最新フラッグシップGPU「RTX 5090」はPCIe Gen5対応を謳うが、実際にはGen4環境でもほぼ同等の性能を発揮できることがTechPowerUpの詳細な検証で明らかになった。これは多くのユーザーにとって朗報となる発見だ。
PCIe世代による実際の性能差
Gen4環境での驚きの結果
RTX 5090はPCIe Gen5で倍の帯域幅(64GB/s)を実現するが、Gen4環境下でもわずか1%の性能低下に留まることが判明。特にレイトレーシング有効時は、その差がさらに縮小する。これはGen4対応の既存マザーボードでも、ほぼ最大性能を引き出せることを意味する。
Gen3環境でも十分な性能
より古いGen3環境でも実用的な性能を維持
- 4K解像度:約2%の性能低下
- WQHD/フルHD:約4%の性能低下
- 高解像度になるほど影響が少ない
この結果は、Socket AM4やLGA 1700などの比較的新しい世代のマザーボードであれば、RTX 5090の性能をほぼ最大限に活用できることを示している。
最新技術への影響
DLSS 4での検証
次世代の画質向上技術であるDLSS 4においても、PCIe帯域による大きな制限は見られなかった
- フレーム生成:ほぼ影響なし
- アップスケーリング:わずかな性能低下
- 実用上の問題はない
これはDLSSの処理が主にGPU内部で完結するため、PCIe帯域への依存が比較的小さいことを示している。
注意が必要なセットアップ
深刻な性能低下が発生するケース
- チップセット接続のx4スロット使用時:最大11%の性能低下
- Gen5 x1相当の極端な制限時:最大26%の性能低下
- マザーボードの第2スロット使用時:帯域制限の可能性がある
特にマルチGPU時代の名残で残る第2PCIeスロットは、しばしばチップセット接続となっており、大幅な性能低下を招く可能性がある。GPU-Zなどのツールで接続状況を確認することを推奨する。
マザーボードの説明書をちゃんと読めば問題ない。
実用面での意義
この検証結果は、RTX 5090の優れた後方互換性を証明している。実際の使用では
- Gen4環境:事実上の性能差なし
- Gen3環境:実用的な性能を維持
- x8接続:ほぼ影響なし
- NVMe Gen5 SSDとの帯域共有:問題なし
これは40万円を超える高額グラフィックボードの導入を検討するユーザーにとって、マザーボードのアップグレードが必須ではないことを意味する重要な発見だ。
まとめ:システム構成の柔軟性が向上
RTX 5090は最新のPCIe Gen5に対応しながら、旧世代との優れた互換性を実現。
これにより
- マザーボード選択の自由度が広がる
- 段階的なアップグレードが可能
- 既存システムでの性能も確保
ただし、スロットの選択には注意が必要で、必ずCPU直結の第1スロットの使用を推奨する。
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※本記事はTechPowerUpの詳細なベンチマーク結果に基づいています。実際の性能は使用環境により異なる場合があります。
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