NVIDIAが4月16日に発売予定の「GeForce RTX 5060 Ti」グラフィックスカードの価格情報が明らかになった。複数の情報筋によると、RTX 5060 Tiは前世代のRTX 4060 Tiと同じ価格設定となり、16GB版が$499、8GB版が$399になる見込みだ。メモリ帯域幅は向上するものの、価格据え置きでの性能向上は限定的と予想され、ミドルレンジGPU市場で期待されていたほどの大きな進化は期待できない可能性が高まっている。
RTX 5060 Tiの価格と発売日
Board Channelsからのリークによれば、NVIDIAは4月15日にGeForce RTX 5060シリーズを発表し、翌16日に発売する予定だ。ラインナップには以下のモデルが含まれる
- RTX 5060 Ti 16GB: $499(約7.5万円)※1ドル150円換算
- RTX 5060 Ti 8GB: $399(約6万円)※1ドル150円換算
- RTX 5060(非Ti): 価格未定
当初は16GB版が8GB版より先に発売される予定だったが、計画が変更され、両モデルが同日に発売されることになった。16GBと8GBモデルの間には$100(約1.5万円)の価格差があり、ユーザーはより大きなVRAM容量にアクセスするために大幅な追加費用を支払う必要がある。
予想される仕様と性能
RTX 5060 Tiについて現時点で判明している仕様は以下の通り
- GPUコア: GB206-300-A1
- CUDAコア: 4608基
- メモリバス: 128bit
- VRAM: 16GB/8GB GDDR7
- メモリ速度: 28Gbps
- メモリ帯域幅: 448GB/s(RTX 4060 Tiから55%向上)
- TDP: 180W(RTX 4060 Tiより20W増)
28GbpsのGDDR7メモリにより、RTX 4060 Tiの288GB/sから55%帯域幅が向上する点は評価できる。しかし、128bitという狭いメモリバスは維持されており、これが高解像度ゲーミングでのボトルネックになる可能性がある。また、TDPが180Wに増加していることから、電力効率の面では大きな進歩がないと推測される。
価格戦略の問題点
NVIDIAは前世代からの価格据え置きを選択しているが、これには問題点がある
- RTX 5070との価格差: わずか$50追加するだけでRTX 5070($549)が選択可能
- 競合との比較: AMD Radeon RX 9070(非XT)が同価格帯(MSRP)で強力な競争相手
- 価格維持の姿勢: RTX 5070 TiとRTX 5070は前世代から$50の値下げがあったが、RTX 5060 Tiはその恩恵がない
特に注目すべきは、RTX 5060 Ti 16GB版の$499という価格設定だ。この価格はミドルレンジGPUとしては高額であり、前世代のRTX 4060 Ti 16GBも市場で大きな成功を収めなかった。結果として、消費者にとって魅力的な選択肢となるかは疑問が残る。
供給と実売価格の懸念
過去のNVIDIA RTX 50シリーズの発売パターンから見ると、供給と実売価格には大きな懸念がある
- 初期供給の制限: 発売直後は一部のカードがMSRPで入手可能だが、すぐに品薄状態に
- 価格高騰: 第1週の供給が尽きると価格が大幅に上昇する傾向
- MSRP維持の難しさ: RTX 5070やRTX 5070 Tiも、実際にはMSRPでの入手が困難な状況が続いている
これらの要素を考慮すると、RTX 5060 Tiが発表通りの価格で実際に入手できるかどうかは不透明だ。特に16GB版は需要が高まる可能性があり、価格上昇のリスクが高い。
市場における位置づけ
RTX 5060 Tiは、NVIDIAのBlackwell世代RTX 50シリーズにおいて重要なミドルレンジの位置を占める。今後、RTX 5060とRTX 5050が発表され、Blackwell RTX 50ゲーミングラインナップが完成する予定だ。
しかし、RTX 5060 TiとAMDのRadeon RX 9060 XTシリーズとの競争は激化する見込み。AMDもRX 9060 XTで16GBと8GBのバリエーションを準備していると噂されており、価格設定次第ではNVIDIAの市場シェアを脅かす可能性がある。
筆者のコメント
RTX 5060 Tiの価格据え置きは、期待されていた大きな進化が見られない可能性を示唆している。確かにGDDR7メモリによる帯域幅の向上は魅力的だが、128bitという狭いメモリバスの制約やTDPの増加を考えると、全体的な性能向上は限定的になるだろう。
特に懸念されるのは、RTX 5060 Ti 16GB版とRTX 5070の価格差だ。GDDR7メモリ採用によるコスト増大を考えると、RTX 5070とほぼ変わらない価格設定になる可能性がある。さらに16GB版はAI処理にも需要があるため、値下がりする可能性は低いと見られる。
結局のところ、RTX 5060 Tiは前世代からの劇的な進化というよりも、マイナーアップデートの印象が強い。ミドルレンジGPU市場の競争激化を背景に、NVIDIAの保守的な価格戦略が市場でどう評価されるか、4月16日の発売を待って検証する必要がある。
※本記事はBoard Channelsのリークおよびその他の情報源に基づいています。正式な製品仕様と価格は公式発表をお待ちください。
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