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【危険】RTX 5090の電源コネクタが150℃超えを記録 – 水冷システムでも解決されない致命的な設計上の欠陥が明らかに【2025年3月最新情報】

ドイツの著名ハードウェアレビュアーAndreas Schilling氏が、水冷式NVIDIA GeForce RTX 5090のテスト中に電源コネクタの温度が150℃を超える危険な状態を記録したことが明らかになった。サーマルカメラの撮影によって確認されたこの異常な高温は、RTX 50シリーズで採用されている12V-2×6電源コネクタの致命的な設計上の欠陥を浮き彫りにしており、業界の専門家からも深刻な懸念の声が上がっている。

水冷カードでも解決されない熱問題

Hardware Luxx誌のエディターであるAndreas Schilling氏は、Inno3D RTX 5090 Frostbite(水冷モデル)をテストしている際に、サーマルカメラで電源コネクタの温度を測定。驚くべきことに、GPUそのものの温度が十分に低い状態にもかかわらず、電源コネクタが150℃以上(華氏300度以上)に達していることを発見した。

Schilling氏によると、テスト環境はbe quiet! Dark Power 13電源を使用し、GPUの消費電力は最大600Wに達していたという。問題が確認されたのは、グラフィックカード側ではなく電源ユニット(PSU)側のコネクタ部分だった。

「12V-2×6ケーブルが150℃以上で焼けていた。これは冗談ではなく、この世代(および将来世代)の永続的な弱点となるだろう」とSchilling氏はSNSで指摘している。

危険な設計上の欠陥

12V-2×6コネクタ(旧称12VHPWR)は、高消費電力のRTX 40/50シリーズGPUに十分な電力を供給するためにNVIDIAが採用したコネクタだが、過去のRTX 4090でも溶解問題が報告されていた。

本来、コネクタの「正確な装着」による問題は解消されたはずだったが、今回の事例は設計そのものに根本的な欠陥があることを示唆している。特に以下のポイントが重要だ

  1. コネクタの定格を超える温度: 150℃という温度は、コネクタのプラスチック素材の安全動作温度をはるかに超えている
  2. 水冷でも解消されない問題: GPUチップが水冷で冷却されていても、コネクタ部分の過熱は解消されない
  3. 電源側のコネクタにも同様の問題: カード側だけでなく、電源ユニット側のコネクタも同様に危険な高温に達している

専門家の指摘によれば、12V-2×6コネクタはNylon 66とLCPハウジングを使用しており、それぞれの融点は255℃(491℉)と335℃(635℉)だ。今回記録された150℃という温度は、これらの材料の融点には達していないものの、長時間のゲームプレイや負荷の高い作業を続ければ、コネクタの変形や最悪の場合発火のリスクがあると考えられる。

設計上の根本的問題

Schilling氏の調査によると、このコネクタ問題には以下のような設計上の欠陥がある

  • 12V-2×6コネクタの設計上、すべてのピンが正しく接続されていない場合、単一のピンが全負荷を担う可能性がある
  • GPUが100%使用率に達すると、わずか数分または数秒で過負荷ピンとそれに接続されたワイヤが溶解する危険性がある
  • コネクタの「挿抜耐久性(メーティングサイクル)」が非常に低く、Corsairの情報によれば30回程度とされている

特に懸念されるのは、サーマルカメラで観測されるのは表面温度のみであり、プラスチックコネクタ内部の温度はさらに高温になっている可能性があることだ。Schilling氏は実際の溶解は確認していないが、「熱ストレスの痕跡」があることを報告している。

ユーザーへの注意喚起

この問題はハードウェアのベテランから初心者まで、誰にでも起こり得ることが指摘されている。

水冷システムによってカード本体の温度が十分に低く抑えられていても、電源コネクタ部分は危険な高温に達する可能性があるため、以下の注意が必要だ

  • 電源ケーブル周辺の変形や焦げた臭いがないか定期的に確認する
  • 異常を感じた場合は、直ちにシステムを停止し、GPUまたはPSUベンダーに相談する
  • 可能であれば、NVIDIAの純正アダプターを使用し、延長ケーブルやアダプターを避ける
  • 電源ケーブルに触れる際は、十分に冷却されていることを確認する

業界への影響

この問題により、RTX 5090を含む高消費電力GPUの電源設計に対する信頼性に疑問が投げかけられている。特にATX 3.1およびPCI-E 5.1規格に準拠した最新の電源でさえも、このような高温問題が発生していることは重大な懸念材料だ。

一部のユーザーからは「12V-2×6コネクタそのものを見直すべき」という声も上がっており、高性能GPUの電力供給方法に関する業界全体の再考が求められている。

筆者のコメント

RTX 5090の電源コネクタが150℃を超えるという報告は極めて深刻だ。この温度はコンロで調理をする際の高温に匹敵し、家庭用電子機器の安全基準をはるかに超えている。さらに懸念すべきは、これが最新のATX 3.1対応電源と水冷GPUという「理想的な」組み合わせで発生したという点だ。

過去のRTX 4090の溶解問題は「ユーザーの接続ミス」という説明で片付けられることが多かったが、今回の事例はコネクタ自体の設計に根本的な問題があることを示している。単一の16ピンコネクタに600W近い電力を流すという設計思想自体を再検討する時期に来ているのではないだろうか。

個人的には、高消費電力GPUの電源供給には、より太いゲージのワイヤと複数の独立した電源コネクタを使用する従来の設計に戻ることも一つの解決策ではないかと考える。小型化と美観を追求するあまり、安全性が犠牲になっているのであれば、本末転倒だろう。

今後RTX 5090などの高性能GPUを導入する予定のユーザーは、電源コネクタ周辺の温度や状態に特に注意を払い、少しでも異常を感じたら直ちに使用を中止することをお勧めする。最高のゲーム体験も、安全あっての話なのだから。

※本記事はAndreas Schilling氏の報告およびTom’s Hardware、VideoCardzの記事に基づいています。メーカーからの公式な対応や追加情報があれば、随時更新予定です。

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