AMDの次世代グラフィックスカード「RX 9070 XT」の3DMark TimeSpy Extremeベンチマーク結果がリークされ、業界に衝撃が走っている。
RTX 4080 SUPERを6-8%上回る性能を記録したとされるこのベンチマークは、AMDの新世代GPUへの期待を大きく高めることとなった。
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リークされた驚異的なベンチマーク結果
3DMark TimeSpy Extremeにおいて、RX 9070 XTは14,558ポイントを記録。これはRTX 4080の14,443ポイントを上回り、さらにRTX 4080 SUPERに対しても優位な数字だ。この結果は、AMDが新世代GPUで大きな性能向上を実現できている可能性を示唆している。
特筆すべきは、このスコアがRX 7900 XTXの15,114ポイントに迫る性能であることだ。ミドルレンジに位置づけられるはずのRX 9070 XTが、前世代のフラッグシップモデルに近い性能を発揮している。
消費電力は競合と同水準
リーク情報によると、RX 9070 XTは329Wの消費電力(リファレンスモデル)を記録。
これはRTX 4080 SUPERの320Wとほぼ同等の数値だ。同クラスの性能を実現する上で、妥当な消費電力設定と言えるだろう。
高い動作クロック(3060MHz)を実現しながらも、消費電力を競合製品と同程度に抑えられているのは、4nmプロセス採用による恩恵と考えられる。これはAMDのアーキテクチャ設計が効率的に行われている証とも言える。
カスタムモデルではOC設定により330Wを超える可能性もあるが、これも同クラスのGPUとしては一般的な範囲だ。システム構築の観点でも、RTX 4080 SUPER向けの電源設計がそのまま流用できるため、特別な考慮は必要ないだろう。
※AMD Radeonは実際の消費電力は競合製品よりも高くなる傾向にあるため、実測値では公称値を上回る可能性がある点には注意が必要だ。
メモリ構成とアーキテクチャの進化
RX 9070 XTは16GB VRAMを搭載。テスト時のGPU-Zの情報では4096個のストリーミングプロセッサを備えているとされ、これはRDNA 4アーキテクチャの高い効率性を示している。
第2世代AIアクセラレーターと第3世代レイトレーシングアクセラレーターの採用により、レイトレーシングやAI処理性能も大幅に向上。特にFSR 4との組み合わせでは、高い性能が期待できる。
レイトレーシング性能の実力
3DMark Speed Wayでは6,345ポイントを記録。これはRTX 4080の7,331ポイントには及ばないものの、RX 7900 XTXの6,280ポイントを上回る結果だ。レイトレーシング性能においても、前世代からの進化が見られる。
ただし、このベンチマークではまだNVIDIAが優位を保っており、実際のゲームでのレイトレーシング性能は、より詳細なテストが必要となるだろう。
ドライバの成熟による性能向上の可能性
現時点でのベンチマーク結果は、まだ初期のドライバを使用したものとされる。
AMDのGPUは一般的にドライバの成熟に伴って性能が向上する傾向にあり、正式リリース時にはさらなる性能向上が期待できる。
価格が決め手に
RX 9070 XTの成功は、最終的に価格設定にかかっているだろう。
RTX 4080 SUPERを上回る性能を、より手頃な価格で提供できれば、市場での強い競争力を持つことができる。
ただし、329Wという高い消費電力は、システム全体のコストに影響を与える可能性がある。より高性能な電源ユニットや冷却システムが必要となり、これらの追加コストも考慮に入れる必要がある。
まとめ:期待と課題
RX 9070 XTは、ベンチマーク結果を見る限り、非常に有望な製品となりそうだ。
RTX 4080 SUPERを上回る性能と、FSR 4による新たなアップスケーリング技術の採用は、次世代ゲーミングでの高い競争力を示している。
しかし、高い消費電力や冷却要件、そして最終的な価格設定など、いくつかの課題も存在する。1月23日の正式発表で、これらの点がどのように解決されるのか、注目が集まる。
結論として、RX 9070 XTはRTX 4080 Super超えの性能を持つ可能性が高いが、その真価は実際の製品がリリースされ、様々なゲームでのテストが行われてから判断すべきだろう。
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