予算15万円の自作構成
パーツ種別 | 製品型式 | 詳細 | 参考最安価格(2024/12/10時点) |
CPU | Ryzen 7 5700X | AM4 | 24,580円 |
CPUクーラー | 虎徹 MARK3 SCKTT-3000 | 空冷 サイドフロー | 3,500円 |
グラフィック | RT X4060 Ti RX 7700 XT | RTX 4060 Ti (8GB) RX 7700 XT (12GB) | 58,980円 62,980円 |
マザーボード | MSI B550M PRO-VDH WIFI ASRock B550M Pro4 | WiFi/Bluetooth機能付き WiFi/Bluetooth機能なし | 9,135円 7,980円 |
メモリ | DDR4 3200MHz 32GB | DDR4 3200MHz 16GB 2枚組 | 6,872円 |
SSD | Crucial T500 | Gen4 1TB | 12,680円 |
電源ユニット | MSI MAG A650BNL | 650W ブロンズ認証 7年保証 | 7,799円 |
PCケース | Thermaltake S100 TG CX200M RGB ELITE (WHITE) ※最安ピラーレスケース | micro ATX | 4,882円 6,380円 |
OS | Windows 11 Home | 16,190円 | |
合計 | 143,463円 WiFi機能追加+1,155円 ピラーレス化+1,498円 RX 7700 XTに変更 + 4000円 |
プレイ可能なゲーム
今回の構成は、フルHD解像度での快適なゲームプレイを重視した構成だ。特にApex Legendsのような競技FPSでは200Hzのリフレッシュレートでも安定して動作し、ガクつきのない滑らかな描画を実現できる。
モンハンワイルズ目的なら【RX 7700 XT】がおすすめ
【RTX 4060 Ti (8GB)】でモンハンワイルズを動かすのは正直厳しい。RTX 4060から15%程の性能向上は確かだが、8GBのVRAMではゲームの要求に追いつかない。高画質設定にすれば即座にメモリ不足に陥る。
16GB版のRTX 4060 Tiも選択肢からは外れる。ゲーミング用途でこの価格帯ならRTX 4070を選ぶべきだ。その点、【RX 7700 XT】は12GBのVRAMを積んでおり、高解像度テクスチャもガンガン読み込める。価格も手頃で、コスパは圧倒的だ。
ただし、これはモンハンワイルズに限った話だ。それ以外のゲームなら【RTX 4060 Ti】でも十分な性能を発揮する。特に軽めのゲームやe-sportsタイトルなら、むしろ電力効率の良さが光る。
CPU選びで迷わない!【RTX 4060 Ti】には【Ryzen7 5700X】が最適解
パーツ選びの常識として、「CPU性能はいくらあっても無駄にはならない」というのは大きな間違いだ。
【RTX 4060 Ti】クラスのGPUなら、【Ryzen7 5700X】で十分性能を引き出せる。これ以上のCPUを積んでも、ゲーミング性能は大して変わらない。
もし将来的に上位GPUへの換装を考えているなら話は別だ。その時は「Ryzen7 5700X3D」という選択肢も視野に入れよう。ただし、現状の構成ではオーバースペックになるため、コスパは悪化する。
マザーボードは【B550】がおすすめ
Ryzen5000シリーズのCPUを使用する場合、B550チップセット搭載マザーボードを選択するのが賢明だ。
B550製品の価格が大幅に下落した現在、機能面で劣るA520製品を選ぶ理由は見当たらない。
価格差もわずかなため、より高機能なB550チップセット搭載マザーボードを選択することで、将来的なアップグレードの余地も確保できる。
特にmicro ATXサイズのB550マザーボードは、必要十分な機能を詰め込みながら価格を抑えており、コスパは文句なしだ。今回選定した2製品は、安定性とコスパを両立しており完成度が高い。
メモリ16GBは絶対にNG
現在のDDR4メモリは驚くほど値下がりしており、32GBでもたった7,000円程度で手に入る。
最初から32GB構成で組むことを強く推奨する。
後からメモリを増設する16GB構成は、コスト面でもリスク面でも得策とは言えない。
特に自作PC初心者の場合、メモリ関連のトラブルに遭遇しやすいため、増設を前提とした構成は避けるべきだ。
最初から必要十分な容量を確保することで、安定した動作環境を実現できる。
コスパ重視なら【RTX 4060 Ti】より【RX 7700 XT】がおすすめ
【RX 7700 XT】は【RTX 4060 Ti】を上回る純粋なゲーミング性能を持ちながら、価格はほぼ同等だ。特に競技性の高いFPS(Apex Legendsなど)では、より高いフレームレートを実現。
さらに、AMDのAFMF技術を活用したグラフィック重視のゲームでは、【RTX 4060 Ti】をはるかに上回るスムーズな描画を実現できる。
動画編集の面でも【RX 7700 XT】は強みを持つ。次世代コーデックであるAV1に対応した高性能なハードウェアエンコーダーを2基搭載しており、対応ソフトウェアでの動画エンコード時間を大幅に短縮できる。また、12GBのVRAMを搭載しているため、高解像度テクスチャを使用するゲームでもメモリ不足の心配が少ない。
このように総合性能では【RX 7700 XT】が明確に優位だが、自作PC初心者に対しては、豊富な情報量とトラブル発生時の対処のしやすさから、GeForce(RTX 4060 Ti)も選択肢として残しておきたい。NVIDIAのドライバは安定性が高く、トラブルシューティングも比較的容易だ。
SSDは容量より速度!Gen4対応の【Crucial T500】が最適解
ストレージ選びで重要なのは、実は容量よりも速度だ。DirectStorage対応の最新ゲームでは、NVMe SSDの真価が問われる。
今回選んだ【Crucial T500】は、読み取り7400MB/s、書き込み7000MB/sという爆速性能を持ちながら、価格は12,680円と破格の値付けとなっている。
電源やCPUクーラーと同様、SSDは次の自作PCでも流用できる部品だ。その意味でも、安物を買って後悔するより、少し良いものを選んでおく方が賢明だ。
電源容量は650Wがおすすめ
システムの安定性を考慮すると、電源は650Wの製品を選択するのが最適だ。
この容量であれば、今回の構成はもちろん、将来的なパーツ交換にも十分な余裕を持って対応できる。
特におすすめなのが「MSI MAG A650BNL」だ。
ブロンズ認証と7年保証を備えた650W電源で、同クラスの電源ユニットの中でも特に高い品質を誇る。
650Wクラスのブロンズ認証電源の中では、筆者の知る限り最高品質の製品と言える。
さらに、同クラスのブロンズ認証電源では珍しく、CPU電源ケーブルが2本付属しているのも特徴的だ。
※ドスパラの電源容量計算ツールを使うと、今回の構成では容量不足と表示されることがある。しかし、これは実際の消費電力よりも大幅に余裕を持った計算をしているため、実使用では全く問題ない。
より正確な電源容量を知りたい場合は、FSPやMSIが提供している電源計算ツールの利用をおすすめする。これらのツールは実際の消費電力に近い、より現実的な計算結果を提供してくれる。
PCケースは何でもOK
PCケースは好みで選んでもらって構わないが、初めての自作PCなら組立てやすさを重視したThermaltake S100 TGをおすすめする。
見た目にこだわるよりも、まずは性能面を重視したパーツ選びを心がけよう。
この構成なら、長期的な使用に耐える十分な性能と信頼性を確保できる。
一方、ワンランク上を目指すなら【NZXT H5 Flow】を強くおすすめする。価格は15,000円前後とS100 TGの倍以上だが、その価値は十分にある。
- 圧倒的な冷却性能(メッシュパネル+大型ファン)
- プロレベルのケーブルマネジメント設計
- 洗練されたデザイン性
- 豊富なパーツ取り付けスペース
- 優れた防塵性能
特にグラフィックボードに【RX 7700 XT】を選ぶ場合は、その発熱量を考慮して【NZXT H5 Flow】の選択も検討する価値がある。ただし、初自作でコスパ重視なら、この価格帯で妥協なく組み立てられるS100 TGで十分だ。
まとめ:15万円で手に入る本気のゲーミングマシン
今回紹介した構成は、フルHD高画質ゲーミングをメインに考えた際のベストバランスと言える。Apexなどの競技FPSも200Hz駆動できる性能を持ち、価格も予算内に収まる。
グラボ選びでは、コスパ重視ならRX 7700 XT、安定性重視ならRTX 4060 Tiという選択肢を用意した。
初心者の場合はRTX 4060 Tiの方が情報も多く、トラブル対処もしやすいだろう。
パーツ選びのポイントをおさらいすると
- CPUはRyzen 7 5700Xで十分な性能
- マザーボードはB550チップセット搭載がマスト
- メモリは最初から32GBを選ぼう
- SSDは予算15万円ならそこそこ良い製品を選ぼう
- 電源は高品質な650W(MSI MAG A650BNL)がベスト
14万5千円という価格は、この性能と将来性を考えれば極めてリーズナブルだ。特にモンハンワイルズをプレイする予定がある場合は、VRAMに余裕のあるRX 7700 XTを選べば、完璧な構成となる。
最後に強調しておきたいのは、このビルドは単なる予算重視の構成ではないということ。
15万円という予算の中で、実用性と将来性を徹底的に追求した結果がこの構成なのだ。
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