AMDが次世代GPU「Radeon RX 9000」シリーズで極めて攻撃的な価格戦略を取ることが明らかになった。NVIDIAのRTX 5070 Tiに対して大幅な価格差を設けつつ、同等の性能を実現する見込みだ。
価格戦略の詳細
RX 9070 XTの予想価格構成
- 米国価格:599ドル
- RTX 5070 Ti比:150ドル安(約2.2万円)
- 日本価格:11万円前後か
この価格設定により、現行のRX 7800 XT(米国価格499ドル)への影響も懸念され、AMDは当初2025年第3四半期までとしていた生産を1月で早期終了することを決定した。
主要スペック
RX 9070 XT
- GPU:Navi 48
- コア数:4,096基
- コアクロック:2.97GHz
- VRAM:16GB GDDR6
- メモリ帯域:640GB/s
- 消費電力:約300W
RX 9070
- GPU:Navi 48
- コア数:3,584基
- コアクロック:2.52GHz
- VRAM:16GB GDDR6
- メモリ帯域:640GB/s
性能と技術革新
- RDNA 4アーキテクチャによる大幅な性能向上
- レイトレーシング性能が前世代比で飛躍的に向上
- FSR 4技術のサポート
- 16GB大容量VRAMを標準搭載
コスパ最強のゲーミングプラットフォーム
AMDはRyzen 7 9800X3D(479ドル)と組み合わせることで、約1,000ドルの高性能ゲーミングプラットフォームを実現。これはIntelのCore Ultra 9 285KとRTX 5090の組み合わせ(2,600ドル超)と比較して圧倒的なコストパフォーマンスとなる。
市場への影響と購入判断のポイント
既存ユーザーへの影響
現行のRX 7800 XTユーザーには、早期の生産終了による将来的な価値変動が予想される。特に
- 中古市場での価格下落の可能性
- サポート期間への影響
- パーツ供給の長期的な懸念
購入検討者への影響
RX 7800 XTの購入を検討していたユーザーは、以下の選択を迫られることになる
- 現行モデルの早期購入による確実な入手
- RX 9070シリーズの発売まで待機
- 競合のRTX 5070シリーズの検討
価格帯による市場の変化
- 599ドルという価格設定により、500-600ドル帯の製品群が再編成
- RTX 5070 Ti(749ドル)の価格設定が過度に高額に
- 中古RX 7800 XTの急激な値下がりの可能性
長期的な市場予測
- ミドルレンジGPU市場での価格競争激化
- NVIDIAの対抗的な価格改定の可能性
- AMD製品の性能/価格比における優位性の確立
この市場変動は、特に価格重視のゲーマーにとって重要な選択の機会となるだろう。3月の発売を前に、慎重な購入判断が求められる。
まとめ
AMDの攻撃的な価格戦略は、高騰が続くGPU市場に新たな風を吹き込む可能性を秘めている。特に注目すべきは、RTX 5070 Tiと同等の性能を150ドル安い価格で提供する点だ。これはNVIDIAの価格設定の妥当性に一石を投じるものとなるだろう。
また、FSR 4の採用やレイトレーシング性能の向上は、AMDが性能面でもNVIDIAに真っ向から挑戦する姿勢を示している。価格と性能の両面での競争が活発化することで、ゲーマーにとって真の選択肢が生まれることが期待される。
筆者のコメント
近年、NVIDIAは意図的な供給制限による価格のつり上げが指摘されており、ユーザーからの不満が高まっている。AMDの積極的な価格戦略は、こうした状況を打開する可能性を秘めている。特にRX 9070シリーズの十分な供給量が確保できれば、GPU市場の健全化に大きく貢献するだろう。
※本記事はIT HomeおよびMoore’s Law is Deadの報道に基づいています。価格は地域により異なる可能性があります。
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