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【速報】2028年のiPhone、心臓部はIntel製へ?【ニュース解説】

2028年に登場するであろう次世代iPhone(仮称:iPhone 20または21)。

その非Proモデルにおいて、チップ製造の担当がTSMCからIntelへ変更されるという情報が駆け巡っている。

2028年にはApple(AAPL Buy)がIntel 14Aをベースにした非プロ向けスマートフォン向けSoCの受注を獲得すると予想しています。

“We expect more to come and now expect the upcoming win in Apple (AAPL Buy) non-pro smartphone SoC based on Intel 14A for 2028…”

ーSemi Wiki(GF Securities: Intel related update (18A yield, 14A external customer wins, and EMIB developments)

「Intel? あの発熱と電力大食らいのカス?」と眉をひそめた自作PCユーザー諸君!ちょっと待ってほしい!

本記事では、このサプライチェーン再編が意味する技術的背景と、ネット上の噂レベルで混同されがちな「18A」と「14A」の違い、そして我々ユーザーへの実質的な影響について、GearTune編集部が独自の切り口で解説する。

TSMC一強への「高価な依存」を断ち切りたいAppleの思惑

忙しい読者のために、まずは結論を3行でまとめる。

GearTune編集部の視点
  • 目的: AppleによるIntel採用説は、価格高騰を続けるTSMCへの牽制と、地政学的リスク分散のための極めて合理的な「保険」になる。
  • 技術: iPhone向けの本命は「18A」ではなく、その先の「Intel 14A」プロセスである可能性が高い。
  • 影響: 「Intel製=発熱」は設計の話。製造だけなら懸念は「性能」ではなく、Intelが納期通りに歩留まりを出せるかという「生産能力」に尽きる。

「18A」と「14A」を混同してはいけない

今回の騒動の発端は、GF Securitiesのアナリストレポートだ。ここを正確に読み解かないと、技術的な議論が噛み合わなくなる。

最新の情報を整理すると、AppleとIntelのロードマップは以下のように二段構えになっている可能性が高い。

  1. 2027年頃: Mac/iPad向けのMシリーズ(ローエンド)で、「Intel 18A-P」プロセスを試験採用。
  2. 2028年頃: iPhone(非Proモデル)向けのAシリーズで、さらに微細化された「Intel 14A」プロセスを採用。

つまり、iPhoneの話をするなら見るべきは「18A」ではなく、その次世代の「14A」なのだ。

Intel 18AはTSMCの2nm(N2)クラスと競合する「オングストローム世代」の入り口だが、14Aはそのさらに先を行く技術である。

これを非Proモデルに投入するということは、Appleが本気で「マルチファウンドリ(製造工場の分散)」を検討している証拠と言える。

ChatGPTで生成

なぜ「非Proモデル」なのか

Appleの階級社会は残酷だ。

  • Proモデル: コスト度外視。世界最高の歩留まりと実績を持つTSMCの最先端ライン(N2Pなど)を独占。
  • 非Proモデル: 十分な性能があればいい。コスト削減のためにIntelのライン(14A)を使用。

かつてiPhone 6s時代にSamsungとTSMCのチップが混在し、「チップゲート騒動(バッテリー持ちに差があるという検証)」が起きたことを覚えているだろうか?

iPhone 6sの「A9」チップ、製造メーカーによって性能が違う? 調べる方法も(篠原修司) - エキスパート - Yahoo!ニュース
『iPhone 6s/6s Plus』に搭載されている「A9」チップにSamsung製とTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)製があり、このう

歴史は繰り返す、あるいは「Proを買え」というAppleからの無言の圧力かもしれない。


「Intel製=爆熱」という誤解と、真に恐れるべきリスク

PCゲーマーの間で、近年のIntel CPUに対して「電気を食う」「不安定」というトラウマを持つ者がいるのは理解できる。

だが、2028年のiPhoneにおいてそのイメージを直結させるのは、半導体ビジネスの構造を考えると少し短絡的かもしれない。

設計図を書くのはApple、焼くのはIntel

料理に例えよう。

レシピ(回路設計)を作るのは、省電力性能で業界をリードするAppleだ。

Intel Foundry Services(IFS)の役割は、渡されたレシピ通りにシリコンを焼く「調理場」に過ぎない。

x86アーキテクチャの複雑怪奇な命令セットが発熱の原因ではない。

AppleのArmベース設計を、Intelの最新鋭設備(RibbonFETやPowerViaといった裏面電源供給技術)で製造する場合、理論上のワットパフォーマンスはTSMC製と遜色ないレベルになるはずだ。

真のリスクは「Intelが約束を守れるか」

我々が懸念すべきは発熱ではない。Intelのファウンドリ事業が「2028年までにまともな歩留まり(良品率)を出せるか」という一点に尽きる。

Intel 18Aの歩留まりは改善傾向にあるとされるが、TSMCの鉄壁の安定感には遠く及ばない。

もしIntelが予定通りに立ち上がらなければ、Appleはこの計画を紙屑にしてゴミ箱へ放り込むだろう。現状はあくまで「評価中(NDAを結んでPDKをテストしている段階)」であり、決定事項ではないのだ。


iphoneユーザーはどう備えるべきか:2028年までのロードマップ

2028年のiPhone(仮にiPhone 20か21と呼ぼう)に向けて、今後ウォッチすべきは以下の「炭鉱のカナリア」たちだ。

  1. Panther Lakeの出来栄え(2025-2026): Intel 18Aプロセスを採用したPC向けCPUが、予定通りに出荷され、かつ省電力であるか。これが最初の試金石だ。ここで躓くようなら、Apple案件は夢物語で終わる。
  2. TSMCの値上げ幅: TSMCが殿様商売を加速させ、製造コストが高騰し続ければ、Appleは意地でもIntel(あるいはSamsung)へシフトする圧力を強めるだろう。
  3. Mシリーズへの採用(2027): もしMacBook AirやiPadのチップがIntel製になり、それがTSMC製と変わらない性能を示せば、iPhoneへの採用は確定路線となる。

GearTune編集部の意見

「Intelが入ってるiPhone」なんて地雷だ、と騒ぐのは簡単だ。

しかし、競争のない市場は腐敗する。 TSMC一強体制に風穴を開け、コスト競争を促すという意味で、この「青い巨人の逆襲」には期待したいところだ。

もっとも、その結果として非ProモデルのiPhoneが安くなるわけではなく、Appleの利益率が上がるだけだろうが。

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