PCショップ店員として、もう黙ってはいられない。
BTOメーカーの「メモリ16GB」という安易な構成について、ユーザーが知るべき真実を語ろう。
なぜ問題なのか
最近のBTOゲーミングPCで目立つのが、このような構成だ
Core i7-14700F
GeForce RTX 4070
メモリ:16GB (8GB×2)
価格:238,000円
一見、16GBあれば十分に思えるが、実際には
- Windows 11の基本消費:6-7GB
- Chrome/Discord起動時:+3-4GB
- 最新ゲーム:8-12GB
- 配信ソフト:3-4GB
結果、快適な動作に必要な32GBへのアップグレードで、1-2万円の追加費用が必要になる。
BTOメーカーの思惑
なぜこんな構成で販売されるのか
- 見かけの本体価格を抑える
- メモリ増設で利益を確保
- ユーザーは「必要になったら増設すれば良い」と考える
実際のメモリ価格
- 店頭価格:DDR5 32GB kit (16GB×2) = 15,000円程度 ※DDR4の場合8000円程
- BTO増設価格:もともとのメモリ代金込みの本体価格に+15,000円
つまり、メモリ代に実質25,000円かかっている計算だ。
「BTOだから割高なのは当たり前?」そんなことはない。カスタマイズするほど割高になっていく。
この仕組みこそが「カスタマイズ商法」の本質なのだ
特に悪質なのは、初期構成を16GBにすることで、必ず後からメモリ増設が必要になることを見越している点だ。
- 初期構成を意図的に使い物にならないスペックに設定
- 「アップグレード」で必須パーツの価格を水増し
- 後から必ず追加費用が発生する仕組みで儲けている
特に悪質なケース
- DDR5メモリでの商法
- 基本構成:DDR5-4800 16GB
- 推奨構成:DDR5-6000 32GB
- 価格差:約2万円
- ハイエンドCPU x GPU との組み合わせ
- Core i9-14900K x RTX 4070 Ti Super + 16GB
- Ryzen 9 7950X RTX 4070 Ti Super + 16GB
- 本来の性能を全く発揮できない
- 配信向けPCでの詐欺的構成
- 「ゲーム配信OK!」と謳いながら16GB
- 実際には配信するとメモリ不足
対策方法
- 自作を選ぶ
- 32GB kitを自分で購入
- 適切なスペックを選べる
- コストを抑えられる
- BTOを選ぶ場合
- 初期構成で32GB以上の製品を選ぶ
- 後からの増設を避ける
- メモリ単価を計算する
まとめ
メモリ16GBのゲーミングPCは、2024年においてもはや詐欺に近い。
特にハイエンドCPUやGPUと組み合わせての販売は、明らかな性能詐欺と言える。
ユーザーとして賢明な選択は
- 最初から32GB構成を選ぶ
- メモリ増設費用も含めた総額で比較する
- 必要に応じて自作も検討する
どのショップの店員も思っていることだが、RTX 4070 以上のGPUを搭載しているのにもかかわらず、メモリの初期容量が 16GBはあり得ない。
初期容量を32GBにした場合見かけの本体価格は上昇するかもしれないが、ユーザーに不必要なカスタマイズを強要する現在の方式は
「情弱ビジネス」と言わざるを得ない。
最後に一言。「必要になったら増設すれば良い」という考えは、結果的に大きな出費につながる。
賢明なユーザーは、このようなカスタマイズ商法の罠に騙されないでほしい。
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