NVIDIAの新型GPU「GeForce RTX 5070 Ti」の性能が、ベンチマークデータベースから流出。予想を上回る高性能ぶりが明らかになり、GPU市場に衝撃が走っている。
驚異的なベンチマーク結果
Geekbench OpenCLでの性能スコア
- RTX 5070 Ti:248,739点
- RTX 4070 Ti SUPER:222,922点(約11.6%の差)
- RTX 4080 SUPER:247,099点(約1%の差)
- RTX 4080:240,063点(約3.6%の差)
- RTX 5080:259,152点(約4%の差)
特筆すべきは、999ドルのRTX 5080との僅か4%という僅差だ。これは749ドルという価格を考えると、驚異的なコストパフォーマンスと言える。
判明した詳細スペック
- GPU:GB203-300-A1(RTX 5080と同一ダイ)
- CUDAコア:8,960基
- ブーストクロック:2.45GHz
- VRAM:16GB GDDR7
- メモリバス幅:256-bit
- メモリ帯域幅:896GB/s
- TDP:300W
性能向上の要因
革新的なGDDR7メモリ
- メモリ帯域幅がRTX 4070 Tiから78%向上
- 16GBの大容量VRAMを採用
- 28Gbpsという高速なメモリクロック
Blackwellアーキテクチャの進化
- レイトレーシング性能が前世代比20%向上
- DLSS 4 MFG有効時は最大2倍の性能向上
- 電力効率も改善(TDPは300Wに抑制)
市場での位置付け
2月20日の発売を予定しており、価格は749ドル(日本価格14万8,800円)からとなる。
実際には14万8,800円を大きく上回る販売価格になると予想されるため、
品薄以前のRTX 4070 Ti SUPERや4080 SUPERと比較すると割高感は否めない。
注目すべき点
- Founders Editionの設定なし(AIBモデルのみ)
- AMDのRX 9070シリーズと同時期に発売
- DLSS 4による大幅な性能向上
- 直接的な競合モデルであるRX 9070 XTに対し、価格性能比で劣る可能性が高い
ベンチマーク環境の詳細
テストシステム構成
- CPU:Ryzen 7 9800X3D
- マザーボード:ASUS ProArt X870E-CREATOR WIFI
- メモリ:DDR5-6000 32GB
- GPU動作クロック:最大2,482MHz
市場への影響
RTX 5080とほぼ同等の性能を250ドル安い価格で実現できる点は、GPU市場に大きな影響を与える可能性が高い。特に以下の点が注目される
- RTX 5080の存在意義が失われる可能性
- AMDのRX 9070シリーズとの競争激化
- 中古市場への影響(特にRTX 4080/4090)
まとめ
RTX 5070 Tiは、単なる前世代からの進化を超えた革新的な製品となる可能性が高い。特にRTX 5080に迫る性能を、より手の届きやすい価格で実現している点は高く評価できる。
前世代のRTX 4080 SUPERからの性能向上は控えめだが、以下の点で優位性を持つ
- 価格性能比の大幅な改善
- GDDR7採用による帯域幅の向上
- DLSS 4 MGFによる実質的な性能向上
2月20日の発売を控え、初期供給量の確保が気になるところだが、価格と性能のバランスから見て、2025年前半の売れ筋モデルになることは間違いないだろう。
筆者のコメント
これまでのNVIDIAのミドルレンジモデルは、上位モデルとの差別化のため、意図的に性能を抑制される傾向にあった。しかし今回のRTX 5070 Tiは、上位モデルに迫る性能を持つことが許容されている。
この背景には、AMDのRX 9070シリーズの存在が大きいだろう。競合の高性能化に対抗するため、NVIDIAも性能を重視した製品設計を選択したと考えられる。
ただし、実売価格が高騰する可能性は否定できない。特に国内では、為替の影響も加わり、予想以上の高値となる可能性もある。購入を検討する場合は、発売直後の価格動向を注視する必要があるだろう。
※本記事はGeekbenchデータベースおよび各種報道に基づいています。正式な性能は発売後の検証をお待ちください。
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