MSIが準備を進めている次世代フラッグシップGPU、GeForce RTX 5090 Lightning Z OCERの詳細が明らかになりました。
CES 2026での正式発表を目前に控え、オーバークロック専門サイトOverclocking.comなどが報じたリーク情報によると、このカードは従来の常識を覆す40フェーズVRMを搭載し、液体窒素冷却下で3.45GHzという驚異的なクロック周波数を記録しています。
RTX 5090 Lightning ! Le retour en force de MSI ! - Overclocking.comLa RTX 5090 Lightning de chez MSI se montre enfin avant l’annonce officielle au CES ! ENFIN le retour de MSI sur l’OC pour cartes graphiques !
本記事では、MSIがオーバークロック市場への復帰を賭けて投入するこのモンスターマシンの技術的詳細と、それが示す次世代GPUの可能性について解説します。
目次
規格外の電源回路:40フェーズVRMとデュアル12V-2×6コネクタ
今回公開されたPCB(基板)画像で最も注目すべき点は、その電源供給システムです。
MSI GeForce RTX 5090 Lightning Z OCERは、GPUコアとメモリに安定した電力を供給するために、合計40フェーズ以上と見られるVRM(電圧レギュレータモジュール)を搭載しています。
一般的なハイエンドグラフィックスカードでも20フェーズ前後が標準的であることを踏まえると、この設計は明らかに通常のゲーミング用途を超越しています。
この過剰とも言える電源回路は、液体窒素(LN2)を使用した極冷オーバークロック時に必要となる大電流を、負荷を分散させながら安定して供給するためのものです。
さらに、電力供給コネクタには最新の「12V-2×6」規格が2基採用されています。これにより、理論上は単一のコネクタ制限を超える電力を安全に供給することが可能となり、記録更新を狙うオーバークロッカーにとっての制限を取り払っています。

異次元のオーバークロック性能:3.45 GHzとGDDR7 36 Gbps
リークされたベンチマークテストの結果は、ハードウェア愛好家を驚かせるものでした。著名なオーバークロッカーであるDr. Antoine氏らによるテストでは、以下の数値が確認されています。
- GPUコアクロック:最大3.45 GHz (3457 MHz)
- メモリクロック:36 Gbps (GDDR7)
現行の多くのGPUが3GHzの壁を超えることに挑戦している中で、3.45GHzという数字は次世代アーキテクチャの耐性の高さを示しています。
また、搭載されるGDDR7メモリも定格を大きく上回る36Gbpsで動作しており、帯域幅の大幅な向上が確認されました。
ベンチマーク世界記録を更新
このハードウェア構成により、MSI GeForce RTX 5090 Lightning Z OCERはベンチマークソフト「3DMark Time Spy」において、53,207ポイントというスコアを記録しました。
これは既存の世界記録を塗り替えるものであり、ASUSやGALAXといった競合他社のフラッグシップモデルを上回るパフォーマンスです。
“OCER” の意味とターゲット層
製品名に含まれる「OCER」という名称については、PCB上のラベルとして確認されていますが、これが最終的な製品名(例えば “Overclocker Edition” の略)なのか、特定のプロトタイプを示すものなのかは現時点で推測の域を出ません。
しかし明確なのは、このカードが一般のゲーマー向けではないということです。
巨大な基板、特殊な電源要求、そして極冷を前提とした設計は、世界記録を狙う競技用機材としての性格を強く表しています。
一般的なPCケースや電源ユニットでは運用が困難である可能性が高く、購入を検討する際は自身の環境がこの「怪物」を受け入れられるか慎重な判断が求められます。
CES 2026での正式発表に期待
MSIは数日後に開催されるCES 2026にて、このLightningシリーズを正式に発表すると見られています。
そこで冷却機構の外観や、正式な価格、発売日が明らかになるでしょう。
今回のリークは、MSIがハイエンドGPU市場、特にエンスージアスト向けの領域において、再びリーダーシップを執る意欲があることを証明しました。
技術の限界に挑むこのグラフィックスカードの全貌が公開される瞬間を、世界中のハードウェアファンが待ち望んでいます。
































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