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【衝撃】Western Digital、SSD市場から完全撤退 – SanDiskがNAND事業を引継ぎ、WD_Blackブランドの行方に注目【2025年3月最新情報】

ストレージ業界の巨人Western Digital(WD)が、NAND型フラッシュメモリ事業を分離し、事実上SSD市場から完全撤退したことが明らかになった。同社は今後、AIワークロード向けなどのHDD(ハードディスクドライブ)事業に専念する方針で、これまでゲーマーから絶大な支持を得ていたWD_Blackシリーズを含むSSD製品ラインは全てSanDiskに移管される見込みだ。

業界に衝撃を与えた決断

この大きな方針転換は先週最終決定され、WDのSSD部門は完全にSanDiskへとスピンオフされた。Western Digitalは長年、Samsung(サムスン)やCrucial(クルーシャル)などの業界大手と競合し、特にゲーミング市場では「WD Black SN850X」が現在も「ゲーミング用最高のSSD」として高い評価を得ている。

特に注目すべきは、Western Digitalのブランド撤退がSSD製造の終了を意味するわけではないという点だ。実際のSSD製造と販売はSanDiskが継続する。この移行の準備は2023年10月から段階的に進められており、業界には十分な準備期間が与えられていた。

SanDiskへの事業移管と今後の展望

製造面では、Western DigitalはこれまでKioxia(旧東芝)の製造施設を利用してNAND生産を行ってきた。この製造体制はSanDiskの管理下でも継続される可能性が高いが、代わりにSamsung(サムスン)などの他メーカーと提携して生産ニーズを満たす可能性も指摘されている。

消費者にとって最も顕著な変化は、今後のSSD製品からおなじみのWDブランドが消えることだろう。業界関係者は、SanDiskが今後のブランド戦略をどのように展開するかに注目している。単純に「WD」を「SD」に置き換えると、カメラや携帯機器で使用されるSDカードとの混同を招く恐れがあるためだ。

HDDとAI市場への注力

Western DigitalのCEO、アーヴィン・タン氏は「AIの加速と世界中の産業への影響が拡大し、企業がより多くのデータを生成・保存する中で、HDDのエクサバイト出荷量は増加すると予想される」と述べている。さらに同氏は、クラウドサービスプロバイダーが保存するネイティブクラウドアプリケーションデータ、AIデータレイク、メディア、機械学習データの多くがHDDで動作していることを指摘した。

短期的な計画としては、HAMR(熱アシスト磁気記録)技術が経済的なクロスオーバーポイントに達した時点での導入を目指している。「HDDを超えて、我々のチームは磁気と材料科学における中核的能力を活かした新たな成長機会を模索している。彼らの献身的な努力により、私たちの技術の将来的な応用可能性は無限大だ」とタン氏は語っている。

ゲーマーやSSDユーザーへの影響

PCゲーミング愛好家にとって、この展開は甘く苦い瞬間だ。Western Digitalは優れた速度と性能で、ゲーマーを中心に多くのユーザーがSSDへと移行する中で、最も人気のあるSSDブランドの一つを生み出してきた。象徴的なWD_Blackのデザインは業界の定番となっており、将来の製品からこのブランドが消える可能性は、一つの時代の終わりを意味する。

ただし、SanDiskが製品の品質を維持すると期待される一方で、現行のWD_BlackラインがSD_Blackとして再ブランド化される可能性も高い。これはゲーミングコミュニティや既存ユーザーにとって大きな変化となるだろう。

SanDiskが管理する新体制では、サプライチェーンの側面からアフターサービスまで含めた対応が期待される。WDから提供されていたSSDは、ネーミングスキームが「WD」から「SD」へと変更される見込みだ。

業界全体の動向と市場影響

Western Digitalの決断は、Solidigmに続くストレージ業界の大きな変化だ。消費者市場でのトラクション獲得が難しくなる中、Western Digitalはより成長が見込めるAIワークロード向けHDD市場に集中する戦略を選択した形だ。

AIブームが続く限り、Western DigitalはSSD市場に戻ってくる可能性は低いと見られる。今後は、SanDiskが供給からアフターサービスまでを一手に引き受けることになり、消費者は違和感なく製品を使い続けられるよう配慮されると期待される。

筆者のコメント

Western DigitalのSSD市場撤退は、長年同社製品を愛用してきたユーザーにとって驚きのニュースだ。特にWD_Blackシリーズはゲーミング市場において、高速で信頼性の高いストレージの代名詞として認知されてきた。この象徴的なブランドがどのような形で継続されるのか、あるいは完全に姿を消すのか、今後の展開に注目したい。

一方で、HDDに特化する戦略的判断は、Western Digitalの長期的なビジョンを示唆している。AIやビッグデータの時代において、大容量ストレージの需要は依然として高く、特にデータセンターや企業向け市場では、コスト効率の高いHDDは重要な位置を占め続けるだろう。

消費者としては、同じ製品がブランド名だけ変わって継続されるなら大きな問題はないが、SanDiskがWestern Digitalのゲーミング向け製品ラインをどう扱うかが鍵となる。単なるリブランディングに留まるのか、それとも製品設計や性能哲学にも変化があるのか、次世代製品が楽しみでもあり、少し不安でもある。

※本記事はTechSpotおよびWccftechの報道に基づいています。状況は変化する可能性があり、正確な情報は各社公式発表をご確認ください。

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