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【朗報】AMD FSR 4が大幅進化 – DLSS旧モデルを上回る画質を実現、RX 9000シリーズ最大の武器に【2025年3月最新情報】

AMDの最新アップスケーリング技術「FSR 4」が従来モデルから大幅に進化し、一部のシナリオではNVIDIAの「DLSS(CNN)」モデルを上回る画質を実現していることが明らかになった。Digital Foundryが3月5日に公開した詳細分析によると、機械学習を初めて採用したFSR 4はRDNA 4アーキテクチャ搭載GPU専用の強力な武器となっている。

性能コストと画質向上のトレードオフ

Digital Foundryの分析によると、FSR 4は前世代のFSR 3と比較して処理負荷が増加している。「Ratchet & Clank: Rift Apart」のオープニングシーケンスでは、Performanceプリセット設定でFSR 4を使用した場合、FSR 3と比較して約8%のフレームレート低下が確認された。

しかし、この性能コストは十分に価値があるものだと評価されている。FSR 4は前世代で指摘されていた主要な画質問題を以下のように改善している

  • パーティクルエフェクト: FSR 3で問題となっていた大幅なゴースティング(残像)が解消
  • 透明なサーフェス: FSR 3では失われていたディテールが適切に表示される
  • 低速移動オブジェクト: サーフェスディテールが大幅に向上
  • 複雑な動き: この点でFSR 4は特に飛躍的な進化を遂げており、前世代を圧倒

NVIDIA DLSSとの比較

FSR 4は単に前世代から進化しただけでなく、特定のシナリオではNVIDIAの旧世代「CNN」モデルを使用したDLSSを上回る画質を実現している。特に静止または低速で移動するオブジェクトについては、AMDの技術の方がより多くのディテールを解像するという結果が出ている。

しかし、NVIDIAの最新「Transformer」モデルを使用したDLSS 4と比較すると、ディテールの解像度ではAMD FSR 4はやや及ばない結果となっている。とはいえ、動きのあるオブジェクトに関しては、FSR 4はDLSSのCNNモデルと同等のパフォーマンスを示している。

これはFSR 3がDLSSと比較して大きく見劣りしていたことを考えると驚異的な進化だ。RDNA 4ベースのRX 9000シリーズGPUユーザーにとって、FSR 4は確かな価値を提供するアップスケーリングソリューションとなっている。

技術詳細と互換性

FSR 4の主な特徴と互換性は以下の通り

  • 初めて機械学習を採用したAMDのアップスケーリング技術
  • RDNA 4 GPU専用技術(RX 9070およびRX 9070 XTが対象)
  • 専用ハードウェア「AI Accelerator」を活用
  • フレーム生成技術も統合

重要な点として、FSR 4はRDNA 4アーキテクチャを搭載したGPU専用となっている。これはGPU内の「AI Accelerator」ハードウェアを活用するためだ。この点はNVIDIAのDLSSと同様のアプローチとなり、専用ハードウェアによる高速処理を実現している。

モンハンワイルズでの性能

特に注目すべきは、最近発売された「モンスターハンターワイルズ」におけるFSR 4の性能だ。RDNA 4 GPUであるRX 9070 XTとRX 9070を使用した場合、FSR 4によるアップスケーリングとフレーム生成を組み合わせることで、FSR 3よりも高画質なゲーム体験が可能になっている。処理負荷が若干増加するためフレームレートはわずかに低下するものの、画質向上のメリットの方が圧倒的に大きいと評価されている。

これまでのFSR 3/3.1は画質面でDLSS 3/4に劣っていたが、FSR 4の登場によりRTX 5070 Tiとの性能差が、フレーム生成機能も含めた総合力でも縮まった。

これらの技術進化により、RTX 5070 Tiより低価格のRX 9070 XTが、総合的な画質と性能のバランスで上位モデルと互角以上の性能を発揮できるケースも増えている。特にアップスケーリング技術が重要な役割を果たす高解像度ゲームプレイでは、FSR 4の進化がAMD GPUの競争力強化に大きく貢献している。

筆者のコメント

FSR 4の大幅進化は、AMDが長年抱えていた「画質でNVIDIAのDLSSに劣る」という弱点をほぼ克服したことを意味する。特にFSR 3では目立っていたゴースティングやディテール損失といった問題が解決されたことで、実用性が大きく向上している。

何より注目すべきは、特定のシナリオではDLSS(CNN)モデルを上回る画質を実現しているという点だ。AMDのアップスケーリング技術がNVIDIAの技術と互角以上に戦えるようになったことは、GPU市場における競争を健全化させる重要な一歩と言える。

RDNA 4アーキテクチャ専用となった点は、旧世代GPUユーザーにとっては残念なニュースかもしれないが、専用ハードウェアを活用することで画質と性能のバランスを大きく向上させたことは評価に値する。RX 9070/9070 XTユーザーにとって、FSR 4は間違いなく大きな武器となるだろう。

最新のDLSS 4 Transformerモデルにはまだやや及ばない部分があるとはいえ、FSR 4の進化速度を考えると、今後さらなる改善が期待できる。特に「モンハンワイルズ」のような人気タイトルでRTX 5070 Tiを上回る性能を示せることは、コストパフォーマンスを重視するゲーマーにとって大きな魅力になるだろう。

※本記事はDigital Foundryの分析およびWccftechの記事に基づいています。個々のゲームやハードウェア構成によって結果は異なる場合があります。

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