前回のRX 7000シリーズ価格破壊に続き、今日は本命のAMD Radeon RX 9000シリーズが異次元の価格下落を見せている。
GeForce一強時代は完全に終わりを告げた。GearTune編集部が調査した2025年6月26日時点の最新価格を見れば、もはやゲーマーがRadeonを選ばない理由はどこにもない。断言する。今すぐ買うなら、Radeon RX 9000シリーズ以外に選択肢はない。
目次
【コスパは悪くない】RX 9060 XT 8GB – 正直おすすめできない
現在価格:49,800円~
ついに5万円を切った。正直、8GBというVRAM容量は今のゲーム環境では心もとない。フルHD環境ですら、高画質設定にすると制限がかかる場面も出てくるだろう。
だが、この性能で4万円台は破格と言わざるを得ない。どうせ設定をいじるなら、半端なRTX 4060や5060を買うより、断然こっちを選ぶべきだ。 とにかく安く新世代のパワーを体験したいエントリーユーザーにとっては、それほど悪くない選択肢になる。
価格展開
- ASRock Challenger OC:49,800円
【6万円台の王者】RX 9060 XT 16GB – コスパ最強、議論不要
現在価格:60,980円~
8GB版とは雲泥の差。こちらは検討の価値が十分にある。
単純なコスパだけ見れば、前回記事で紹介したRX 7800 XTやRX 7900 XTXに一歩譲る。しかし、最新のAIアクセラレーター搭載でFSR4を使えることに加え、最新エンコーダー搭載で動画編集や配信画質が向上している点は大きなアドバンテージだ。
「生成AIや3DCGはGeForce」という声も聞こえるが、それは本当に必要か? ほとんどのゲーマーは、RTX 5060 Tiとの1.5万円の差額で、大容量SSDや高速メモリに投資した方が幸せになれる。 ゲームをするなら、これを選んでおけば間違いない。
8GBモデルとの価格差はわずか1万円程度。16GBという大容量VRAMがもたらす安心感を考えれば、この投資は絶対に後悔しない。
注目価格
- ASRock Challenger 16GB OC:60,980円(最安値)
【玄人好みの実力機】RX 9070 – 真の価値が分かるか?
現在価格:104,800円~
一見すると、最安89,800円のRTX 5070より高く感じるかもしれない。だが、それは素人の見方だ。
VRAM 16GBを搭載し、基礎性能も上回るRX 9070が、どうして格下と言えようか。
所詮、RTX 5070はVRAM 12GBのシングルエンコーダーモデル。将来性のない仕様では、高解像度・高画質ゲーミングはすぐに頭打ちになる。AI用途にしても、高品質な大規模モデルが読み込めなければ速度が速くても意味がない。
本質的なスペックで勝るこちらが、実質的なコスパは同等以上だ。
※なぜか最近「定電圧化OC」などともてはやされているが、昔からRadeonを触っている人間にとっては常識だ。クロックのスイートスポットを見極め、電力制限をかけつつ電圧を詰めすぎない設定が最も安定する。
メーカー別価格情報
- ASRock Challenger:104,800円
【市場の破壊者】RX 9070 XT – ゲーマーよ、これが答えだ。
現在価格:119,800円~
ついに12万円切りで安定供給が始まった。
Radeon RX 9000シリーズ、いや2025年のGPU市場における大本命だ。供給量も価格も安定し、今ゲーマーに最もおすすめなアッパーミドルGPUと言い切れる。
性能はライバルのRTX 5070 Tiと互角以上に渡り合い、クリエイティブ性能も前世代から大幅に向上した。
消費電力やクロックに関しては、ジャジャ馬なRX 7900 XTXと比べるとかなり控えめだが、それでも同クラスのGeForce製品よりは暴れる。だが、手動で設定を詰めることを知っているユーザーにとってこれほど素晴らしい素材はない。
まじでコスパが良いので万人におすすめできる製品だ。競合のRTX 5070 Tiが14万円を切り始めてきたが、ほとんどのゲーマーには1-2万円安いRX 9070 XTの方がおすすめだ。
「生成AIや3DCGではGeForceが有利」と声高に主張する人がいるが、そもそもこのクラスのGPUに万能性を求めすぎてはいないか?そこそここなせれば十分だ。
本物のクリエイターは、黙ってRTX 5090を買っている。
実は搭載されているVRAMチップメーカー次第で性能と発熱が変わる。
- Samsung製チップ搭載モデル: 性能は低いが温度も低い
- SK Hynix製チップ搭載モデル: 性能は高いが温度も高い
3DMark Speed Wayでは、SK Hynix製チップを搭載したモデルの方が、Samsung製チップのモデルよりも平均で1~2.6%高いスコアを記録している。さらに言えば、最も性能の低いSK Hynix製モデルですら、最も性能の高いSamsung製モデルのスコアを上回っていたというのだから驚きだ。
この件について、AMDは「Samsung製メモリのタイミングが緩い設定になっているため」と、性能差があることを認めている。
では、なぜ性能が劣るSamsung製の方が温度が低いのか?
「温度が低いSamsung製の方が優秀」と勘違いしているユーザーも多いようだが、これは大きな間違いだ。
SK Hynix製のメモリは、より詰められた(タイトな)メモリタイミングで動作するため、その分発熱が増えているに過ぎない。もしSamsung製チップにSK Hynix製と同じ設定を無理やり適用すれば、同等かそれ以上に発熱するだろう。
結論として、より高いクロック耐性と優れた性能を引き出せるのは、間違いなくSK Hynix製のチップだ。これぞ、自作PCの深い沼。同じ製品でも中身が違う、まさに「ガチャ」というわけだ。もっとも、この1~2%の差はほとんどのゲーマーにとって体感できるものではない。だが、コンマ1秒を争うコアなユーザーにとっては、無視できない差であることもまた事実だ。
詳細価格情報
- ASRock Steel Legend:119,800円
RX 9000シリーズの新機能が「買い」なワケ
FSR4対応による画質向上
AMD FidelityFX Super Resolution 4に対応し、従来のFSR3から大幅な画質向上を実現。
重いゲームも高画質・高フレームレートで遊べる。特にRX 9060 XT 16GB以上のモデルでは、高解像度での恩恵が圧倒的だ。
強化されたハードウェアエンコーダー
OBSなどを使った配信や動画編集において、画質が劇的に向上。同価格帯のGeForce製品と比較しても見劣りしないレベルに到達した。
最新AIアクセラレーター搭載
ローカルAI処理において、従来のRadeonシリーズから飛躍的な性能向上を実現。
FSR4等の最新機能を支えている。
生成AIやAI画像処理での活用価値が大幅に高まっている。
GeForce RTX 5000シリーズとの価格比較
GPU | AMD価格 | NVIDIA価格 | 価格差 |
---|---|---|---|
RX 9060 XT 16GB vs RTX 5060 Ti | 60,980円~ | 75,800円~ | 約12,000円安 |
RX 9070 vs RTX 5070 | 104,800円~ | 89,980円~ | 約15,000円高 |
RX 9070 XT vs RTX 5070 Ti | 119,800円~ | 139,800円~ | 約15,000円安 |
筆者のコメント
RX 7000シリーズに続き、RX 9000シリーズも圧倒的なコスパを見せつけている。特にRX 9070 XTの119,800円という価格は、同性能のGeForce製品と比較して2万円程安い。
一方でRTX 5070、RTX 5070 Tiも値下がってきており、決してコスパは悪くないのだが、Radeon製品には劣ってしまう。特にRX 9070シリーズの16GB VRAMという安心感は、モンハンワイルズのような重量級タイトルを見据えた賢い選択だろう。
RX 9060 XT 16GBも、クリエイター向けの需要を考えれば十分に魅力的だ。60,980円で16GB VRAMが手に入るのは、ゲーム配信を始めたい人にとって朗報だろう。
ただし、レイトレーシング性能を重視する人はGeForceも検討すべきだ。しかし、FSR4対応による画質向上を考慮すれば、多くのゲーマーにとってRX 9000シリーズで十分以上の体験が得られる。
GearTune編集部としては、予算6万円前後ならRX 9060 XT 16GB、予算10万円以上ならRX 9070 XTを強く推奨する。新世代アーキテクチャの恩恵と将来性を考えれば、向こう3年は余裕で現役として活躍してくれるはずだ。
RX 7000シリーズの破壊的値下げと併せて考えれば、現在のAMD Radeonシリーズは史上最高のコスパGPU群と断言できる。この機会を逃す手はない。
※価格情報は2025年6月26日時点の価格.com、Amazon調べ
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