AMD「Radeon RX 9070/9070 XT」シリーズがNVIDIA「GeForce RTX 5070」シリーズを価格と性能の両面で圧倒していることが、国内主要ショップの販売価格から明らかになった。モンハンワイルズなどの人気ゲームでより高いフレームレートを実現しながら、多くのモデルでRTX 5070より安価というコスパモンスターぶりを発揮している。問題を抱えるRTX 50シリーズではなく、なぜRX 9070シリーズがベストバイなのか、価格と性能の両面から徹底検証する。
目次
価格比較:RX 9070 vs RTX 5070
最低価格モデル比較
- RX 9070 最安値: 103,800円(玄人志向、ASUS Prime、Sapphire PULSE)
- RTX 5070 最安値: 108,800円(Palit GamingPro)※在庫切れ
- RTX 5070 在庫あり最安値: 121,800円(GAINWARD)
価格差: 5,000円~18,000円安い
Palit製のRTX 5070が108,800円という比較的リーズナブルな価格設定ではあるものの、「在庫なし」という状況が続いている。実際に購入可能な最安値で比較すると、RX 9070はRTX 5070より約15%安価という驚異的なコストパフォーマンスを実現している。同等以上の性能でこれだけの価格差があれば、選択肢は自ずと絞られてくる。
ハイエンドモデル比較
- RX 9070 ハイエンド: 139,800円(Sapphire NITRO+)
- RTX 5070 ハイエンド: 169,800円(ASUS TUF Gaming)
価格差: 30,000円安い
ハイエンドモデルになると、その差はさらに広がる。約18%の価格差は、グラフィックカード以外のパーツアップグレードにも充てられる余裕が生まれる大きな違いだ。
価格比較:RX 9070 XT vs RTX 5070
- RX 9070 XT 最安値: 112,980円~(玄人志向、ASUS Prime、Sapphire PULSE)
- RTX 5070 標準モデル: 129,800円~144,800円
価格差: 最大31,820円安い
RX 9070 XTはRTX 5070よりも高性能でありながら、最大25%も安いという圧倒的なコストパフォーマンスを実現している。特にモンハンワイルズなどの人気タイトルでは、RTX 5070よりも大幅に高いフレームレートを記録している。
「在庫あり」という決定的な違い
特筆すべきは、RX 9070シリーズは多くのモデルが「在庫あり」状態なのに対し、RTX 5070シリーズでは比較的安価なモデルほど「在庫なし」の状態が続いていること。Palit製の108,800円モデルも「在庫なし」となっており、実際に購入できるモデルは12万円以上のものがほとんどという現状だ。
「最高のグラフィックカードは実際に購入できるグラフィックカード」という言葉があるように、いくら性能が良くても、入手不可能では意味がない。この点でもRX 9070シリーズの優位性は明らかだ。
RTX 5070 Tiの深刻な供給不足
RTX 5070 Tiは発売から1ヶ月以上が経過した今でも、以下のような状況が続いている
- 主要ショップでは「在庫なし」表示が常態化
- 入荷しても数時間で完売
- ツクモやソフマップでは抽選販売のみ
- ヤフオクなどでは定価の1.5~2倍で転売
このような状況では、いくら性能が良くても「購入検討できる製品」とは言い難い。
メモリ容量の決定的差
もう一つの重要な違いはVRAM容量だ
- RX 9070/9070 XT: 16GB GDDR6
- RTX 5070: 12GB GDDR7
4GBの容量差は、特に高解像度テクスチャを使用する最新ゲームや将来のゲームタイトルにおいて大きな差となる可能性がある。GDDR7の高速性は魅力だが、容量不足はどんなに高速なメモリでも補えない。
特に「モンスターハンターワイルズ」の高解像度テクスチャパックや「サイバーパンク2077」のレイトレーシング設定などでは、VRAM使用量が12GBを超えるケースも報告されており、16GBの余裕は無視できない優位性だ。
モンハンワイルズでの性能差
特に注目すべきは、現在最も人気のあるタイトルの一つ「モンスターハンターワイルズ」での性能差だ。
これは、FSR 4というAMDの最新アップスケーリング技術の優位性も一因だが、RDNA 4アーキテクチャ自体の性能の高さも示している。
RTX 50シリーズが抱える問題
RTX 5070シリーズの高価格と供給不足に加えて、以下のような問題も報告されている
- ROP欠損問題: 一部モデルで公称よりも少ないレンダー出力ユニットが搭載
- ブラックスクリーン問題: DisplayPort接続時に画面が黒くなる症状が報告
- 供給不足: 多くのモデルが品薄状態で、価格高騰が続いている
- 電源コネクタ問題: 12V-2×6コネクタの発熱問題が指摘されている
一方、RX 9070シリーズではこれらの問題は報告されておらず、安定した動作と豊富な供給量が確保されている。特に長期間使用するグラフィックカードにおいて、安定性は非常に重要な要素だ。
RX 9070シリーズを選ぶべき5つの理由
- 圧倒的な価格優位性: 同等以上の性能で最大3万円以上安い
- 大容量16GB VRAM: 将来的なゲームにも余裕で対応
- FSR 4技術: 最新の機械学習ベースアップスケーリングで高画質と高フレームレートを両立
- 安定した供給: 多くのモデルが「在庫あり」状態
- 問題の少なさ: RTX 50シリーズで報告されている各種問題がない
おすすめモデルピックアップ
RX 9070(無印)なら
- 玄人志向 RD-RX9070-E16GB/TP: 103,800円
- Sapphire PULSE AMD Radeon RX 9070: 103,800円
RX 9070 XT なら
- ASUS Prime Radeon RX 9070 XT OC Edition: 112,980円
- Sapphire PULSE AMD Radeon RX 9070 XT: 112,980円
性能重視なら
- Sapphire NITRO+ AMD Radeon RX 9070 XT: 152,801円
- ASRock AMD Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC: 143,800円
筆者のコメント
今回の価格比較で明らかになったのは、AMD RX 9070シリーズの圧倒的なコストパフォーマンスだ。確かにRTX 5070にもPalit GamingProのような比較的リーズナブルなモデルは存在するが、実際に入手可能かという点では大きな違いがある。
モンハンワイルズなどの最新ゲームで優れた性能を発揮し、大容量16GB VRAMで将来性も確保しながら、RTX 5070より安い価格を実現しているRX 9070シリーズは、2025年前半におけるミドルレンジGPU市場における最強の選択肢と言えるだろう。
ROP欠損やブラックスクリーン問題などで話題になっているRTX 50シリーズよりも、十分な供給量が確保されているRX 9070シリーズを選ぶことを強くおすすめする。特にRX 9070は10万円台前半という価格でRTX 5070を上回る性能を提供しており、コスパ重視のユーザーにとって最強のグラフィックカードと言えるだろう。
最後に重要なポイントをひとつ。グラフィックカード市場では「実際に買えるカードが最強」だ。いくら性能が良くても入手困難では意味がない。この観点からも、現時点では圧倒的に「買える」RX 9070シリーズが最強と断言して良いだろう。
※本記事は各社公式価格情報およびベンチマーク結果に基づいています。価格や在庫状況は変動する可能性があります。
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