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動画編集用PCに必要なスペックをちゃんと理解してる?プロが徹底解説!【2025年最新版】

動画編集PC選びで多くの人が失敗する理由はただ一つ。「各工程で、どのパーツが何をしているか」を理解していないからだ。CPU、GPU、メモリ…それぞれの役割は、編集の段階によって全く異なる。

この記事では、難解な解説を一切省き、「結局、どの工程でどのパーツが重要なのか?」が一目でわかるように、プロの知識を表とチェックリストに凝縮した。もうパーツ選びで迷う必要はない。これを読めば、あなたの予算と目的に最適なPC構成が必ず見つかる。

動画編集の全工程と”主役パーツ”が一目でわかるMAP

まず、動画編集における4つの主要な工程と、そこで主役となるPCパーツの関係性を以下の表で頭に叩き込んでほしい。これが全てであり、結論だ。

動画編集 4大工程とパーツの役割MAP

工程何が起きているか?主役パーツ選び方の鉄則
① デコード
(素材取り込み)
撮影した圧縮動画を、編集できる”生データ”に変換する作業。GPU
(ハードウェアデコーダー)
CPUに任せるな! GPUの専用回路で処理させることで、CPU負荷が激減し、動作が軽くなる。
② 編集作業
(カット/エフェクト)
タイムライン上でプレビューしながら、カットやテロップ、エフェクトを追加。GPU (VRAM容量)
CPU (シングルコア性能)
プレビューのカクつきはVRAM不足が原因! 4K編集なら16GB以上を推奨。CPUは操作の応答性を決める。
③ 書き出し
(レンダリング)
編集データを計算し、1本の高画質なマスター動画ファイルを生成する。CPU (コア数)
GPU (レンダリング支援)
CPUのコア数が多ければ多いほど速くなるが、ソフト次第ではGPU性能も要求される
※一部ソフト(After Effects)ではシングルコア性能も重要
④ エンコード
(圧縮/納品)
マスター動画を、YouTube等に最適なサイズへ圧縮する。GPU
(ハードウェアエンコーダー)
速度と画質はGPUの”世代”で決まる! 最新世代ほど高速・高画質。CPUエンコードは高品質だが時間がかかりすぎる。

失敗しない!パーツ選びの黄金律【実践チェックリスト】

上のMAPで全体像を掴んだら、次は各パーツの具体的な選び方を見ていこう。

CPUはレンダリング(書き出し)時間の短縮に最も貢献する。

用途推奨スペック特記事項
フルHD編集6コア12スレッド以上
(Core i5 / Ryzen 5)
基本的な編集なら十分。
4K編集8コア16スレッド以上
(Core i7 / Ryzen 7)
快適な作業環境の最低ライン。
プロ/8K編集16コア32スレッド以上
(Core i9 / Ryzen 9)
書き出し時間をお金で買う選択。

💡TIPS:AVX-512命令とは?
画質最優先でCPUエンコード(ソフトウェアエンコード)を行う場合、この【AVX-512】命令セットに対応したCPU(近年のIntel/AMD製)だと、H.265形式のエンコードが高速化する場合がある。画質に妥協したくないユーザーのみが意識すべきポイントだ。
※ソフト次第ではAVX-512命令に対応していても速度が変わらないので、ベンチマークを確認しよう。

GPUはプレビューの快適さと、エンコード(圧縮)の速度・品質を左右する。

【Point 1】プレビューの快適さはVRAM容量で選べ!

用途 / 解像度推奨VRAM容量
フルHD (1080p)8GB
4K (2160p)16GB以上
8K / 複雑なVFX24GB以上

【Point 2】エンコード品質はエンコーダーの”世代”で選べ!
同じ「RTX」でも世代が違えば、エンコード品質は天と地ほどの差がある。新しいほど高画質で高速だ。

メーカー高画質・高速 (最優先)コスパ (十分実用的)注意 (旧世代)
NVIDIARTX 50シリーズ
 (第9世代 NVENC)
GTX 1650 S 〜
RTX 20・30シリーズ
(第7世代)
※Turing〜Ampere
GTX 1650シリーズ以前
IntelArc Aシリーズ / Core Ultra第12/13/14世代 内蔵GPU第11世代以前
AMDRX 7000シリーズ (VCN 4.0)RX 6000シリーズ (VCN 3.0)RX 5000シリーズ以前

【メモリ】「32GBは人権」と心得よ
メモリはPC全体の作業机の広さ。不足すると全ての動作が遅くなる。

容量用途の目安
16GBフルHD編集の最低ライン。
32GB4K編集のスタンダード。 これが下限。
64GB以上8K編集やAfter Effectsなど、プロの領域。

【ストレージ】「システム用」と「作業用」は必ず分けろ!
ストレージの速度は、素材の読み込みやソフトの起動速度に直結する。

  • システム用SSD: OSと編集ソフトをインストール。NVMe SSD (500GB以上)
  • 作業用SSD: 編集中の素材、プロジェクトファイル、キャッシュ置き場。NVMe SSD (2TB以上推奨)
  • データ保存用: 編集後の動画や素材の保管庫。大容量HDDやSATA SSDでOK。
  • マザーボード: 高性能CPUを安定して動かすための**「VRM(電源回路)」が頑丈なモデル**を選べ。特にi9/Ryzen 9を使うならCPU Vcoreは12フェーズ以上かつ、60A以上の Dr.MOS/SPS必須。
  • 電源ユニット: PCの心臓部。全パーツの合計消費電力に対し、1.5倍程度の容量を持つ高品質な電源(80PLUS Gold認証以上)を選べ。
  • 冷却システム: 高負荷で発生する熱は性能低下の元凶。ハイエンドCPUには高性能な空冷クーラーか、簡易水冷クーラーが必須だ。

まとめ:最高の動画編集PCは「バランス」で決まる

もうお分かりだろうか。動画編集PCの最適解は、単一の高性能パーツでは決まらない。

  • プレビューを滑らかにしたいなら、GPUのVRAM容量に投資する。
  • 書き出し時間を短縮したいなら、CPUのコア数に投資する。
  • 納品用の圧縮を高速化したいなら、最新世代のGPUに投資する。

自分のワークフローの中で、どこに最もストレスを感じているかを見極め、そこを強化するパーツに重点的に予算を配分すること。それこそが、後悔しない「プロ仕様」のPCを手に入れる、唯一にして最高の方法である。

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