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【危機】NVIDIA最新ドライバで深刻な問題多発 – Gamers Nexus「史上最悪のローンチ」と批判、旧ドライバへのダウングレードを開発者も推奨【2025年4月最新情報】

NVIDIAの最新GPUドライバに関する深刻な問題が相次いで報告されており、著名なハードウェアレビューサイト「Gamers Nexus」が独自の検証によって問題を再現することに成功した。この状況について同サイトのSteve Burke氏は「2008年からハードウェアレビューを始めて以来、NVIDIAとして史上最悪のローンチだ」と強く批判している。特にRTX 30/40シリーズの旧世代GPUや最新のRTX 50シリーズにおいて問題が顕著であり、一部のゲーム開発者までもがRTX 50シリーズ発売前の旧ドライバへのダウングレードを推奨するという異例の事態となっている。

広範囲に及ぶドライバ問題

Gamers Nexusは、数百件に及ぶ報告を調査した結果、最新のドライバ(572.xx系)で以下のような問題が発生することを確認した

  • Star Wars Outlaws: ゲーム再開時にクラッシュする
  • Marvel Rivals: フレーム生成機能を有効にするとクラッシュする
  • Cyberpunk 2077: ゲームロード中にクラッシュする
  • Shadow of Tomb Raider: ゲーム内ベンチマーク実行時にDXGIエラーでクラッシュする

これらの問題は、旧バージョン(566.xx系)のドライバではほとんど発生しないことが確認されており、明らかにNVIDIAの最新ドライバに起因する問題であることが判明している。

問題の原因と複雑な要因

Gamers Nexusの調査によると、これらの問題にはさまざまな要因が複雑に絡み合っていることが分かっている

  1. マルチモニター構成: 特にG-Sync対応の高リフレッシュレートモニターを使用している場合に問題が発生しやすい
  2. DLSSとフレーム生成: NVIDIAが推進するこれらの機能が有効になっていると問題が起きやすい
  3. モニター接続順序: GPUの出力ポートにモニターをどの順序で接続しているかも影響する
  4. スリープからの復帰: システムがスリープから復帰した際にブラックスクリーンが発生することがある

特に注目すべきは、複数のゲーム開発会社(EnzoyやNeoplなど)がNVIDIAと提携しているにも関わらず、自社ゲームのユーザーに対して最新ドライバからのダウングレードを公式に推奨していることだ。これはNVIDIAのドライバ開発チームにとって極めて深刻な信頼危機を示している。

実際の検証環境と症状

Gamers Nexusは以下の環境で問題を再現することに成功した

  • AMD Ryzen7 9800X3D
  • GeForce RTX 4070 Super
  • デュアルモニター構成(Acer 4K 60Hz + Dell/Alienware 1080p 360Hz)
  • ASUS ROG X670E Heroマザーボード
  • EVGA 1600T電源ユニット

特に興味深いのは、モニターの接続ポートを変更するだけでCyberpunk 2077のクラッシュ問題が解消し、元に戻すと再び問題が発生するという現象だ。これは、物理的な接続というよりも、Windowsがモニターをどのように認識しているかに依存している可能性を示唆している。

開発者からの異例の警告

特筆すべきは、NVIDIAと提携しAI機能を強く推進しているゲーム開発者までもが、最新ドライバの使用を控えるよう公式に推奨している点だ。例えば「Inzoi」の開発元は、ドライババージョン572.xx以降を使用するとフレームドロップやスタッターが発生する可能性があると警告し、バージョン566.36へのロールバックを推奨している。

推奨される一時的対策

Gamers Nexusは、問題の根本的解決にはNVIDIAのドライバアップデートが必要としつつも、以下の一時的対策を提案している

  1. GPUのディスプレイ出力ポートの接続順序を変更する
  2. DisplayPortケーブルをHDMIケーブルに変更してみる
  3. G-SyncとFrame Generation機能を無効にする
  4. 最も安定していると報告されているドライババージョン566.36にロールバックする
  5. Display Driver Uninstaller (DDU)を使用してドライバを完全にクリーンインストールする

なお、RTX 50シリーズのGPUは566.36ドライバでは動作しないため、別の対策が必要となる。

NVIDIAの対応と批判

NVIDIAはドライバのリリースノートで一部の問題を認識していることを示唆しているが、Gamers Nexusによれば、同社の対応は不十分であるという。特に「ブラックスクリーン問題」に対しては5回に及ぶドライバ修正が行われたものの、問題が完全に解決されたという公式発表はなく、ユーザーは混乱したままだ。

Burke氏は「NVIDIAのローンチは絶対的に忌まわしく、完全に恥ずべきものだ」と強く批判している。特に、かつては高品質なドライバ開発で知られていたNVIDIAが、近年は安定性を犠牲にしている傾向が指摘されている。

筆者のコメント

長年のPC自作とゲーミングの経験から見ても、NVIDIAの現状は異常事態と言わざるを得ない。かつてのNVIDIAはドライバの安定性でAMDに対して圧倒的優位性を持ち、「高いけど安心」というブランドイメージを築いてきた。しかし今、その最大の強みが急速に失われつつある。

特に気がかりなのは、NVIDIAが直近の製品発表でAI機能に全面的に注力し、ゲーミング性能の向上については控えめな姿勢を見せていることだ。AIブームに乗じたビジネス戦略は株主には喜ばれるかもしれないが、NVIDIAの核となるゲーマー層を軽視するこの姿勢は危険だ。

現状の苦境から抜け出すには、NVIDIAは早急にドライバ開発チームを強化し、AI機能よりも「安定性」を最優先する必要がある。そうでなければ、AMDやIntelに顧客を奪われるのは時間の問題だろう。当面はゲーマーとして最新ドライバへのアップデートは慎重に行い、問題が報告されているゲームをプレイする場合は、旧ドライバを使い続けるのが賢明だ。

※本記事はGamers NexusのYouTube動画「Get It Together, NVIDIA | Terrible GPU Driver Stability」およびVideocardz.comの報道に基づいています。

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