AMDがRadeon RX 9070 XTの32GBバリエーションを否定した一方で、同じNavi 48チップを使用した32GB GDDR6メモリ搭載モデルを「RX 9070 XTX」として投入する可能性が浮上した。
32GBモデルを巡る経緯
先日、AMD消費者・ゲーミング製品部門のFrank Azor氏は、RX 9070 XTの32GBバージョンを否定。しかし、この発言は巧妙に計算されたものだった可能性が高い。
AMD関連のリークで高い信頼性を持つChiphellの「Zhangzhonghao」氏によると
- 32GBモデルは開発継続中
- 製品名を「RX 9070 XTX」に変更
- AIBパートナーと共同開発を進行中
- Navi 48チップを使用
XTXモデルの位置付け
AMDの「XTX」ブランドは、通常最上位モデルに与えられる称号だ。過去のRDNA 2、RDNA 3世代では
- より多いコア数
- 高いクロック周波数
- 大容量メモリ
などの特徴を持っていた。
今回のRX 9070 XTXでは
- 32GB GDDR6メモリ搭載
- 通常モデルより高いブーストクロック
- わずかに高いTDP
- AI/ML処理性能の強化
といった差別化が図られる見込み。
想定される製品ラインナップ
現時点で判明しているRX 9000シリーズの構成
RX 9070 XTX(噂)
- GPU:Navi 48(4nm)
- コア数:4,096基
- メモリ:32GB GDDR6
- メモリバス:256-bit
- TDP:未定
RX 9070 XT(確定)
- GPU:Navi 48(4nm)
- コア数:4,096基
- クロック:最大3.1GHz
- メモリ:16GB GDDR6
- メモリバス:256-bit
- TDP:約330W
AI市場を見据えた戦略
32GBという大容量メモリの採用は、AI処理への対応を強く意識したものと考えられる。RDNA 4アーキテクチャで強化されたAI/MLコアを最大限活用できる構成だ。
特に
- ローカルAIモデルの処理
- 大規模言語モデルの推論
- AIアップスケーリング
などの用途で、16GBモデルとの差別化が図れる。
まとめ
2月28日の正式発表を控え、AMDのGPUラインナップ戦略がより明確になってきた。特に32GBモデルの存在は、ゲーミング市場だけでなく、AI市場も視野に入れた積極的な展開を示唆している。
筆者のコメント
Frank Azor氏によるRX 9070 XTの32GBモデル否定は、製品名の変更を前提とした巧妙な発言だったと考えられる。実際に32GBモデルを「XTX」として展開することで、より明確な製品の差別化が可能となる。
特にAI処理性能の強化は、今後のGPU市場において重要な差別化要因となるだろう。NVIDIAがRTX 50シリーズでAI性能を強調する中、AMDもこの分野で競争力を示す必要がある。
ただし、価格設定が重要な鍵を握る。通常モデルでも高騰が懸念される中、32GBモデルがどの価格帯に位置付けられるのか、3月6日の発売を前に注目が集まる。
※本記事はChiphellおよびBenchlifeの報道に基づいています。正式な製品仕様は発表をお待ちください。
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