wccftechによるとIntelの未発表CPU「Core Ultra 3 205」が、ドイツの小売店にて約173ドル(176ユーロ)でリストアップされていることが確認された。
Core Ultra 3 205はArrow Lake世代に属するエントリー向けプロセッサであり、Intelの次世代デスクトップCPUの中でも最下位クラスに位置付けられるモデルだ。
インテル Core Ultra 3 205 がドイツの小売店で173ドルで販売
Intel Core Ultra 3 205: 詳細な仕様とベンチマーク評価 - CpuTronicCore Ultra 3 205 は、Intel によって製造された Desktop プロセッサです。 August 2025 にリリースされました。 CPUは3 nm 製造プロセスを使用して製造されています。 8 コアと 8 スレッドを備えています。 CPU は Intel Socket 1851 ソケットを使用します。 CPU の主なフィーチャーは次のとおりです。基本周波数 (P) - 3.8...
ただし、今回の掲載は“在庫なし”の状態であり、正式な発売日や流通時期については依然として不明のままである。
目次
Core Ultra 3 205とはどのようなCPUなのか
Core Ultra 3 205は、Intelの最新アーキテクチャ「Arrow Lake」を採用したエントリークラスCPUとされている。
すでに市場にはCore Ultra 5、7、9といった上位モデルが登場しているが、Core Ultra 3シリーズのみが長らく未投入の状態が続いている。

過去にも小売店への一時的な掲載は確認されており、今回が初出ではない。それにもかかわらず、いまだ正式発表に至っていない点はなぜだろうか?
価格は安いが、導入は慎重になるべき理由
今回判明した約173ドルという価格は、エントリーCPUとしては魅力的に映る。
しかし、CPU単体の安さだけで判断するのは早計だ。
プラットフォームコストの問題
Core Ultra 3 205を使用するには、新ソケット「LGA1851」に対応したマザーボードが必要となる。
現時点で流通しているLGA1851対応マザーボードは、Z890など比較的高価格帯の製品が中心であり、CPU価格とのバランスが取れていない。
■マザーボードの例
エントリー向けCPUでありながら、システム全体の構築費用が高額になる点は大きな懸念材料だ。
ゲーミング用途での実用性は未知数
Arrow Lake世代の上位モデルでは、電力効率の改善が評価される一方、ゲーミング性能の伸びは限定的という見方も多い。
Core Ultra 3 205についても、現行のCore i3(第12〜14世代)と比べて、価格差を正当化できるほどの性能向上があるかは現時点では不透明だ。
特に低予算ゲーミングPCでは、CPUよりもGPUへの投資がフレームレートに直結するため、既存プラットフォームの方が合理的な選択となる可能性が高い。
「最新ソケット=長く使える」は必ずしも正解ではない
最新のソケットを選べば将来性がある、という考え方は一理ある。LGA1851も今後数世代にわたって使われる可能性があるだろう。
しかし、Core Ultra 3クラスを選ぶユーザーが、数年後に上位CPUへ載せ替えるケースは多くない。
結果として、マザーボードごと買い替える方が効率的になることも少なくないため、「将来性」を理由に初期コストを許容する価値は限定的だ。
現時点でのおすすめ判断
Core Ultra 3 205に関して、現段階での結論は明確だ。
- 正式発表および発売時期が不明
- ベンチマークデータが存在しない
- マザーボードを含めた総コストが高い
これらを踏まえると、今すぐ購入を検討する段階ではなく、静観が妥当と言える。
代替案として現実的な選択肢
今すぐエントリー〜低予算構成でPCを組みたい場合は、以下の選択肢が依然として有力だ。
- Core i3-12100F / 13100F / 14100F
- LGA1700対応マザーボード
- DDR4メモリ構成
これらは価格・性能・安定性のバランスが良く、浮いた予算をGPUに回すことで実際の使用体験を大きく向上させられる。
(なおDDR4の価格が高騰している件については以下の記事を参考にしてほしい。)
まとめ
Core Ultra 3 205の小売店掲載は、Intelのエントリー向けArrow Lake CPUが着実に準備されていることを示している。
しかし、価格情報だけで判断するのは危険であり、実際の性能やプラットフォーム全体のコストを見極める必要がある。
正式発表とベンチマーク解禁を待ち、冷静に比較検討することが、賢明な自作PCユーザーにとって最善の選択と言えるだろう。




















































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