Intelの新型GPU「Arc B570」の性能が、発売直前にGeekbenchデータベースでリークされた。Arc B580と比較して約12%低い性能ながら、価格も12%抑えられており、ミドルレンジGPU市場での戦略が明確になってきた。
Battlemageアーキテクチャの実力
正式発売を目前に控えたArc B570は、OpenCLテストで86,716ポイントを記録。同じBattlemageアーキテクチャを採用する上位モデルB580(98,343ポイント)と比較すると、予想通りの性能差となっている。
スペックと価格のバランス
Arc B570は219ドルという価格設定ながら、上位モデルと同じ272mm²のダイサイズを維持している。主な仕様は
- 144基のコンピュートユニット
- 最大ブーストクロック2.75GHz
- 10GB GDDR6メモリ(160bitバス)
- TBP 150W
特筆すべきは、カスタムモデルでは2.75GHzという高いブーストクロックを実現している点だ。これは公称の2.5GHzを大きく上回る数値である。
市場での位置づけ
Intelは明確な階層戦略を展開している。Arc B580が249ドルで提供する高い性能に対し、B570はよりコストを重視するユーザー向けの選択肢として位置づけられている。
PCショップ店員としての見解
実際の販売現場では、このような明確な価格性能比は消費者の選択を容易にするだろう。特に、予算に制約のあるユーザーにとって、性能低下の度合いと価格差が同程度というのは、非常に分かりやすい選択基準となる。
ただし、1月16日の発売に向けて注意すべき点もある。Arc B580の初期出荷分が即完売となった事例を考えると、B570も同様の品薄状態となる可能性が高い。購入を検討している方は、発売日に向けて準備を整えておくことをお勧めする。
今後の展望
IntelのディスクリートGPU市場への本格参入は、確実に進展を見せている。特にミドルレンジ市場での競争は、消費者にとって良い影響をもたらすだろう。今後、ハイエンド製品の登場も期待される中、IntelのGPU事業がどこまで成長するのか、注目していきたい。
※本記事はGeekbenchのベンチマークデータとPCショップ店員としての知見を基に解説しています。実際の製品性能は、正式なレビューをお待ちください。
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