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【警告】RX 9070シリーズは初回出荷分のみが定価 – 小売店が「第2ロットからは値上げ」と明言、MSRP適用は「数百台のみ」【2025年3月最新情報】

AMDの新世代GPU「Radeon RX 9070/9070 XT」が本日3月7日に発売されるが、初回出荷分が売り切れた後は大幅な値上げが予定されていることが複数の小売店から明らかになった。豊富な供給量があるとされていたRX 9070シリーズだが、MSRP(希望小売価格)で購入できるのは「限られた数のみ」という事実が浮き彫りになってきた。

「MSRP価格は初回出荷分のみ」と小売店が説明

スウェーデンの大手小売チェーン「INET」が自社サイトで、RX 9070シリーズの価格構造について詳細な説明を公開。同店によれば、MSRPはあくまで「初回出荷分のみに適用」され、第2ロット以降は値上げされるという。

INET社は次のように説明している

「AMD Radeon RX 9070/9070 XTの発売価格に関する仕組みを確認しました。発売前に具体的な価格は言えませんが、簡単に言えば、希望小売価格(MSRP)は限られた枚数のカードにしか適用されません。」

「この希望小売価格は各モデルの最初の入荷分だけに適用されます。SapphireとASUSに関しては普通通り、当店には1回分の入荷しかないので、その在庫がなくなるまで購入できますが、PowerColorの場合は状況が異なります。」

「PowerColorの2回目の入荷分はすでに待機状態ですが、これらは希望小売価格では提供できません。つまり、最初はReaperモデルを希望小売価格で販売し、在庫は通常通り減っていき、最初の入荷分が全て売れるまでこの価格が続きます。その後、少し時間をおいて在庫が新しいカードで補充され、Reaperカードを再び注文できるようになりますが、今度は希望小売価格では販売されません。」

英国の小売店も同様の見解

英国の大手小売店「Overclockers UK」のAndrew Gibson氏も、同様の状況を確認している

「当店ではSapphireから約2000枚、PowerColorから1000枚、Asrockから1000枚を実際に在庫として持っています。数日間は在庫状況に問題はないでしょう。ただし、希望小売価格が適用されるのは数百枚だけで、それらが売り切れたら価格は上がります。」

これは昨日同社が「ボーグキューブ」と称して大量在庫をアピールしていたことと対照的だ。大量の在庫は確保されているものの、MSRP価格で購入できるのは「数百台のみ」という事実が判明した形だ。

MSRP価格で販売される予定のモデル

現時点で以下のモデルがMSRP価格で発売される予定とされている

  • PowerColor Reaper (RX 9070/9070XT)
  • Sapphire PULSE (RX9070/9070XT)
  • ASUS PRIME (RX9070/9070XT)
  • XFX SWIFT (RX9070/9070XT)

ただし、これらも初回出荷分のみがMSRP価格となり、追加出荷分は値上げされる見込みだ。

値上げ幅はどの程度に?

現時点では具体的な値上げ幅は不明だが、一部の小売店ではすでにRX 9070 XTの上位モデルが最大849ドル(約12.7万円)で出品されている。これはMSRP(599ドル、約9万円)と比較して250ドル(約3.8万円)も高い。

INETの情報に基づくと、第2ロット以降のRX 9070 XTはカスタムAIBエディションで800ドル(約12万円)以上に簡単に到達する可能性がある。初期在庫が売り切れた後、各メーカーはより高い価格で第2ロットを出荷する予定だ。

市場への影響

RTX 50シリーズと比較すると、RX 9070シリーズの供給量は依然として「はるかに優れている」と評価されているが、需要が非常に高く、十分なカードがないため、AIBパートナーと小売店はこの状況から利益を得る可能性が高い。

特に最初のロットが数日で売り切れると予想されるため、実質的にはRTX 50シリーズと同様の価格高騰が発生する可能性が高い。ただし、Overclockers UKによれば、4月以降の価格や在庫状況は「世界情勢の不安定さ」により予測が難しいという。

筆者のコメント

RX 9070シリーズについて「大量の在庫確保」「定価での販売」というポジティブなニュースが続いていただけに、これは残念な展開だ。確かに、RTX 50シリーズと比較すれば大量の初期供給があるものの、結局は「MSRP価格は初回出荷分のみ」という現実は、GPU市場の根本的な問題が解決されていないことを示している。

興味深いのは、このような価格構造が事前に明かされている点だ。これまでは「定価で販売」と謳いながら、実際には入手困難で転売価格が高騰するという展開が一般的だったが、今回は「初回出荷分のみが定価、第2ロットからは値上げ」と正直に告知されている。これは小売店やAIBパートナーのビジネスモデルがより透明になったとも言える。

現実的なアドバイスとしては、RX 9070シリーズの購入を検討しているなら、初回出荷分をMSRPで入手するチャンスを狙うべきだろう。ただし、「数百台のみ」という制限があるため、発売日の瞬間に購入行動を起こす必要がある。また、値上げ後の価格でもRTX 5070 Tiよりは安い可能性が高いため、比較検討する価値はあるだろう。

MSRP適用が「数百台のみ」という現実は、一般消費者にとっては厳しい状況だが、少なくとも「在庫がある」という事実は、RTX 50シリーズの「在庫すらない」状況よりは良いと言えるかもしれない。それでも、GPU市場の健全化にはまだ遠い道のりがあると言わざるを得ない。

※本記事はINET、Overclockers UK、およびVideocardz、Wccftechの情報に基づいています。実際の価格や在庫状況は地域や時期によって異なる場合があります。

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