GearTune編集部が調査したところ、AMD Radeon RX 7000シリーズの価格破壊が止まらない。発売時から最大20%の大幅値下げを実現し、RTX 5000シリーズの高価格に対する圧倒的なアンサーとなっている。特にRX 7800 XTの6万円台突入は業界に衝撃を与えている。
目次
RX 7600 – エントリー GPUの決定版
現在価格:36,800円~45,000円
フルHDでVRAM使用量の少ないゲームなら全く快適にプレイできる優秀なエントリーGPU。RTX 4060の方が性能が高いと主張する人やサイトも多いが、ほとんどの人には体感できないレベルの差だ。
応答速度が重要でないゲームであれば、AFMFを使うことで快適にプレイ可能。36,800円という価格を考えれば、初めてのゲーミングPCには十分すぎる性能を持っている。
主要製品価格
- PowerColor製:38,000円台
- ASRock製:36,000円台(最安)
- SAPPHIRE製:42,000円台
RX 7700 XT – VRAM12GBの圧倒的優等生
現在価格:58,980円~85,000円
VRAM12GBの圧倒的な優等生がこの価格である。フルHD解像度であればモンハンワイルズ等の超ヘビー級ゲームも快適にプレイ可能だ。
さすがにレイトレやテクスチャをすべて最高設定にすることは難しいが、それなりの高画質設定で快適にプレイできる。発売時から約20%の価格下落により、1080pゲーミングの新標準となった。
※コスパは決して悪くないのだが、この後出てくるRX 7800 XTと比べると劣ってしまう。
注目価格
- SAPPHIRE NITRO+:約70,000円
- ASRock製:約58,980円
- PowerColor製:約58,980円
RX 7800 XT – コスパぶっ壊れの化け物
現在価格:66,480円~85,000円
コスパぶっ壊れという表現しか思い浮かばない。RX 9060 XTよりこっちのほうが圧倒的にコスパが高い。
フルHD解像度であればモンハンワイルズ等の超ヘビー級ゲームも最高画質設定でプレイ可能。WQHD解像度でもどんなゲームもプレイできる万能性を持つ。
4KもAFMF前提でプレイできるが、WQHD解像度がベストな性能帯だ。RTX 5060 Tiはもちろん、RTX 4070よりも基本性能は高い。レイトレでは負けてしまうが、レイトレ性能は多くの人には必要ない。
例えばサイバーパンクを高画質レイトレゴリゴリ設定でプレイしてみたいという場合はGeForceグラボのほうがおすすめだが、それ以外なら迷わずRX 7800 XTだ。
実勢価格情報
- 最安:66,480円(SAPPHIRE製)
- 人気価格帯:69,800円前後
- プレミアムモデル:75,000円~85,000円
RX 7900 XT – VRAMの暴力、20GB搭載の4K向けグラボ
現在価格:94,800円~116,800円
VRAMの暴力。20GB搭載の4K向けグラボがついに10万切りを達成した。レイトレを除けばRTX 4070 Ti SUPERやRX 9070と同等くらいの性能を誇る。
大容量VRAMと広い帯域幅により、VRゲームが快適なのはもちろん、アセットコルサ等のレースシムをマルチモニターやVRで楽しむのにも最適だ。
価格詳細
- ASRock Phantom Gaming 20GB OC:94,800円(最安値)
- SAPPHIRE NITRO+ Gaming OC:99,800円
- SAPPHIRE PULSE Gaming OC:97,782円
RX 7900 XTX – 11万円台でフラッグシップ性能
現在価格:109,799円~131,980円
コスパぶっ壊れ。15万円でもコスパは悪くなかったのに11万切りを果たした化け物GPU。
VRAM容量は24GBで凄まじい帯域幅を誇る。レイトレを除く基本的な性能はRTX 4080 SUPERやRTX 5070 Tiよりも高性能だ。
生成AI等のVRAM容量が重要な用途(特にローカルLLM等)でもかなり使えるのでPC上級者におすすめ。
ただし、生成AIの環境構築がGeForceより難しく、また消費電力が多いことはネックだ。
価格分析
- SAPPHIRE PULSE Gaming OC:122,470円
- ASRock Phantom Gaming:109,799円(最安値)
- ASRock Taichi White:119,800円(プレミアム)
筆者のコメント
PCショップで働く身として断言するが、2025年6月現在、AMD Radeon RX 7000シリーズの価格破壊は異常事態だ。これほどまでに性能と価格のバランスが崩れたGPU市場は見たことがない。
RX 7800 XTの68,000円という価格は正直狂っている。RTX 4070が約8万円で販売されていたことを考えれば、基本性能で上回るRX 7800 XTがこの価格で買えるのは奇跡に近い。発売時の85,800円から約2万円の値下げは、AMDの本気度を物語っている。
特にRX 7900 XTXの109,799円は、24GB VRAMという化け物スペックを考えれば破格だ。競合モデルとなるRTX 5070 Tiが15万円近くすることを考慮すると、レイトレーシングを重視しないゲーマーにとって選択肢は一択だろう。
店頭でもGeForce離れが加速している。同等のゲーム性能でも価格差が1万円以上あれば当然の流れだ。
ただし、3DCG制作や生成AIをメインにする人、レイトレーシング性能を重視する人はGeForceを検討したほうが良い。しかし、純粋にゲームを楽しみ、VRAMの多さを活かした将来性を重視するなら、現在のRX 7000シリーズがおすすめだ。
GearTune編集部としては、予算7万円以下ならRX 7800 XT、予算11万円以下ならRX 7900 XTXを強く推奨する。この価格でこの性能が手に入るチャンスは、そう長くは続かないかもしれない。
明日はRX 9000シリーズの最新性能情報をお届け予定なので、新世代GPUが気になる方はお楽しみに!
※価格情報は2025年6月22日時点の価格.com、Amazon調べ
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