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【速報】RX 9060 XTは8GBと16GBの2モデル展開へ – Acer製品のEEC登録から判明、NVIDIA RTX 5060 Tiと同様の戦略か【2025年3月最新情報】

AMDの次世代エントリーGPU「Radeon RX 9060 XT」が8GB16GBの2つのVRAM構成で展開される可能性が高まった。Acer社がユーラシア経済委員会(EEC)に登録した製品リストから、同社のPredator BifrostシリーズにRX 9060 XTの8GB版と16GB版が含まれていることが明らかになった。これはNVIDIAのGeForce RTX 5060 Tiと似た展開戦略となる。

EEC登録で明らかになったモデル構成

@harukaze5719が発見したEEC登録リストによると、Acer社は以下のモデルを登録している

  • Predator Bifrost RX 9060 XT OC 16G
  • Predator Bifrost RX 9060 XT OC 8G
  • AN-RX9060XT-16G-OCC
  • AN-RX9060XT-8G-OCC
  • PB-RX9060XT-16G-OCC
  • PB-RX9060XT-8G-OCC

コード名の「AN」はAcer Nitroシリーズ、「PB」はPredator Bifrostシリーズを示している。どちらもエントリーからミドルレンジのゲーミングPC向け製品ラインナップだ。

発売時期と位置づけ

AMDは先週2月28日の北京で開催されたRDNA 4カンファレンスで、RX 9060シリーズの発売時期を2025年第2四半期(4-6月)と発表している。これは4月頃に予定されているNVIDIAのRTX 5060 Tiの発売とほぼ同時期となる。

特に興味深いのは、AMDがNVIDIAと同様に8GBと16GBの2つのVRAM構成を用意している点だ。RTX 5060 Tiも16GB版が先行発売され、後から8GB版が追加される予定とされている。

RX 9060 XTの予想スペック

TechPowerUpのGPUデータベースによると、RX 9060 XTの仕様は以下のように予想されている

  • GPU: Navi 48 LE(フルスペックのNavi 48の縮小版)
  • メモリ: GDDR6
  • メモリインターフェース: 128-bit
  • TDP: 150W

ただし、当初データベースには12GB VRAMモデルが記載されていたが、EEC登録では8GBと16GBのみが確認されている。AMD側で製品構成を見直した可能性もある。

市場への影響

RX 9060 XTの登場は、ミドルレンジからエントリークラスのGPU市場に大きな影響を与える可能性がある。特に

  1. 16GBモデルの存在: 近年のゲームでVRAM要求が増加している中、16GBという大容量VRAMを搭載した比較的手頃な価格帯のGPUは、長期的な使用を考えるユーザーにとって魅力的な選択肢となる。
  2. 価格競争の激化: NVIDIAのRTX 5060 Tiと直接競合することで、この価格帯での価格競争が活発化し、消費者にとって有利な市場環境が生まれる可能性がある。
  3. 選択肢の多様化: 同一GPUで8GBと16GBの選択肢があることで、予算や用途に応じた細かな選択が可能になる。

価格予想

公式の価格発表はまだないが、市場ポジショニングから考えると

  • RX 9060 XT 16GB: 350~400ドル(1ドル150円換算で約5.3~6万円)
  • RX 9060 XT 8GB: 300~350ドル(1ドル150円換算で約4.5~5.3万円)

という価格帯になると予想される。これはRTX 5060 Ti 16GB(400~500ドル)と比較してやや安価な設定となる。

Navi 44アーキテクチャの採用?

リークではRX 9060シリーズにはNavi 44という新しいGPUシリコンが採用されるという情報もある。これはRX 9070/9070 XTで使用されているNavi 48の縮小版ではなく、エントリークラス向けに設計された別チップの可能性がある。

TechPowerUpのデータベースには「Navi 48 LE」という情報があるが、これがNavi 44の誤記なのか、実際にNavi 48の縮小版が使われるのかは現時点では不明だ。

筆者のコメント

AMDがRX 9060 XTで8GB/16GBの2パターンを用意するという情報は、現在のGPU市場の需要を反映した戦略と言える。近年のゲームタイトルではVRAM要求量が急速に増加しており、最低でも8GB、できれば12GB以上のVRAMが望ましいとされている。

特に「モンスターハンターワイルズ」や「サイバーパンク2077」などの大型タイトルでは、高解像度テクスチャパックを使用する場合12GB以上のVRAMを必要とするケースも珍しくない。そうした状況下で、ミドルレンジGPUにも16GBという大容量VRAMを搭載するオプションを用意することは、長期的な使用を考えるユーザーにとって大きなメリットとなるだろう。

ただし、気になる点もある。特に128bitという狭いメモリバス幅は、大容量VRAMの恩恵を最大限に受けるには制約となる可能性がある。NVIDIAのRTX 5060 Tiも同様の課題を抱えているが、AMD側もGDDR6のメモリクロックアップや最適化によってこの制約をどこまで緩和できるかが、実性能に大きく影響するだろう。

また、RX 9060 XTの大きなアドバンテージとなりうるのは、発売時の「入手のしやすさ」だ。すでに発売されたRTX 50シリーズは深刻な供給不足が続いている。RX 9070シリーズと同様に、RX 9060シリーズも十分な供給量が確保できれば、これだけでも大きな市場優位性になる可能性がある。

最終的な判断は4月頃の正式発表と、第三者によるベンチマークレビューを待つことになるが、現時点では「価格」「VRAM容量」「供給量」という三つの要素で、AMD RX 9060 XTがRTX 5060 Tiに対して優位に立てる可能性は十分にあると言えるだろう。

※本記事はEEC登録情報、およびVideoCardz、Wccftechのニュースをベースにしています。最終的な製品仕様や価格は正式発表までは変更される可能性があります。

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