PCショップ店員として、ゲーミングキーボードの販売に携わる中で、最も説明が難しい機能の一つがラピッドトリガーだ。しかし、VALORANTやCS2のプレイヤーにとって、これは必須とも言える機能なのだ。
なぜラピッドトリガーが重要なのか
VALORANTやCS2では、「ストッピング」が極めて重要だ。
移動中の射撃は著しく精度が低下するため、止まってから撃つ必要がある。従来のメカニカルキーボードでは、キーが元の位置に戻るまで次の入力を受け付けない。これが、微妙なタイムラグを生む原因となっている。
ラピッドトリガー機能は、このタイムラグを劇的に削減する。キーを離した瞬間に次の入力を受け付けられる状態になるため、物理的に反応が早くなるのだ。
これは従来のメンブレンやメカニカルのキースイッチの駆動方式を表した動画だ。キーストロークを認識させるには、固定されたアクチュエーションポイントを越えるまで押し込む必要があり、逆に次のキーストロークを認識させるには、まず固定されたリセットポイントまで戻すことによりスイッチをリセットする必要があった。例えばメカニカル方式はアクチュエーションポイントが固定(接点の位置が通常2mm前後 銀軸等浅いものは1.2mm)の為、押し込んだ後接点まで戻さないとキーがオフにならないのでストッピング動作に一瞬タイムラグが生じる。
※動画引用:Razer – https://www.razer.com/jp-jp/technology/rapid-trigger-mode
一方でこちらはアクチュエーションポイントを自由に選択できるケース。どれくらい押し込めばキーストロークが認識されるのかを(機種によって異なるが)自由に選択でき、ラピッドトリガーと言われる機能によりキーが上に戻った瞬間にリセットされる。
※動画引用:Razer – https://www.razer.com/jp-jp/technology/rapid-trigger-mode
実際の効果
- 通常のメカニカル:キーが完全に戻るまで待つ必要がある
- ラピッドトリガー:戻り始めた瞬間から次の入力が可能
この差は、特にピーク撃ちや連続したストッピング動作で顕著となる。ミリ秒単位の差が、相手より先に撃てるかどうかを決めるのだ。
なぜAPEXには不要なのか
APEXなど、移動撃ちが基本となるゲームでは、この機能の恩恵をほとんど受けられない。むしろ、通常のメカニカルスイッチの方が安定した入力が可能かもしれない。
まとめ:使ってみな 飛ぶぞ
VALORANTやCS2で真剣に勝負したいなら、ラピッドトリガー機能は必須だ。これは単なるオマケ機能ではなく、ゲームプレイに直結する重要な機能なのだ。
※この記事は販売現場での経験と実際のプレイ経験に基づいています。
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