880円で購入可能だ。
電源ユニット
https://jp.msi.com/Power-Supply/MPG-A850G-PCIE5
表記はATX 3.0だが、実際にはATX 3.1に対応しているMSI MPG A850G PCIE5。
人気のMSI MAG A850GLの上位モデルにあたり、普段は2万円前後で販売されている製品だが、今回のプライムデーセールでは15,980円で購入可能となっている。
マザーボード編
B650チップセットなのにPCIe ×16スロットがGen5対応したコスパ最強マザーボード、ASRock B650 Steel Legend WiFiだ。VRMも超強力で、14+2+1フェーズ(VCore用14フェーズ)は80A Dr.MOS採用。PPT:230WのRyzen 9 7950Xも余裕で運用可能だ。
23,609円で購入可能。
筆者のコメント
PCパーツの価格が全体的に落ち着いてきている中にあって、今回のプライムデーセールはまさに絶好の機会と言えるだろう。様々なパーツが手頃な価格になっているため、自作PCを検討している方には見逃せないタイミングだ。
しかし、購入に際していくつか留意してほしい点がある。セール対象品の中には、過去の最安値を下回っていないものが少なくないからだ。ブラウザに「Keepa」のような価格履歴を確認できるツールを導入し、じっくりと価格推移を検証することをおすすめする。
また、単に安価だからという理由だけで中途半端な製品を選ぶのは避けてほしい。本来の性能と価格のバランスをしっかりと理解した上で、自身の用途に最適なパーツを見極めることが重要となる。本記事が、皆さんの賢い選択の一助となれば幸いだ。
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