NVIDIAが正式に投入した「DLSS 4.5」
AIによる描画技術の到達点とも言えるこのアップデートは、ゲーマー界隈に激震を走らせた。
目玉機能は、従来の限界を突破する「6x Multi-Frame Generation(MFG)」。そして、従来の畳み込みオートエンコーダを捨て去り、新たに採用された「Transformerモデル」だ。これにより、ターゲットはついに240Hzゲーミングへと移行し、対応タイトルは既に400本を超えると豪語している。
「全RTX GPUで利用可能」という謳い文句に、古いグラボを握りしめた同志たちは歓喜したことだろう。
だが、現実はそう甘くはない。
最新のベンチマーク結果が突きつけた事実は、「画質は最高だが、古いGPUは死ぬ」というものだった。
画質は「別次元」へ。Transformerモデルの恩恵
まず、良いニュースから伝えよう。画質に関しては、文句なしに「神」だ。
MPR Reviewsによる初期テストによれば、DLSS 4.5の画質は、従来のDLSS 3.x世代とは比較にならないほど向上しているという。
特に注目すべきは「ディテールの鮮明さ(Crisper Details)」だ。
従来のAIモデルでは、高速に動くオブジェクトや遠景のテクスチャが潰れてしまうことがあった。しかし、新しいTransformerモデルは、文脈(コンテキスト)を理解する能力に長けている。これにより、ピクセル単位での再構築精度が劇的に向上し、ネイティブ解像度すら凌駕するほどのシャープさを手に入れた。
ボヤけた画面でFPSを稼ぐ時代は終わった。DLSS 4.5は、「ヌルヌル」と「クッキリ」を両立させる魔法であることは間違いない。
旧世代RTXユーザーへの死刑宣告? 20%の性能低下
しかし、この魔法には対価が必要だ。それも、かなり重い対価が。
RTX 40シリーズ以前の「旧世代RTX GPU」において、約20%ものパフォーマンス低下が確認されたという。
理由は明白だ。新しいTransformerモデルが重すぎるのである。
従来の軽量なAIモデルと異なり、Transformerベースの推論処理はGPUのTensorコアに莫大な負荷をかける。最新のBlackwellアーキテクチャ(RTX 50シリーズ以降)であれば、強化されたAIアクセラレータでこれをねじ伏せることができる。
だが、Ampere(RTX 30)やAda Lovelace(RTX 40)世代のTensorコアでは、この高度な推論処理がボトルネックとなり、フレーム生成のメリットをAIのオーバーヘッドが食いつぶしてしまうのだ。
X(旧Twitter)でMPR Reviewsが公開したデータは残酷だ。
画質設定を最大化した際、旧世代カードではDLSS 4.5をオンにすることで、逆にフレームレートの安定性が損なわれるケースすらあるという。
結論:技術の進歩か、切り捨てか
これはNVIDIAからの無言のメッセージだ。
「最高体験が欲しければ、最新のハードウェアを買え」と。
DLSS 4.5は、間違いなくゲームグラフィックスの歴史を変える技術だ。6倍のフレーム生成と、狂気的なまでの高画質化。これを240Hzモニターで体験した時、我々の脳は現実とゲームの区別がつかなくなるだろう。
しかし、その切符を手にするためには、旧世代の愛機に別れを告げる覚悟が必要になるかもしれない。
画質を取って重さに耐えるか、それとも古いDLSSで妥協するか。
旧世代RTXユーザーは今、究極の選択を迫られている。
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