予算20万円の自作構成
パーツ種別 | 製品型式 | 詳細 | 参考最安価格(2024/12/13時点) |
CPU | Ryzen5 7600 Ryzen7 7700(X) | AM5 | 31,980円 48,480円※(X)48,540円 |
CPUクーラー | 虎徹 MARK3 SCKTT-3000 FUMA3 SCFM-3000 MUGEN6 SCMG-6000DBE | 空冷 サイドフロー | 3,500円 5,300円 6,480円 |
グラフィック | RTX 4070 RX 7800 XT | RTX 4070 (12GB) RX 7800 XT (16GB) | 78,980円 76,770円 |
マザーボード | MSI MAG B650 TOMAHAWK WIFI | WiFi/Bluetooth機能付き | 18,980円 |
メモリ | Crucial CP2K16G56C46U5 | DDR5 5600MHz 16GB 2枚組 | 12,480円 |
SSD | Crucial T500 | Gen4 1TB | 12,680円 |
電源ユニット | MSI MAG A750GL PCIE5 | 750W ゴールド認証 7年保証 | 13,980円 |
PCケース | Thermaltake Versa H26 Antec CX700 RGB ELITE Montech XR | ATX | 5,830円 9,321円 7,980円 |
OS | Windows 11 Home | 16,530円 | |
合計 | 192,730円 ~ 217,971円 |
プレイ可能なゲーム
この構成は、フルHDからWQHDまでの快適なゲームプレイを実現できる。フルHDなら240Hz駆動の競技FPSに対応し、WQHDでも高画質設定での安定動作が可能だ。
モンハンワイルズには【RX 7800 XT】が最適解
モンハンワイルズと【RX 7800 XT】は絶妙な相性を見せる。この組み合わせが優れている理由は明確だ。
まず、RX 7800 XTはRadeonの特性がモンハンワイルズと非常に相性が良い。さらに16GBの大容量VRAMと広いメモリバス幅により、高解像度テクスチャをストレスなく扱える。この2つの要素が重なり、RTX 4070と比較しても優れたパフォーマンスを発揮する。
RTX 4070も決して悪い選択肢ではない。12GBのVRAMは十分な容量だし、DLSS3の恩恵も受けられる。しかし、同価格帯で比較した場合、純粋な描画性能でRX 7800 XTに及ばず、コストパフォーマンスでは一歩譲る形となる。
モンハンワイルズでの快適なプレイを目指すなら、コスパと性能を両立したRX 7800 XTを強くおすすめする。
Ryzen 7000シリーズは【末尾X】無しがおすすめ
ゲーミング用途において、Ryzen 7000シリーズCPUを選ぶ場合注意が必要だ。
Ryzen 7000シリーズでは、ゲーミング性能において末尾X付き(TDP105W)と末尾X無し(TDP65W)の性能差はほとんど無い。
これは通常のゲームではTDP65Wの非Xモデルでも十分な性能を発揮できるためだ。さらに、将来的により高い性能が必要になった場合はPBO(Precision Boost Overdrive)機能で調整が可能だ。つまり価格差を考えると、非Xモデルの方がコスパが良い。この差額は他のパーツに回した方が賢明だろう。
※【末尾X付き】CPUを使用する場合、CPUクーラーは1ランク上げよう。
マザーボードは【B650】がおすすめ
Ryzen7000シリーズのCPUを使用する場合、B650チップセット搭載マザーボードを選択するのが賢明だ。
確かにX870製品も登場したが、ご祝儀価格で割高な製品を選ぶ必要性は見当たらない。特にPCIe Gen5対応は現時点では恩恵が少なく、その分高機能なB650チップセット搭載マザーボードを選ぶ方が賢明な選択となる。
特におすすめなのが【MSI MAG B650 TOMAHAWK WIFI】だ。VRMの品質や基板の作りも良く、必要十分な機能を詰め込みながら価格を抑えており、コストパフォーマンスは文句なしだ。上位モデルにあるような派手な機能は省かれているが、実用性を重視したユーザーにとってはむしろメリットと言える。
DDR5メモリはクロック周波数が重要
DDR5メモリはクロック周波数と容量の両方が重要だ。Ryzen 7000シリーズでは最低でも32GB構成を推奨する。クロックは安定性重視なら5600MHz、極限性能を求めるなら6000MHzを選択しよう。5600MHzでも十分な性能を発揮でき、価格も2,000-3,000円ほど安くなる。
VRAMが弱体化された【RTX 4070】は微妙な性能
ゲーミングGPUで見落とされがちなのがVRAM容量とその帯域幅だ。
【RX 7800 XT】は16GBのGDDR6メモリを搭載し、対する【RTX 4070】は12GBのGDDR6に留まる。以前のRTX 4070はGDDR6Xを採用しており高速なメモリ速度を誇っていたが、現行モデルはGDDR6への格下げによりそのメリットも失われた。一方で【RX 7800 XT】は広いメモリバス幅により、GDDR6でありながら優れたメモリバンド幅を実現している。この差は特にWQHD以上の解像度で顕著となり、高解像度テクスチャを使用するモダンゲームでは【RX 7800 XT】が明確な優位性を持つ。
AFMFを使用したフレーム補完やAV1エンコードにも対応し、性能面では文句なしの選択だ。
このように総合性能では【RX 7800 XT】が明確に優位だが、自作PC初心者に対しては、豊富な情報量とトラブル発生時の対処のしやすさから、GeForce(RTX 4070)も選択肢として残しておきたい。NVIDIAのドライバは安定性が高く、トラブルシューティングも比較的容易だ。
SSDは容量より速度!Gen4対応の【Crucial T500】が最適解
ストレージ選びで重要なのは、実は容量よりも速度だ。DirectStorage対応の最新ゲームでは、NVMe SSDの真価が問われる。
今回選んだ【Crucial T500】は、読み取り7400MB/s、書き込み7000MB/sという爆速性能を持ちながら、価格は12,680円と破格の値付けとなっている。
電源やCPUクーラーと同様、SSDは次の自作PCでも流用できる部品だ。その意味でも、安物を買って後悔するより、少し良いものを選んでおく方が賢明だ。
電源容量は750Wがおすすめ
システムの安定性を考慮すると、電源は750Wの製品を選択するのが最適だ。
この容量であれば、今回の構成はもちろん、将来的なパーツ交換にも十分な余裕を持って対応できる。
特におすすめなのが「MSI MAG A750GL PCIE5」だ。
ゴールド認証と7年保証を備えた750W電源で、同クラスの電源ユニットの中でも特に高い品質を誇る。
同クラスの電源の中では、コストパフォーマンスも優れている。
RTX 4070の場合650Wでも十分な余裕があるが、将来的なCPUアップグレードやPBO機能の使用を考慮するなら、750Wを選んでおくのが賢明だ。一方、RX 7800 XTを使用する場合は必ず750W以上の電源を選ぶ必要がある。このGPUは冷却能力が許す限り自動で限界までブーストするため、瞬間的な消費電力は300Wを超えることもある。ただし、ドライバーで簡単に電力制限をかけられるので心配はいらない。電力、電圧、クロック制限をかけても【RTX 4070】より十分な性能を発揮できるからだ。
※ドスパラの電源容量計算ツールを使うと、今回の構成では容量不足と表示されることがある。しかし、これは実際の消費電力よりも大幅に余裕を持った計算をしているため、実使用では全く問題ない。
より正確な電源容量を知りたい場合は、FSPやMSIが提供している電源計算ツールの利用をおすすめする。これらのツールは実際の消費電力に近い、より現実的な計算結果を提供してくれる。
PCケースは【ATXマザーボードが入れば】何でもOK
PCケースは個人の好みで選んで構わない。
価格重視ならVersa H26が最適だ。組立てやすさと実用的な冷却性能を備え、初自作に最適な選択肢となる。
一方、見た目重視なら【Antec CX700 RGB ELITE】を強くおすすめする。価格は9,000円前後とATXサイズのピラーレスケースとしては破格だ。6基のRGBファンを標準搭載し、美しいピラーレスデザインと360mmラジエータの搭載にも対応する。特徴的な逆向きファン搭載により、見た目の美しさも際立つ。
特にグラフィックボードに【RX 7800 XT】を選ぶ場合は、その発熱量を考慮して【Antec CX700 RGB ELITE】が最適だ。ただし、付属のRGBファンはペリフェラル接続のため、ライティングや回転数の制御はできない。しかし、初心者にとってARGB配線は難易度が高いため、これはむしろメリットとも言える。シンプルな接続で華やかな見た目が実現できるからだ。
もう一つの選択肢として【Montech XR】も注目に値する。ライティングと回転数の制御が可能なARGBファンを3基標準搭載しており、本格的な光と風量のカスタマイズが可能だ。ただし、ARGBとPWMファンケーブルをデイジーチェーンで接続する場合、裏面の配線が複雑になりやすいため、配線作業には多少の注意が必要となる。
まとめ:20万円で実現する本格ゲーミングマシン
今回紹介した構成は、フルHDからWQHDまでカバーする高性能マシンだ。フルHDでは競技FPSを240Hz駆動で楽しめ、WQHDでも大作ゲームを高画質設定で安定動作させられる。用途に応じて以下の選択肢を提案する。
CPUは非X版で十分
Ryzen 5 7600なら3万円台、より高性能なRyzen 7 7700でも5万円以下で手に入る。
PBO機能があるため、末尾X付きモデルを選ぶ必要性は低い。
メモリは32GB/5600MHz構成がベスト
DDR5メモリは32GB以上を推奨。5600MHzでも十分な性能が出せ、安定性も高い。差額を考えると、6000MHz以上の製品を選ぶ必要性は低い。
グラフィックボードは用途で選択
- 性能重視:RX 7800 XT
- 安定性重視:RTX 4070
特に初めての自作PCなら、豊富な情報量を持つNVIDIA製品も検討に値する。
周辺パーツも重要
- マザーボード:B650 TOMAHAWK WIFIの完成度が圧倒的
- 電源:750W/ゴールド認証で将来性も確保
- SSD:Gen4対応のCrucial T500で快適な動作を実現
20万円という予算は、長期運用を見据えた際に必要十分な投資額だ。特にメモリとVRAM容量に余裕を持たせることで、今後の大作ゲームやパーツ換装にも対応できる。コスパだけでなく、実用性と将来性を両立した、真の意味での「ハイエンド」構成と言えるだろう。
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