AMDのリサ・スー CEOが第4四半期決算説明会で、次世代GPU「Radeon RX 9070シリーズ」の発売時期を3月初旬と正式に発表。NVIDIAのRTX 50シリーズとは異なり、十分な初期在庫を確保する方針を明らかにした。
市場戦略を明確化
リサ・スー CEOは「エンスージアストゲーミング市場の中で最も出荷量の多いセグメントにフォーカスする」と説明。新世代のRDNA 4アーキテクチャにより、レイトレーシング性能の大幅な向上とAIアップスケーリング技術をミドルレンジ市場にもたらすことを強調した。
発表と発売のスケジュール
2月末に専用イベントでRX 9070 XTとRX 9070の2モデルを発表し、3月初旬から販売を開始する計画だ。NVIDIAのRTX 5090やRTX 5080が深刻な供給不足に陥っている中、AMDは十分な初期在庫を確保する意向を示している。
市場への影響
ミドルレンジ市場に焦点を当てた戦略は、現在の市場ニーズに合致している。ただし、発売直後は需要が供給を上回る可能性も指摘されており、早期の購入を検討するユーザーは注意が必要だ。
期待される性能と価格
RDNA 4アーキテクチャによる大幅な性能向上が期待される一方、価格設定については言及がなかった。ミドルレンジ市場をターゲットとしていることから、競争力のある価格設定となる可能性が高い。
筆者のコメント
NVIDIAが採用している意図的な供給制限と高価格戦略は、多くのゲーマーの不満を招いている。
そんな中、十分な初期在庫の確保を約束するAMDの発表は、市場に新たな風を吹き込む可能性を秘めている。
特にRTX 5070シリーズの供給不足が懸念される状況下で、RX 9070シリーズが適切な価格帯で十分な供給量を確保できれば、ミドルレンジGPU市場の勢力図が大きく変わる可能性もある。AMDの攻勢的な市場戦略が、グラフィックスカード市場の健全な競争を取り戻すきっかけとなることを期待したい。
※本記事はAMD第4四半期決算説明会の内容に基づいています。実際の製品仕様や価格は発表をお待ちください。
コメント