PCショップ店員として、日々CPUの販売に携わっている。
「どのCPUを選べばいいですか?」というのは、最も多い質問の一つだ。今回は、実際の販売現場での経験を基に、本当におすすめできるCPUを紹介しよう。
コスパ最強の定番モデル
Ryzen 7 5700X
最強のコスパを誇る8コアCPU。2万円台前半で手に入り、DDR4メモリが使えるため、システム全体のコストを大幅に抑えられる。現行の殆どのゲームを快適に動作させられる性能を持ち、特にRTX 4060 Ti以下のGPUとの相性が抜群だ。
Ryzen 5 5600
1万円台で手に入る6コアCPU。フルHDゲーミングなら十分な性能を発揮する。5700Xと同じくDDR4環境で構築でき、予算重視のゲーミングPCには最適な選択肢となる。
RTX 4060やRX7600等の高コスパローミドルGPUと合わせるのがおすすめ。
最新世代の実力派
Ryzen 5 7600
AM5プラットフォームの入門モデル。価格は3万円前後だが、その性能は前世代の上位モデルに匹敵する。
将来性も高く、AM5の恩恵を最も手軽に受けられるCPUだ。
GearTune的に最もおすすめのCPU
Ryzen 7 7700
7600の上位モデル。8コア16スレッドの実力は確か。電力効率も良く、冷却の要件も厳しくない。
高負荷ゲーミングも可能な性能を持つ。
ゲームに限定した場合Ryzen7 9700Xに比肩する性能を持つが、価格差が殆ど無い為Ryzen7 9700Xの方がおすすめ。
※アリエクでCPUを購入する場合はぶっちぎりのコスパを持つ
Ryzen 7 9700X
高クロックと高いシングル性能を誇る新たな定番。ゲーミング以外の用途でも圧倒的な性能を発揮する。
3D V-Cacheの王者たち
Ryzen 7 5700X3D
AM4プラットフォーム最強のゲーミングCPU。大容量キャッシュにより、特にゲーミングでの性能が飛躍的に向上。価格も手頃で、DDR4環境で最強の選択肢となる。
フルHDゲーミングにおいては、低いシングル性能がネックになり通常のRyzen 7000シリーズに劣る場面が見られるが、WQHD以上の解像度に置いては素晴らしい性能を発揮する。
アリエクでは異次元の価格で販売されている。
Ryzen 7 7800X3D
現存するゲーミングCPUのNo.2モデル。競技ゲーマーの定番として君臨する。電力効率も良く、冷却も比較的容易。ただし、本来の性能を引き出すには適切なマザーボードとの組み合わせが重要だ。
ハイエンドの頂点
Ryzen 7 9800X3D
9700Xに3D V-Cacheを搭載したモンスター。価格は高いが、その性能は文句なし。
FPS等の競技ゲーマーに特におすすめなCPUだが、正直一般ゲーマーには9700Xで十分だと思う。
書き忘れていたが、現在品薄で入手できない。2025年以降供給が増えることを祈ろう。
Intel勢の実力
Core i7-14700F
14世代Intelの良心的モデル。8Pコア+12Eコアという構成で、マルチタスクにも強い。電力制限をかければ冷却も容易で、バランスの取れた選択肢となる。
流石Intelと言うべきか多くのゲームと相性が良く、安定した性能を持つ。
例の不具合により価格が下がっているので、コスパは悪くない。コスパは
Core i5-14600KF
オーバークロック可能な最新のミドルレンジCPU。適切な設定で使えば、上位モデルに迫る性能を発揮できる。ただし、電力管理の知識が必要。
不具合さえなければRyzen5 7600とコスパで張り合えた非常に残念なCPU。
IntelとしてはBIOSアップデートで不具合は解消されたとしているので、買ってみても良いかもしれない…
まとめ:最適な選択とは
結局のところ、CPUは用途と予算で選ぶべきだ。
フルHDゲーミングなら
- 予算重視:Ryzen 5 7600
- バランス:Ryzen 7 9700X
- 最高性能:Ryzen 7 9800X3D
WQHD/4Kゲーミングなら
- 予算重視:Ryzen 7 5700X3D
- バランス:Ryzen 7 9700X
- 最高性能:Ryzen 7 9800X3D
最後に強調しておきたいのは、必ずしも「最新」や「最高性能」を選ぶ必要はないということ。自分の用途に合った適切な選択をすることが、最も賢明な判断となるだろう。
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