RedditとGPU-Z Validationデータベースにて、GeForce RTX 5080にもROP(Render Output Unit)の欠損問題が存在することが明らかになった。NVIDIAが公式に認めていたRTX 5090とRTX 5070 Tiに続く発見で、Blackwellアーキテクチャ全体の品質管理に深刻な疑問が投げかけられている。
新たに判明したROP欠損問題
RTX 5080 Founders Editionで確認された問題
- 正常時のROP数:112基
- 欠損品のROP数:104基(約7.1%減少)
これまでに確認されている各モデルの状況
- RTX 5090/5090D:168基(正常時176基)
- RTX 5080:104基(正常時112基)
- RTX 5070 Ti:88基(正常時96基)
NVIDIAの説明との矛盾
NVIDIAは先日、RTX 5090とRTX 5070 Tiについて
- 影響を受けるのは全体の0.5%未満
- 性能への影響は平均4%程度
- 製造プロセスの問題は修正済み
と説明していたが、RTX 5080については言及していなかった。今回の発見により、問題がより広範囲に及んでいる可能性が浮上している。
問題の確認方法
GPU-Zを使用することでROP欠損固体か確認することが可能だ
各モデルの正常なROP数
- RTX 5090:176 ROPs
- RTX 5080:112 ROPs
- RTX 5070 Ti:96 ROPs
影響を受けているユーザーは、PCIeスロットから抜き出す前にスクリーンショットなどの証拠を保存することが推奨される。
対応手順
- GPU-ZでROP数を確認
- 問題が見つかった場合
- ドライバの完全削除(DDU使用)と再インストール
- 再度ROP数を確認
- 問題が続く場合はRMAプロセスを開始
市場への影響
この問題の影響は以下の点で深刻
品質管理の信頼性
- 3つの主要モデルすべてで問題が発生
- 製造プロセス全体の見直しが必要か
供給不足との相乗効果
- 交換用在庫の確保が困難
- RMAによる供給不足の悪化
スケーラー(転売業者)への影響
- 保証の非譲渡性により、転売品の価値が低下
- 高額転売市場への打撃
筆者のコメント
今回のRTX 5080での問題発覚は、NVIDIAのBlackwellアーキテクチャ展開における深刻な品質管理の課題を示している。特に気になるのは、これまでの説明との矛盾だ。
「0.5%未満の影響」という説明は、RTX 5090とRTX 5070 Tiのみを対象としたものだったのか、それとも実際の影響範囲を過小評価していたのか。いずれにせよ、ユーザーの信頼を回復するためには、より透明性の高い説明が必要だろう。
特筆すべきは、この問題が転売市場に与える影響だ。保証が譲渡不可能な状況で、ROPの欠損という重大な欠陥を抱える可能性のある製品を定価の2倍近い価格で販売することは、非常に困難になるだろう。
また、すでに深刻な供給不足に直面している中、RMAによる交換需要が市場をさらに圧迫する可能性も高い。3月に予定されているAMD RX 9070シリーズの発売を前に、NVIDIAの市場での立場が一層厳しくなることも予想される。
現時点でRTX 50シリーズの購入を検討しているユーザーは、少なくとも数週間は様子を見ることを強く推奨する。また、すでに所有しているユーザーは、必ずGPU-Zでの確認を行い、問題が見つかった場合は速やかにRMAプロセスを開始すべきだ。
※本記事はRedditおよびGPU-Z Validationデータベースの情報に基づいています。状況は日々変化しており、新たな情報が入り次第更新いたします。
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