GPUやCPUばかりに目が行きがちなPC自作だが、実は最も重要なのがマザーボード選び。今回は各メーカーの特徴を、筆者の偏見全開で解説していく。
目次
ASUS:無難な王道だが、美学にこだわるメーカー
「迷ったらASUS」の理由
- BIOSの使いやすさは業界一(F8でブートメニューは神機能、メモテが内蔵されていることも)
- 初期不良率の低さは折り紙付き
- ただし、その分お値段は”ちょっと”高め
各シリーズの性格
ROGシリーズ:優等生の化けの皮
- F gaming:優等生が本気を出した最強の一枚
- A gaming:見た目重視の優等生(中身は…お察しください)
- MAXIMUS:お金に糸目をつけない上級優等生
TUFシリーズ:堅実派の隠れた実力者
- 無骨なデザインに反して高性能
- コスパも意外と良好
- 意外と種類が多い
- 「ゲーミング」と付いているのに地味
- ヒートシンクがゴツくてCPU電源が挿しにくい
ProArtの闇
- クリエイター向けと謳うProArtは Thunderbolt 4対応など高機能だが、価格が跳ねすぎる。
「かっこよさ」以外に明確な理由がなければ、他社のCreatorモデルを検討した方が賢明。
クセと注意点
- Armoury Crateというスパイウェア(?)が付属
- インストールに30分、ドライバインストールに30分
- でも機能は実は優秀(葛藤)
ASRock:底なしの実験精神を持つ変態メーカー
コスパ最強の秘密
- 無駄な機能を完全排除(RGB制御ソフトですら怪しい)
- ドライバーインストールが爆速(稀にインストーラーが起動しない事があるが…)
- 基板設計は割り切り(でも重要な部分は超強化)
- とにかく「必要な部分」にお金を使う
各シリーズの正体
Steel Legend:陰の実力者
- 地味な見た目に反して電源回路は超強化(基本的に競合モデルのASUS TUFシリーズより強い)
- ヒートシンクは安っぽいけど冷える
- 「逆性能詐欺」をしていたりする(B650なのにGen5対応しており実質的にはB650E相当等)
Taichi:隠れた化け物
- 見た目は歯車で遊んでいるだけ
- 中身は最上級の贅沢仕様
- でも他社より3万円は安い
ASRockへの偏見
- PG Lightningはコスパ抜群なのに、意識の高い自作中級者に嫌われがち
- ProシリーズやHDVシリーズでも十分な性能なのになぜか理解されていない
- PG Riptideを選ぶ人の上級者感は異常
注意すべき”個性”
- BIOS(UEFI)の見た目は古臭い(でも死ぬほど使いやすい)
- RGBソフトは「動けば良い」精神
- メモリやSSDの相性問題は昔の話(今は安心)
MSI:バランス型の実力者、ただし取り扱い注意
圧倒的な実力の持ち主
- VRMの設計は業界最高レベル(安くてもVRMフェーズ数が多い)
- 冷却性能も随一
- BIOS更新頻度も高い
名物「TOMAHAWK」シリーズ
- コスパ界の帝王
- なぜかヒートシンクが超効率
- 最安値でも手抜きなし
コスパ最恐「GAMING PLUS」シリーズ
- コスパ界の不良
- ドラゴンが地味にかっこいい
- 価格からは考えられない程豪華な電源回路と拡張性を持つ
MSIへの偏見
- GAMING PLUS以下のモデルは初期不良が多い印象がある
- でも安いからGAMING PLUSを買ってしまう
- MSI CenterはArmoury Crateよりまし
- 自作erからは好き嫌いがはっきり別れる
気をつけるべき”落とし穴”
- 初期不良に当たると大変(特にGAMING PLUS以下)
- BIOSは慣れるまで迷子必至
- でも慣れると最高の相棒に
GIGABYTE:天才肌の問題児
かつての覇者の矜持
- 独自路線を突き進む勇気
- ハイエンドなら今でも最強
- たまに意味不明な英語が飛び出す
- USB4やWiFi7に最速?で対応(差別化要素そこ?)
AOURSブランドの野望
- とにかく見た目が格好いい
- 中身も結構本気
- でもBIOS画面は使いづらくアレルギー反応が出やすい
- 何故か人気がない
GIGABYTEへの偏見
- MSIと同じくらい初期不良が多い印象がある
- 使用者が少ないせいで何故か不評が多い
- 大体40歳以上のおじさんから好まれがち
- 特にSandy/Ivyおじさんに大人気(Haswellおじさん以降はあまり人気がない)
要注意な”個性”
- サポートは運次第
- 説明書が機械翻訳レベル
- 付属ソフトの不具合が多い
- Rev(リビジョン)商法(製品名が同じでもRevによって中身が変わる)
- それでも根強いファンがいる理由は”実力”
まとめ:結局どれを選ぶ?
状況別おすすめ
- 絶対に失敗したくない → ASUS TUF GAMING / ASRock Steel Legend / MSI MAG TOMAHAWK / GIGABYTE AORUS ELITE
- 予算は少ないが性能は欲しい → ASRock Pro RS / MSI GAMING PLUS / GIGABYTE EAGLE
- 白系が好き → GIGABYTE AORUS ELITE ICE / ASRock Steel Legend / ASUS ROG A GAMING
- お金持ち → ASUS ROG MAXIMUS / MSI GODLIKE / ASRock Taichi,OC Formula / GIGABYTE AORUS XTREME
ASUSが「真面目な優等生」、ASRockが「予算管理が得意な変人」、MSIが「実力派だが少し危なっかしい同僚」、GIGABYTEが「天才肌の元エース」とするなら——あなたはどのタイプと組んで戦いたいか? マザーボード選びは、自分自身のPCライフとの付き合い方を考える作業でもある。
筆者の本音
筆者は現在メイン機にASUS、サブ機にASRockのマザーボードを使用している。正直なところ、ASRockが一番使い勝手が良いと感じている。BIOSの操作性がシンプルで、余計なソフトウェアが入っていないため、セットアップが爆速で済む。他メーカーは余計なソフトウェアが多すぎて、時として煩わしい。
ASUSは安定性やBIOSの使いやすさは抜群だが、Armoury Crateが重くて邪魔。インストールに30分もかかり、動作が重くてイライラすることもしばしばだ。MSIはコスパが良いが、初期不良がやや多い印象で、特に安価なモデルは当たり外れが大きい。GIGABYTEは最新技術に積極的だが、BIOSの日本語化が雑で、Rev商法には注意が必要。同じモデル名でも中身が変わることがあるので、購入時はしっかり確認が必要だ。
結局のところマザーボード選びで最も重要なのは「安定性」「予算」「使い勝手」のバランスだと確信している。ハイエンドモデルより中級モデルの方が総合的な満足度が高いことも多い。初心者にはASUS、経験者にはASRockを勧めることが多いが、絶対的な正解はない。一つのメーカーにこだわらず、色々試してみるのが一番だ。自分に合ったマザーボードを見つけることが、PC自作の醍醐味でもある。
※本記事は筆者の主観と偏見、そして長年の自作経験に基づいています。
※各製品の評価は、個体差や使用環境により変化する可能性があります。
コメント
補助電源コネクタがスッポンして再度B650 pg lightningのドスパラ限定モデルを購入したが、一回目の購入時よりえげつない値下げされてたから再購入した。保証込みでも一回目よりも安くて笑ってしまった。VRMヒートシンクはproシリーズよりも若干心許ないが必要十分でコスパ最高の板だと思う。