発売を1週間後に控えたNVIDIA「GeForce RTX 5070 Ti」の小売価格が、欧米の主要販売店で明らかになった。多くのカスタムモデルがMSRPを大幅に上回る価格設定となっており、深刻な価格高騰の懸念が現実のものとなっている。
価格設定の実態
現時点で確認された価格と特徴的なモデル
ASUS
- Prime RTX 5070 Ti:1,202ドル(約18.3万円、MSRP比+60%)
- Prime RTX 5070 Ti OC:1,219ドル(約18.5万円、MSRP比+62%)
- TUF RTX 5070 Ti:1,443ドル(約21.9万円、MSRP比+92%)
- TUF RTX 5070 Ti OC:1,448ドル(約22.0万円、MSRP比+93%)
GIGABYTE
- AORUS MASTER:1,464ドル(約22.3万円、MSRP比+95%)
- Gaming OC:1,411ドル(約21.5万円、MSRP比+88%)
- Eagle OC:1,401ドル(約21.3万円、MSRP比+86%)
- Aero OC:1,411ドル(約21.5万円、MSRP比+88%)
MSI
- Gaming Trio OC Plus:1,422ドル(約21.6万円、MSRP比+89%)
- Ventus 3X OC:1,338ドル(約20.4万円、MSRP比+78%)
Inno3D(デンマーク価格)
- X3:964ドル(約14.7万円、MSRP比+28%)
- X3 OC:1,064ドル(約16.2万円、MSRP比+41%)
- X3 OC White:1,092ドル(約16.6万円、MSRP比+45%)
唯一、米国Micro CenterのPNYモデルはMSRP(749ドル)に対して750ドルで販売されているが、在庫数は極めて限定的となる見込み。
※上記の日本価格はドルを変換しただけのものだ。実際には、アスク税や消費税、その他諸経費が加算されるため、日本での価格はさらに高くなると考えられる。
価格高騰の背景
今回の高騰には複数の要因が絡んでいる
- Founders Editionの不在により、AIBパートナーが価格設定の主導権を握る
- RTX 5090/5080の供給不足が続く中、中位モデルへの需要が集中
- 関税の影響による製造コストの上昇
- 一部地域での付加価値税(VAT)の影響
- 半導体市場全体での供給不足の継続
市場への影響
この状況は、3月に発売予定のAMD RX 9070シリーズにとって追い風となる可能性が高い。特に以下の点で注目される
- AMDが「積極的な価格戦略」を採用する可能性
- より潤沢な供給量の確保を示唆
- RTX 4080 SUPERクラスの性能を謳う
- FSR 4による性能向上も期待
さらに、Intel Arc B700シリーズの登場も控えており、ミドルレンジGPU市場での競争激化が期待される。
筆者のコメント
発売前から予想された価格高騰が現実のものとなった。しかし、たとえMSRPでの販売が実現したとしても、供給不足による転売価格の高騰は避けられない状況だ。
抽選販売が予想されるが、外れた場合は3月発売のRX 9070シリーズを視野に入れるのが賢明だろう。AMDは十分な供給量を確保していると伝えられており、より現実的な選択肢となる可能性が高い。
※本記事は各販売店の価格情報に基づいています。
※価格は税込み(米Micro Center除く)。為替レートの変動により実際の価格は変更される可能性があります。
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