【2024年12月版】Ryzen 9000シリーズ対応 最強B650マザーボード6選! – Tier別おすすめ製品を解説

マザーボード

PCショップ店員の立場から、おすすめのマザーボードとその選び方について詳しく解説していく。
マザーボードはCPUやメモリ、ストレージなど、すべての主要パーツを繋ぎ合わせるプラットフォームだ。その選択は、システムの性能、安定性、そして将来的な拡張性まで大きく影響する重要なパーツである。

実際の販売現場での経験と、ユーザーからのフィードバックを基に、コストパフォーマンス、性能、信頼性に優れたマザーボードを紹介していく。

【S Tier】

1. ASRock B650 Steel Legend WiFi

自作erにはおなじみの Steel Legendシリーズ。
値下げにより現在24000円前後で購入できる超コスパなメインストリームモデルだ。PCIe x16 スロット がGen5規格に対応している製品の中では最もコスパが高く、次世代のRTX 5080、RTX 5090等のハイエンドGPUにも対応可能だ。

14+2+1相のデジタル電源回路と充実したヒートシンクにより、Ryzen 9 7950X、9950Xのような最上位CPUでも安定して動作する。
同価格帯の製品と比べても、機能面で明確な優位性がある。

白を基調としたデザインは高級感があり、特に下部ヒートシンクにはRGBライティング機能を搭載。白系統のPC構築を考えているユーザーにとって最適な選択肢となるだろう。

【TypeA ×9、TypeC ×1】と豊富なUSBポートを備えており、配信環境の構築にも適している。キャプチャーボードを使用しない配信であれば、十分すぎる性能と拡張性を備えているのも特徴だ。
※キャプチャーボードを使いたい場合 ASRock B650 LiveMixer をおすすめする。

価格と性能のバランスが非常に良く、特にハイエンドビルドにおいて、最もおすすめできるマザーボードの一つといえる。

要注意!にわか店員対策

PCショップでよく見かける光景だが、同価格帯の「ASUS ROG STRIX B650-A GAMING WIFI」を熱心に推してくる店員には要注意だ。

その理由を簡単に説明しよう

  • Steel Legendは14+2+1相なのに対し、STRIX A GAMINGは12+2相
  • PCIe Gen5 x16対応 vs Gen4対応という明確な性能差
  • USB ポート数でもSteel Legendの方が多く優位
  • 価格は同等なのにGen5対応という破格の仕様

つまり、ほぼ全ての面でSteel Legendが優れているのだ。にもかかわらず、ROGという響きだけで勧めてくる店員は、残念ながら知識不足であり、信頼に値しない。「ROGだから」「ASUSだから」という思考停止な推しは、プロを名乗る資格がないだろう。

本当にユーザーのことを考えるなら、スペックをきちんと比較検討した上で提案するはずだ。性能とコスパを重視するなら、答えは明白。Steel Legendこそが、このクラスの本命モデルである。

2. MSI B650 TOMAHAWK WIFI

値下げにより現在19,000円前後という歴代最安値で購入できる、実用性重視のアッパーミドル帯コスパ最強マザーボードだ。

14+2+1相という必要十分な電源回路と、大型のヒートシンクにより9950Xの様なハイエンドCPUでも安定して動作できる。
一般的なゲーミングやクリエイター用途では、これ以上の電源品質は必要ないだろう。

実用面で見ると、背面USBは【TypeA ×9、TypeC ×1】と豊富で、Wi-Fi 6EとBluetooth 5.2も搭載。2.5GbE LANやALC4080オーディオなど、必要な機能は全て備えている。フロントパネルType-Cヘッダーも搭載しているため、最新のPCケースにも対応可能だ。

シンプルな黒基調のデザインで、RGB機能も控えめ。派手さはないが、高級感のある仕上がりだ。MSIの安定したBIOS環境も魅力で、初心者でも扱いやすい。

このマザーボードを選んで失敗することはまずないだろう。必要な機能を過不足なく備え、安定性も高く、価格も手頃。
自作PC入門者から上級者まで、誰にでもおすすめできる万能選手だ。
黒構成の自作PCを組みたい人にも特におすすめしたい。

要注意!にわか店員対策

PCショップで「TUFは安定性が高い」と謳い、やたらと「TUFシリーズ」を推す店員を見かけるが、実態は少し違う。
ASUSの特徴として、ROGやMaximusといった高価格帯では確かに素晴らしい性能を誇るが、TUFのような中価格帯になると途端に本領を発揮できなくなる傾向がある。

その顕著な例が対抗モデルの「TUF GAMING B650-PLUS WIFI」だ

  • 同価格のTOMAHAWKが14+2+1相なのに対し、12+2相と控えめな電源フェーズ
  • USB Type-A: TUF 7ポートvs TOMAHAWK 9ポート
  • 少ないファンヘッダとSATAポート

つまり、ASUSの製品は「価格に応じて性能が階段状に制限される」という特徴があるのだ。一方でMSIのTOMAHAWKは、価格帯以上の仕様を詰め込んでくる。

「TUFブランドだから」という謳い文句は、もはやミドルレンジでは通用しない。同価格帯なら、より多くの機能と拡張性を提供するTOMAHAWKの方が賢い選択といえるだろう。

高級マザーボードなら確かにASUSは強い。でも予算20,000円前後なら、TOMAHAWKが圧勝なのは明らかだ。

【A Tier】

1. ASRock B650 PG Lightning WiFi

ASRockの超お手頃モデルPG Lightning WiFiが、値下げにより現在16,000円前後という激安価格で購入できる。
B650マザーボードの最安価格帯でありながら、必要な機能はしっかり押さえた注目モデルだ。

廉価モデルながら、14+2+1相という充実した電源回路を持っており、消費電力の高いRyzen9シリーズでも安心して運用できる。
VRMヒートシンクも必要十分なサイズで、一般的な用途での安定性は確保されている。

特筆すべきは、PCIe 5.0 M.2スロットを搭載しながらこの価格を実現している点。将来の高速NVMe SSDにも対応できる。グラフィックスはPCIe 4.0だが、現行GPU世代では全く問題ない。

シンプルな黒基調のデザインで、RGBは非搭載。実用性重視のユーザーには好ましい選択だろう。ASRockらしい無駄を削ぎ落としたデザインながら、2.5GbE LANやリアルテックALC897オーディオなど、必要な機能は確実に押さえている。

このマザーボードの真価は、コストパフォーマンスにある。低予算でPC構築を考えているユーザーや、シンプルな構成を目指すユーザーにとって、最適な選択肢となるだろう。特にRyzen 5 7600やRyzen 7 7700との組み合わせでは、コスパ最強のゲーミングプラットフォームが実現できる。

人気の理由は明確で、「必要な機能を必要なだけ」という考えに徹底的に寄り添った製品設計だ。オーバースペックを避けることで実現した、究極の実用性重視マザーボードといえる。

2. MSI B650M GAMING PLUS WIFI

実用性重視の超コスパモデル、MSI B650M GAMING PLUS WiFi。
現在16,000円前後という激安価格で購入できる、エントリー帯の実力派マザーボードだ。

10+2+1相という必要最小限ながら十分な電源回路と、標準的なヒートシンクによりRyzen7 7800X3D等のゲーミングCPUを安定して運用できる。一般的なゲーミング用途では、これで十分な電源品質を確保できている。

実用面で見ると、背面USBは【Type-A×7、Type-C×1】と必要十分。Wi-Fi 6EとBluetooth 5.2も搭載し、2.5GbE LANも装備。MicroATXながらM.2スロットを2基確保し、DDR5-6000MHzのメモリにも対応している。フロントパネルType-Cヘッダーも搭載しているため、最新のPCケースにも対応可能だ。

シンプルな黒基調のデザインで、RGB機能は非搭載。実用性重視の仕上がりだ。MSIの安定したBIOS環境は、このクラスでも健在。初心者でも扱いやすい点は評価できる。

このマザーボードの真価は、必要な機能を削らずにこの価格を実現した点にある。特にRyzen 5 7600非Xとの組み合わせで、最強のコスパゲーミングマシンが構築可能だ。省スペース構成を考えているユーザーにも、自信を持っておすすめできる。

要注意!にわか店員対策

ASUS信者店員対策として、対抗モデルの「TUF GAMING B650M-E WIFI」と比較して見よう

  • 電源回路はMSIの方が有利(TUF:8+2+1相 vs MSI:10+2+1相)
  • M.2スロットはASUSの方が将来性あり(1スロットがPCIe Gen5対応)
  • 背面USBポートはASUSが不利(USB 2.0を4ポートも搭載)
  • WiFiチップはMSIの方が高性能(MSI: Wi-Fi 6E & Bluetooth 5.3 / ASUS: Wi-Fi 6 & Bluetooth 5.2)

実用性で見た場合、MSI B650M GAMING PLUS WiFiの方がバランスが良い。特に高性能CPUを使用する場合、電源フェーズ数の多いMSI製品が安定性で有利だ。一方でASUS製品はPCIe Gen5対応M.2スロットを搭載しており、将来的な拡張性では優位に立つ。

価格差は僅かなため、どちらを選んでも大きな失敗にはならないだろう。電源回路とUSBポートを重視するならMSI、将来のストレージ拡張を見据えるならASUSと、自分の用途に合わせて選択するのがベストだ。

【B Tier】

1. GIGABYTE B650 AORUS ELITE AX ICE

古の自作erにはおなじみ GIGABYTE AORUSシリーズのエントリーモデル。白を基調としたデザインが特徴的なB650 AORUS ELITE AX ICEを紹介していく。値下げにより現在23,000円前後で購入できる、フルサイズATX対応の注目モデルだ。

12+2+2相のデジタル電源回路と大型のヒートシンクにより、ハイエンドCPUも安定して動作できる。
一般的なゲーミングやクリエイター用途では、十分な電源品質を確保できている。

実用面で見ると、背面USBは【Type-A×7、Type-C×1】と充実。Wi-Fi 6EとBluetooth 5.2を搭載し、2.5GbE LANも装備。フルサイズATXの利点を活かしてM.2スロットを3基搭載し、最新のDDR5-6400MHzのメモリにも対応。フロントパネルType-Cヘッダーも搭載しているため、最新のPCケースにも対応可能だ。

白を基調としたデザインは高級感があり、特にヒートシンクのICEデザインは目を引く。RGB FUSIONによる豊富なライティング機能も搭載し、見た目重視のユーザーにも応えられる仕上がりだ。

このマザーボードの真価は、フルサイズATXでありながらこの価格帯を実現した点にある。白基調の美しいデザインと実用的な機能を両立し、特に見た目にこだわりたいユーザーにおすすめできる製品だ。

要注意!にわか店員対策

最近のPCショップで「GIGABYTEは避けた方が」と言う若手店員を見かけるが、実態を見てみよう。確かにGPUの亀裂、BIOS不具合、一部のPSU問題、マルウェア問題など、過去には課題もあった。しかし、これらの問題は既に解決済みであり、現行のAM5世代では大きく品質が向上している。

面白いことに、これらの問題を声高に語る店員の多くは、実際の10年以上前のGIGABYTE製品を使用した経験すらない。つまり、ネットの情報や噂を鵜呑みにしているだけなのだ。

B650 AORUS ELITE AX ICEを例に挙げると

  • 12+2+2相という充実した電源回路設計
  • M.2スロットを3基搭載
  • USB Type-A×11、Type-C×1の充実したポート配置
  • デュアルBIOSやQ-Flashなど、長年培った信頼性機能も完備

現在のAORUSシリーズは、過去の教訓を活かして品質管理を徹底。特にAM5世代では、電源回路の安定性やBIOS周りの完成度も大きく向上している。実際、B650世代での不具合報告は他社と比べても少なく、むしろ安定している。

特にB650 AORUS ELITE AX ICEは、同価格帯の「ROG STRIX B650-A GAMING WIFI」と比べても、M.2スロット数や電源回路で優位に立っている。白基調の洗練されたデザインも、もはやROGと遜色ない完成度だ。

知識のある店員なら、過去の問題を理解した上で、現行製品の実力で判断するはずだ。過去の問題を語るだけで現在の進化を知らないのは、むしろ知識不足と言えるだろう。実際の使用経験もないまま、古い評価だけで判断するのは、プロの姿勢とは言えない。

2. ASRock B650M PG Riptide WiFi White

ASRockの新境地、白基調のPG Riptideシリーズを紹介していく。値下げにより現在21,000円前後で購入できる、MicroATXながら高性能な電源回路を備えたコスパモデルだ。

12+2+1相のデジタル電源回路と大型のヒートシンクにより、ハイエンドCPUでも安定して動作できる。
MicroATX ということを考えると十分すぎる電源回路だ。

実用面で見ると、背面USBは【Type-A×7、Type-C×1】と必要十分。Wi-Fi 6EとBluetooth 5.2を搭載し、2.5GbE LANも装備。PCIe 4.0 x16スロットを2基搭載している点は、同価格帯では珍しい仕様だ。DDR5-6000MHzのメモリにも対応し、フロントパネルType-Cヘッダーも搭載している。

白を基調としたデザインは高級感があり、特にヒートシンクの造形は目を引く。Polychrome SYNCによるRGB制御機能も搭載し、見た目重視のユーザーにも応えられる仕上がりだ。

このマザーボードの真価は、21,000円という価格でこれだけの機能を実現した点にある。特に電源回路の充実ぶりは、同価格帯では類を見ない。

要注意!にわか店員対策

PCショップで面白い現象を目にする。「PG Riptideってどんなモデルですか?」と聞くと答えに詰まる店員が少なくない。実はこれ、その店員の知識レベルを測る良い指標となる。

ASRockのマザーボードのラインナップを知らない店員は意外と多いのだ。

  • Taichi(最上位)
  • PG Velocita(準最上位)
  • PG RIPTIDE(アッパーミドル)
  • Pro RS(スタンダード)
  • Phantom Gaming(エントリー)

PG RIPTIDEは、上位から3番目に位置するアッパーミドルレンジモデルだ。にもかかわらず、「ASRockは安いマザーボードしか作ってない」と思い込んでいる店員は、このモデルの存在すら知らない。

実際、B650M PG Riptide WiFi Whiteの仕様は、他社の上位モデルに引けを取らない:

  • 12+2+1相という充実した電源回路
  • PCIe 4.0 x16スロットを2基搭載
  • 白基調の高級感あるデザイン
  • Dr.MOSを採用した本格的な電源設計

つまり、「知らない=語れない」という単純な理由で、このモデルが推されていないのが現状だ。
21,000円という価格で、これだけの機能を実現できているモデルを知らないのは、プロとして残念である。

店頭で相談する際は、「PG Riptideについてどう思いますか?」と聞いてみるのも一案だ。その反応で、店員の知識の深さが分かるはずである。

まとめ

次世代Ryzen 9000シリーズ(ZEN5)に向けて、B650マザーボードは十分な選択肢となる。今回紹介した製品は、将来の高性能CPUにも対応できる電源設計を備えており、特にハイエンドモデルは14+2+1相という充実した電源回路を搭載している。

どの製品も、次世代CPUに向けて十分な性能と拡張性を備えている。予算と用途に応じて、最適なモデルを選択してほしい。特に電源回路の品質は将来の高性能CPUでも重要となるため、できるだけ上位モデルの選択をおすすめする。

※価格は2024年11月時点のものだ。市場の状況により変動する可能性があることは注意してほしい。

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