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【衝撃】RTX 5090一部製品に深刻な欠陥が発覚 – GB202チップの問題でROP数減少、性能低下を確認【2025年2月最新情報】

NVIDIAの最上位GPU「GeForce RTX 5090」に搭載される「GB202」チップに深刻な問題が発覚した。一部のカスタムモデルでROPRaster Operations Pipeline/Render Output Unit)の数が想定より少なく、性能が低下していることが確認された。この問題は最初ZOTACのモデルで報告されたが、現在では複数のメーカーに影響が及んでいることが明らかになっている。

発覚した問題の詳細

Techpowerupとフォーラムユーザーによる報告によると、一部のRTX 5090カードでGPU-Zなどの診断ツールを使用した際、ROP数が標準より少なく表示されるという問題が発生している。

影響が確認されている製品

  • ZOTAC RTX 5090 SOLID
  • Manli RTX 5090D
  • Gigabyte RTX 5090 Gaming OC

正規のRTX 5090 Founders Editionでは176 ROPsが搭載されているのに対し、問題のあるカードでは168 ROPsしか認識されず、8個のROPが欠落している状態だ。

性能への影響

ROPは、ゲームのグラフィックスパイプラインの最終段階を担う重要なハードウェアコンポーネントだ。GPUのレンダリングパイプラインの出力部分として、以下のような核心的な処理を担当している

  1. アンチエイリアシング:画面のギザギザ(ジャギー)を滑らかにする高度なサンプリング処理
  2. デプステスト:Z-バッファを使用したオブジェクトの前後関係の正確な計算と描画
  3. 色のブレンディング:アルファブレンディングによる半透明表現や複雑なエフェクトの合成
  4. ピクセルシェーダー出力の最終処理:フレームバッファへの書き込みと出力の最適化

これらの処理は、ゲーム中に毎フレーム大量に実行される。現代のAAA級ゲームでは、1秒間に数十億のピクセル処理が必要となり、ROPユニットはこの膨大な処理をハードウェアアクセラレーションで高速化している。そのため、ROPの数が標準の176から168へと約4.5%減少すると、特に高解像度や高リフレッシュレート環境下では顕著なパフォーマンス低下が発生する。

Techpowerupによるベンチマーク再検証では、ZOTAC RTX 5090はFounders Editionと比較して平均2-5%のパフォーマンス低下が確認された。特にElden Ring(4K Ultra設定で約4.3%低下)、Starfield(4K Ultra設定で約3.8%低下)、Doom Eternal(RT有効時に約5.2%低下)など、ピクセル処理とデプステストが重要なタイトルで差が顕著だという。この差は、30万円を超える高級製品においては看過できない問題だ。

原因と対策

初期の報告では、GPU-Zの表示バグではないかと疑われていたが、HWINFOなど他の診断ツールでも同じ現象が確認された。ドライバの再インストールやBIOSの切り替えを試しても解決しないことから、ハードウェアレベルの問題である可能性が高い。

MEGAsizeGPUなどの情報筋によると、問題の根本原因はGB202チップ自体にあるとされ、潜在的には全てのRTX 5090モデル(Founders Editionを含む)に影響する可能性があるという。現在はまだ問題が広がり始めた初期段階であり、影響を受けるモデル数は限定的だが、今後拡大する恐れがある。

製造責任の所在

この問題について、ZOTACなどのAIBパートナーにコア仕様をコントロールする権限はない。チップはNVIDIAによって品質検査後に供給されるため、最終的な責任はNVIDIAにあると考えられる。

専門家によれば、これがソフトウェアレベルのバグであれば修正可能だが、ハードウェアレベルの問題である場合は修正不可能であり、RMA(返品修理交換)による対応が必要になるだろう。

ユーザーへの影響と推奨される対応

現在RTX 5090を所有しているユーザーは、GPU-Zなどのツールを使ってROP数を確認することが推奨される。168 ROPsしか表示されない場合、製品に問題がある可能性が高い。

MEGAsizeGPUによると、NVIDIAはRMAプログラムを通じて交換対応を行う可能性が高いとのことだが、現時点では公式発表はない。メディアはNVIDIAに詳細について問い合わせ中だ。

この問題はGPU市場に新たな懸念を投げかけている。すでに供給不足と価格高騰に悩まされているRTX 50シリーズだが、ミドルレンジモデルの性能問題による発売遅延に加え、フラグシップモデルの一部に欠陥が見つかったことで、さらに混乱が深まる可能性がある。

RTX 5080への影響は?

現時点では、RTX 5080が同様の問題を抱えているかどうかは不明だ。RTX 5080はGB203チップを使用しており、問題が報告されているGB202チップとは異なるシリコンダイを採用している。そのため、今回報告されている特定の問題の影響を受ける可能性は低いと考えられる。

しかし、NVIDIAの製造プロセスや品質管理に関する懸念は残るため、今後の動向を注視する必要があるだろう。

この事態は依然として進行中であり、新たな情報が入り次第、詳細を報告する予定だ。

筆者のコメント

NVIDIAのRTX 50シリーズ発売は、まさに問題の連続だ。まず深刻な供給不足により多くのユーザーが製品を入手できず、次にミドルレンジモデルの発売遅延が報じられ、そして今度はフラグシップモデルの一部に欠陥が見つかった。

この問題は特に深刻だ。ROPはグラフィック処理の中核を担う重要なコンポーネントであり、その数が減少することで直接的に性能が低下する。20万円を超える高級製品を購入したユーザーが、標準より性能の低い製品を受け取っていたとすれば、大きな失望を感じるだろう。

NVIDIAにとって、早急な対応が求められる事態だ。公式な説明と明確な対応策の発表がなければ、ユーザーの信頼を大きく損なう可能性がある。特に、この問題がソフトウェアではなくハードウェアレベルの欠陥である場合、大規模なリコールとなる可能性も否定できない。

この状況は、3月に発売予定のAMD RX 9070シリーズにとっては追い風となるかもしれない。NVIDIAの品質管理に対する疑念が広がれば、ユーザーは選択肢を再考する可能性があるからだ。

※本記事はTechpowerupの報告およびMEGAsizeGPUの情報に基づいています。状況は日々変化しており、NVIDIAからの公式発表をお待ちください。

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