2025年1月、新世代のB850マザーボードが発売されると言われている。
しかし、新製品の登場を心待ちにしているユーザーには、少し考えてほしいポイントがある。ここでは、実際の性能差や価格を踏まえて、本当に必要な選択について解説していく。
B850マザーボード、本当に必要?
価格面での評価
最新のリーク情報によると、GIGABYTEのB850マザーボードは最安モデルで240ドル(38,000円前後)という価格が予想されている。現行のB650E製品と比較してもかなり割高な設定と言わざるを得ない。
特にコストパフォーマンスに定評のあるGIGABYTE製品でこの価格帯というのは驚きだ。発売から数ヶ月は、高値での価格推移が予想される。
価格動向の予測
- 最安モデルで38,000円前後からのスタート
- 発売初期は高値安定の見込み
- 既存B650E製品より1-2万円高い
性能面での評価
結論から言おう。B850チップセットの実態はB650Eチップセットそのものだ。
なぜそう言えるのか。B850チップセットは既存のB650チップセットをベースとしており、主な変更点はCPU直結のPCIe x16スロットとM.2スロットのGen5対応だけだ。これはすでに市場に存在するB650E製品と同じ仕様である。
確かに次世代製品であることから、細かな製品仕様の向上は期待できる。たとえばメモリの対応クロックは若干向上するかもしれない。しかし、オーバークロック機能を含むその他の基本仕様はほぼ同一であり、実用面での目立った違いを見出すのは難しいだろう。
基本仕様の違い
- CPU直結PCIe x16とM.2がGen5対応
- メモリ対応クロックが若干向上
- その他の仕様はほぼ同一
- オーバークロック機能も変わらず
B650Eが現時点でベストな理由
実性能の高さ
B650E搭載マザーボードは、実質的にB850と同等の性能を持っている。
注目したいのは、B650E製品の多くがアッパーミドルグレードとして設計されており、電源回路等の実性能が非常に高いことだ。
現行製品の実力
- VRMやコンデンサ等の電源回路が充実
- DDR5メモリの高クロック動作にも対応
- 主要メーカーの製品が十分に成熟
- 豊富な実績とレビュー情報
価格の安定性
現在のB650E製品は、市場価格が安定しており、25,000円から40,000円の幅広い選択肢が存在する。
ASUS ROG STRIXシリーズなどの人気ブランド製品も、比較的手頃な価格で入手可能だ。
価格帯の特徴
- ミドルレンジで3万円前後
- ハイエンドモデルでも4万円台
- セール時はさらにお買い得に
- 安定した供給体制
X870/B850が必要なケース
限定的な優位性
X870やB850チップセットも、実はB650と同じ【Promontory 21】というチップをベースにしている。
Gen5対応のB650Eと比較しても、実質的な違いはわずかしかない。
主な違いのポイント
- USB4.0(40Gbps)対応が最大の特徴
- Wi-Fi 7対応製品が多い(一部B650Eも対応)
- ヒートシンクの形状や冷却性能の違い
Gen5 SSDの冷却について
X870マザーボードは、次世代のGen5 SSD対応を謳い、ヒートシンクの大型化や両面ヒートシンク構造等、冷却機構を強化している。恐らくB850マザーボードに関しても同様の機能強化がされると見られている。
これらの強化はGen4 SSDの冷却には十分な効果を発揮するが、Gen5 SSDには力不足だ。Gen5 SSDは発熱量が極めて大きく、実用時には別売りの外付けファン付きクーラーが必須となる。
重要な注意点
PCIe x16スロット Gen5の必要性
PCIe Gen5対応の必要性は、現時点ではほとんどない。RTX 4090ですらGen4の帯域幅を使い切れていない状況で、次世代のRTX 5090でもGen4×16の制限が問題になる可能性は低い。
Gen5 SSDについても、高価格な上に発熱問題があり、現状ではGen4 SSDで十分だ。
初心者向けの重要な警告
B650(E)マザーボードでRyzen 9000シリーズを使用する場合、BIOSアップデートが必要となることがある。
この時、BIOSフラッシュバック機能が搭載されていないと、CPUを認識せずBIOS更新すらできない事態に陥る可能性がある。この機能の有無は購入前に必ず確認しよう。
まとめ:用途に応じた最適な選択を
最後に、用途別の選び方についてまとめよう。
ハイエンド用途ならX870E
最新のUSB4.0やWi-Fi 7など、最高レベルの拡張性を求めるユーザーは、X870Eの選択が賢明だ。
特に
- USB4.0が必要な場合
- 最新の接続規格にこだわる場合
- 予算を重視しない場合
一般・ゲーミング用途はB650E
ゲーミングを含む一般的な用途では、B650Eが最適な選択となる。
価格と性能のバランスが良く、実績も十分だ
- コストパフォーマンスに優れている
- 十分な性能と安定性を確保
- 豊富な製品選択肢がある
初心者の場合は要注意
初心者の場合は、以下の点に特に注意を払って選択しよう
- BIOSアップデート対応の確認
- メーカーのサポート体制
- 購入店舗のサポート状況
最終結論
USB4.0やWi-Fi 7が必須でない限り、現時点ではB650Eマザーボードが最も賢明な選択といえる。
価格も安定しており、実績も十分だ。B850は価格が落ち着くまで様子見をおすすめする。
※この記事の情報は2024年12月時点のものです。
※価格は市場状況により変動する可能性があります。
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