NVIDIAの新世代GPU「RTX 50シリーズ」のドライバーに深刻な問題が浮上している。新しい性能計測手法により、特にRTX 5090での性能低下が明らかになり、ドライバーの完成度に疑問符が投げかけられている。
目次
新計測手法で明らかになった問題
MsBetweenDisplayChangeの導入
NVIDIAは従来のMsBetweenPresents(MSBP)に代わり、MsBetweenDisplayChange(MSBDC)という新しい計測手法を推奨。この手法は、フレームの描画完了時ではなく、実際にディスプレイに表示される瞬間を計測する。特にMulti Frame Generation(MFG)技術の性能を正確に測定するために導入された。
深刻な性能低下
新計測手法で判明した問題点
- RTX 5090:1080pと1440pで1%LowFPS(最低フレームレート)が大幅低下
- RTX 4090/4080 SUPER:1080pでの性能低下を確認
- 特定のゲームで著しい性能低下を記録
RTX 5090における具体的な影響
解像度別の性能影響
- 1080p:最も顕著な性能低下
- 1440p:中程度の性能影響
- 4K:比較的安定した性能
特に32GBという大容量VRAMを搭載するRTX 5090での問題は、ドライバーの最適化不足を示唆している。
RTX 5080の状況
明暗を分けるゲームタイトル
性能が低下したゲーム
- Baldur’s Gate 3
- Flight Simulatorシリーズ
- A Plague Tale: Requiem
性能が向上したゲーム
- Assassin’s Creed Odyssey
- Cyberpunk 2077
- F1 24
- God of War Ragnarök
- Hogwarts Legacy
- Star Wars Outlaws
DLSS MFG(マルチフレーム生成)の新たな課題
MFG 4X(4倍)使用時の特徴的な挙動
- 入力サンプリング:34.3FPS
- 表示フレームレート:136.1FPS
- 実際の体感は表示フレームレートほど滑らかではない
今後の展望と対策
期待されるドライバーアップデート
- 1%最低FPSで10%以上の改善の可能性
- 平均FPSの向上も期待
- ゲーム別の最適化強化
ユーザーへの推奨事項
- ドライバーの更新を定期的に確認
- 特定ゲームでの性能低下に注意
まとめ:完成度に疑問符
RTX 50シリーズのドライバーは明らかに未完成の状態で、特にRTX 5090ユーザーは注意が必要だ。今後数週間から数ヶ月の間に、複数のドライバーアップデートが予想される。購入を検討している場合は、ドライバーの成熟を待つことも賢明な選択となるだろう。
※本記事はTom’s Hardwareのベンチマーク結果と分析に基づいています。実際の性能は使用環境により異なる可能性があります。
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