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【最も信頼性の低いベンチマークサイト】UserBenchmarkがAMD RX 9070 XTを非難、「実際のゲーム性能が低い」と根拠不十分な主張が批判を浴びる【2025年3月最新情報】

某なんとかハンドブックに並ぶ、デタラメなベンチマークサイト「UserBenchmark」がAMDの最新GPU「Radeon RX 9070 XT」に関する偏向した記述を掲載し、業界内外から批判を集めている。実際の性能テストデータをほとんど示さないまま、AMDのGPUを全般的に非難する内容となっており、同サイトの客観性に対する疑問が再び浮上している。

UserBenchmarkの問題ある「レビュー」内容

UserBenchmarkのRadeon RX 9070 XTページには、わずか1サンプルのベンチマーク結果に基づく数値が掲載されている一方で、AMDのGPU全般を批判する長文の警告文が目立つ形で表示されている。この警告文は主に以下のような内容を含んでいる

  • 「RedditやTwitter、裕福なテックYouTuberの影響でAMD 9000シリーズGPUを検討している場合、AMDの実績を理解することが重要」
  • 「AMDのGPUは意図的に選ばれたベンチマークでは優れていることが多いが、実際のゲーム性能では不足していることが多い」
  • 「毎年、インフルエンサーの軍団が初めて購入するユーザーをターゲットに、AMDをPCゲーマーにとっての救世主と宣言している」
  • 「実際のゲーマーはAMDのGPUを二度と買わないことが多い」
  • 「経験豊富なゲーマーはよく知っている:高い平均fpsは、スタッタリング、ランダムなクラッシュ、ブラックスクリーン、過度なノイズ、限られた機能セットを伴うと価値がない」
  • 「Steamの2025年2月の統計によれば、AMDの5000/6000/7000シリーズGPUの市場シェアはわずか3%」

特に注目すべきなのは、これらの主張に対する具体的な証拠や実測データがほとんど示されていないことだ。実際、ページ内ではRadeon RX 9070 XTの具体的なゲームパフォーマンスについての言及が一切なく、一般的なAMD GPUへの批判のみが展開されている。

ユーザーからの反論と実際の性能データ

UserBenchmarkのこの「レビュー」に対し、サイト内のコメント欄でも多くのユーザーが反論を投稿している

イギリスのユーザー(GBR-User)は「この記述は完全な偏見であり、それが如実に表れている。個人的にはNVIDIAのソフトウェアの方が好みだが、このGPUは最新ゲームで素晴らしい性能を発揮しており、『モンスターハンターワイルズ』のような要求の厳しいゲームでもスムーズに動作する。実際にスタッタリングやクラッシュが発生するのは、ドライバーが古い場合や、NVIDIAからAMDに切り替える際にDDUでドライバーをきれいに削除していない場合、Steamのシェーダーキャッシュをクリアし忘れた場合、または推奨より弱いPSUを使っている場合だけだ」とコメント。

オーストリアのユーザー(AUT-User)も「ネイティブ解像度のサイバーパンク2077では、このカードはRTX 5080を上回っている。それもRTX 5080はMSRP(希望小売価格)が2倍もするカードなのに。『実際のゲーム性能が低い』などと書いた人間は、明らかにこのカードを実際にテストしたことがないか、NVIDIAドライバーをDDUで完全に削除するのを忘れただけだろう」と指摘している。

これらのユーザーコメントは、実際の使用経験に基づく意見であり、UserBenchmarkの主張とは対照的だ。

さらに他のレビューサイトの実測データによれば、Radeon RX 9070 XTはRTX 5070 Tiと比較して4K解像度の16ゲーム平均でわずか2%遅い程度の性能を示している。しかし、UserBenchmarkの合成ベンチマークではRTX 5070 Tiが23%優れているとされており、実際のゲーム性能との乖離が大きい。

UserBenchmarkの信頼性問題の歴史

この事例はUserBenchmarkの信頼性に関する初めての問題ではない。同サイトは過去にもAMD製品に対して偏向した記述を繰り返しており、特にCPU評価においても同様の傾向が見られる。

たとえば、ゲーミング性能で高く評価されているRyzen 7 9800X3Dよりも、Core i5-13600Kを推奨し、「ゲーミングCPUにより多くを支払うことはしばしば無意味」と主張していた。

UserBenchmarkはまた、AMDを皮肉って「Advanced Marketing Devices(高度なマーケティングデバイス)」と呼ぶこともあり、特定メーカーに対する偏見が顕著だ。

客観的評価の重要性

このような事例は、ハードウェア評価における客観性と透明性の重要性を浮き彫りにしている。特に注意すべき点は以下の通りだ

  1. 十分なサンプル数: UserBenchmarkのRX 9070 XTページはわずか1サンプルのデータに基づいており、統計的信頼性が極めて低い。
  2. 実際のゲームベンチマーク: 合成ベンチマークだけでなく、実際のゲームでの性能測定が重要。UserBenchmarkのページにはRX 9070 XTの実ゲームデータがない。
  3. 比較の公平性: 同価格帯や同世代の製品との公平な比較が必要だが、UserBenchmarkは古い世代のGPUの問題を引き合いに出している。
  4. 個人的バイアスの排除: 特定メーカーへの明らかな偏見は、客観的評価を損なう。

実際のRX 9070 XTの評価

より客観的なレビューサイトによれば、Radeon RX 9070 XTの実際の評価は以下のようになっている

  • 4K解像度でRTX 5070 Tiとほぼ同等の性能を持ち、一部のゲームではRTX 5080に匹敵する
  • MSRP(希望小売価格)599ドル(約9万円)で、RTX 5070 Ti(MSRP 749ドル、約11.2万円)より150ドル安い
  • 16GBの大容量VRAMを搭載しており、将来性に優れる
  • FSR 4の導入により、アップスケーリング技術でもNVIDIAのDLSSに近づいた
  • 発売当初はMSRP価格での入手が比較的容易だった

これらの実測データと実際の市場状況を考慮すると、UserBenchmarkの主張には客観的根拠が乏しいと言わざるを得ない。

筆者のコメント

テクノロジー製品のレビューや比較において、客観性と透明性は最も重要な価値だ。特にコンピューターハードウェアのような複雑な製品では、実測データに基づく評価と、評価方法の明確な説明が不可欠となる。

UserBenchmarkのような影響力のあるサイトが、十分なデータを示さずに特定メーカーの製品を批判することは、消費者の適切な判断を妨げる恐れがある。特に「RX 9070 XT vs RTX 5070 Ti」などの検索ワードでこのサイトが上位表示される場合、初心者ユーザーが誤った情報に基づいて購入判断をしてしまう可能性が高い。

PCハードウェア購入を検討する際は、複数の信頼できるレビューサイトを参照し、実際のゲームパフォーマンスデータに基づいて判断することをお勧めする。また、自分の使用ケースや予算に合わせた製品選択が最も重要であり、特定メーカーへの偏見に影響されないことが大切だ。

最後に、現在のGPU市場は供給不足やMSRP価格での入手困難という課題を抱えているが、これはAMD・NVIDIA両社に共通する問題であり、性能評価とは別の観点として考慮すべきだろう。

※本記事は2025年3月現在の情報に基づいています。各社の製品や市場状況は変化する可能性があります。

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