PCショップ店員として、RTX 5070 Tiの仕様を見て首を傾げざるを得ない。
確かに進化は感じられるが、致命的な問題も同時に抱えているのだ。
896GB/sという圧倒的な帯域幅
GDDR7メモリの採用により、RTX 4070 Ti SUPERから33%も帯域幅が向上している。
この数字は確かに魅力的だ。高解像度テクスチャの読み込みや、レイトレーシング時の性能向上に大きく貢献するはずだ。
しかし、16GBでは物足りない
問題は、この優れた帯域幅を活かしきれない可能性が高いことだ。
なぜなら
- 4K解像度でのゲーミングが一般化
- レイトレーシングの普及
- テクスチャの大容量化
これらを考えると、16GBというVRAM容量は2025年のハイエンドGPUとしては控えめすぎる。
350Wという異常な消費電力
さらに深刻なのが消費電力の増加だ。RTX 4070 Ti/SUPERの285Wから、一気に350Wまで上昇。
この23%増という数字は
- 電源の追加コストが必要
- 冷却の負担が増大
- 電気代の上昇
これは補助電源ケーブルが少しでも半差しになるとコネクタが溶ける程の危険な消費電力だ。
本来あるべき姿
このGPUが本当に魅力的な製品になるためには
- VRAM:最低でも20GB
- 消費電力:300W以下に抑制
- 価格:現行4070 Ti SUPERと同等以下
これらが実現できれば、「買い」な製品となったはずだ。
結論:待ちも選択肢
結局のところ、RTX 5070 Tiは中途半端な進化に留まった印象が強い。
帯域幅は確かに魅力的だが、VRAM容量と消費電力のバランスが悪すぎる。現行の4070 Ti SUPERや、AMDの対抗製品を待つのも賢明な選択と言えるだろう。
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