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【リーク情報】RX 9070 XTの性能がRTX 4080相当と判明 – フルロード時でも55℃という驚異の冷却性能、価格は699ドルから【2025年2月最新情報】

AMDの次世代ミドルレンジGPU「Radeon RX 9070 XT」の性能データがAnandTechフォーラムにリークされ、NVIDIAのGeForce RTX 4080に匹敵する性能を示す一方、驚異的な冷却性能を発揮することが明らかになった。最も過酷なストレステストとして知られるFurMarkにおいて、フル負荷状態でもわずか55℃という低温を維持する結果は、RDNA 4アーキテクチャの高い電力効率を示唆している。同時にMicro Centerに一時的に掲載された価格情報から、RX 9070 XTの最低価格は699ドル(1ドル150円換算で約10.5万円)からとなることも分かった。

FurMark性能テストでRTX 4080と同等

AnandTechフォーラムのユーザー「gaav87」によって投稿されたベンチマーク結果によると、GIGABYTE Radeon RX 9070 XT Gaming OC 16G(ファクトリーオーバークロック版)のFurMark性能は以下の通りだ

  • 1080p解像度、MSAAオフ:20,732ポイント(345 FPS)
  • テスト時間:10分間
  • ドライバー:Linux Mesa 25.0スタック(RDNA 4公式サポート済み)

比較対象として、同条件でテストされたGeForce RTX 4080のスコアは20,702ポイント(344 FPS)とほぼ同等の数値を示している。また、以前4K解像度でリークされたベンチマークでも、RX 9070 XTが7,979ポイントを記録し、RTX 4080の8,030ポイントとほぼ同等であることが確認されている。

同じユーザーはUnigine Superpositionベンチマークのスコアも投稿しており、1080p Extreme設定で14,534ポイントを記録。これはRadeon RX 6900 XTの9,408ポイントを大幅に上回る結果だが、ドライバーやプラットフォームの違いがあるため直接比較は難しい。

これらの結果は「RTX 4080と同等の性能を、より低価格帯で提供する」というAMDの戦略が現実のものとなっていることを示唆している。

驚異的な冷却性能:フル負荷でも55℃

しかし、今回のリークで最も注目すべきは性能面ではなく、熱特性だ。

FurMarkは意図的にGPUに最大負荷をかけるストレステストとして知られており、多くのGPUはすぐに80℃を超える高温に達する。しかし、投稿されたスクリーンショットによれば、RX 9070 XTは10分間のフル負荷(GPU使用率100%)テストでも、わずか55℃という驚異的な低温を維持した。

これはRDNA 4アーキテクチャの高い電力効率と、GIGABYTEの優れた冷却設計の両方を示唆している。NVIDIAのRTX 50シリーズも比較的良好な熱特性を示しているが、RX 9070 XTはそれをさらに上回る可能性がある。

Micro Centerで価格情報が一時的に公開

リーク情報に加えて、米国家電量販店Micro Centerのウェブサイトに、RX 9070シリーズの価格情報が一時的に掲載された。これによると

  • ASRock RX 9070 Challenger Triple Fan:649.99ドル(1ドル150円換算で約9.7万円)
  • ASRock RX 9070 XT Steel Legend Triple Fan:699.99ドル(1ドル150円換算で約10.5万円)

これらの価格が正確であれば、RTX 5070 Tiの749ドル(日本価格148,800円~)に対して約50ドル安い価格設定となる。ただし、RTX 5070の549ドル(日本価格10万8800円~)と比較すると、RX 9070は約100ドル高くなる。

AMDは以前、RX 9070 XTとRX 9070の価格が749ドルと899ドルという噂を否定しており、今回リークした価格はそれよりは大幅に低い。しかし、前世代の7900 GRE(549ドル)や7800 XT(499ドル)と比較すると、かなりの値上げとなる。

リファレンスモデルなしの戦略

注目すべきは、AMDが「Made by AMD」というリファレンスモデルを市場に投入しない方針であることだ。これはNVIDIAがRTX 5070 TiでFounders Editionを提供しなかったのと同様の戦略となる。

これにより、MSRPでの販売モデルが限定的となる可能性があり、初期供給状況によっては価格の高騰も懸念される。ただ、NVIDIAのRTX 50シリーズが深刻な供給不足に陥っている現状では、AMDが十分な供給量を確保できれば市場優位性を獲得するチャンスとなる。

RTX 5070 Tiとの性能差

合成ベンチマークのリーク情報によれば、RX 9070 XTはRTX 4070 Super相当の性能を持ち、RTX 5070 Tiと比較すると約28%性能が劣るとされている。ただし、実ゲーム性能や特定のワークロードでは、この差が縮まる可能性もある。

特にAMDのFSR 4技術の効果や特定のゲームでの最適化次第では、実用面での体感差は小さくなる可能性があり、最終的な判断は公式レビューの解禁を待つ必要がある。

市場への影響

RX 9070シリーズの登場は、以下の点で市場に大きな影響を与える可能性がある

ミドルレンジGPU市場の活性化

  • RTX 50シリーズの供給不足により、事実上唯一の新世代選択肢となる可能性
  • 価格競争が促進される可能性

冷却性能による差別化

  • 低温動作は静音性や長期信頼性に直結
  • 小型PCや静音志向ユーザーにとって魅力的な選択肢

価格帯の上昇

  • ミドルレンジGPUの価格帯が全体的に上昇
  • 以前なら「ハイエンド」と呼ばれた価格帯に達している

筆者のコメント

RX 9070 XTのリーク情報からは、AMDが「性能」と「冷却効率」の両面で優れた製品を準備していることがうかがえる。特に55℃というFurMark時の温度は驚異的で、これが一般的にはGPUを高温に追い込むストレステストにおける結果だという点が重要だ。RDNA 3世代のRX 7000シリーズは高発熱・高消費電力の傾向があり、特にハイエンドモデルではコイル鳴きに悩まされる個体も多かった私の経験からすると、この冷却性能の改善はRDNA 4アーキテクチャの大きな進化点と言える。

気になるのは価格動向だ。かつてミドルレンジと呼ばれていたGPUの価格帯は、世代を追うごとに上昇し続けている。RX 9070 XTが699ドル(1ドル150円換算で約10.5万円)というのは、わずか数年前のハイエンドGPUの価格帯だ。ただし、AMDの価格戦略には一定のパターンがあり、発売直後は「ご祝儀価格」として高めに設定されることが多いものの、数ヶ月経過すると市場に浸透するにつれて価格が落ち着く傾向がある。代理店マージンが初期に高く設定されたとしても、長期的にはRTX 50シリーズより手頃な価格で入手できる可能性が高い。

特に注目すべきは供給状況だ。RTX 50シリーズが深刻な供給不足に陥っている現状では、AMDが十分な供給量を確保できれば大きな市場シェアを獲得するチャンスとなる。「手に入る製品」であることは、現在のGPU市場では極めて重要な差別化要因だからだ。

最終的な判断は2月28日のAMD公式発表と、その後の第三者レビューを待つ必要があるが、現時点でのリーク情報を総合すると、RX 9070 XTは「高いコストパフォーマンス」と「優れた冷却性能」を兼ね備えた魅力的な製品になりそうだ。RTX 50シリーズが「ROP欠損問題」に悩まされていることを考えると、製品品質という観点からもAMDが優位に立つ可能性がある。もちろん、これらすべては「適切な価格設定」「十分な供給量」「そして何より安定した動作品質」が前提となる。AMD GPUの過去の評判を覆すような製品となるか、3月の発売後の実際の評価に期待したい。

※本記事はAnandTechフォーラムの投稿、Redditの情報およびTom’s Hardwareの報道に基づいています。製品の最終仕様や性能は変更される可能性があります。

コメント

  1. 通りすがり より:

    9070XTは699ではなく599ドルです
    ちなみに5070tiに対しても-2%で実質互角の性能ですよ

    https://pbs.twimg.com/media/Gk4MlQ0WYAAul42?format=jpg&name=large